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気密測定

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#C値

住宅の気密測定方法(手順)

住宅の気密測定方法(手順)

今回は気密測定の方法を順を追ってご説明します。
気密測定器で測定する場合、自動測定というモードがありますので、基本的には測定開始したら自動で測定を開始し結果を表示します。

ただ、これでは測定の手順がわかりませんので、ここでは手動測定モードの説明をします。
手動と言っても測定自体は難しくなくセミオートという感じで、人がやるのは測定点(圧力差の位置)を決めることです。

前に気密測定方法について書い

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気密測定の減圧法と加圧法

気密測定の減圧法と加圧法

気密測定する場合、減圧法と加圧法という二つの方法があります
減圧法は住宅内の空気を外に出して住宅を減圧して測定する方法です。
加圧法は住宅内に空気を吹き込んで加圧して測定する方法です。

減圧法と加圧法では送風機の向きが変わります。
加圧法は送風機の向きの関係で送風機などを外に設置することがありますが、そうしますと気密測定器の設置が難しくなります。
また、設置方法によっては風などの外の影響を受けや

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気密測定のマニュアル

気密測定のマニュアル

気密測定器は元々コーナー札幌(株)という一企業が開発した測定器で、この測定器の取扱説明書が唯一の気密測定のマニュアルでした。
その後気密測定はJIS化(JIS A 2201)され、現在はこのJISが気密測定のベースになっています。

IBECsの気密測定技能者マニュアル一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター(IBECs)が気密測定技能者養成事業を行っており、ここで気密測定技能者を登録する制度

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なぜ気密測定が必要

なぜ気密測定が必要

住宅の高気密化を始めた当初、木造住宅の気密化は大変でした。
そもそもどうしたら気密化できるのかがわかっていませんでした。
その後気密化方法が開発され、気密施工に必要な専用部材も販売されるようになりました。
現在は気密化方法がマニュアル化され、そのマニュアルに従って施工すれば、ある程度までの高気密化は可能になりました。

気密施工方法が確立されているのであれば、なぜわざわざ気密測定をしなければいけな

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住宅によって気密性能に差がありすぎる

住宅によって気密性能に差がありすぎる

住宅のすき間の大きさはC値(相当隙間面積)で表します。
C値が小さいほどすき間が小さいことを表しています。

最近は気密性能が非常に高い住宅が増えてきており、C値が0.3を切る住宅も珍しくなくなってきています。
最近の窓は昔に比べて気密性能が高くなりましたので、特に高気密化をしなくても昔よりはC値は小さくなっています。
ただ、一定以上の性能にするためには正しい気密施工が必要です。

高気密化されて

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気密測定結果の誤った見方

気密測定についての質問を度々受けますが、最近施主の方がインターネットでいろいろ調べているようで、施主からこのような質問があったがどのように回答したらいいかという質問が増えてきています。

高気密住宅の重要性が理解されてきていて、気密測定に興味ある方が増えてきているのだと思います。
ただ、ネット上の情報をそのまま受け取ってしまう方もいらっしゃるようで、気密測定者が説明してもわかっていただけないことが

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住宅にどのくらいの気密性能が必要?

熱を逃がさないためすき間が多いと熱が外に逃げていったり、風などにより換気量が増えたりするため、無駄な熱損失が多くなります。
では、風の影響をシミュレーションしてみましょう。
実際にはすき間が0ということはありませんが、0を基準として相当隙間面積(C値)別に、暖房費を計算してみます。

基本的にすき間が小さいほど、暖房費は少なくなります。
どこまで許容できるかは人によると思いますが、C値が1~2以下

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住宅の気密測定結果の見方

前回住宅の気密測定方法に説明しましたので、今回は測定結果の見方を書きたいと思います。

気密測定器で測定すると以下のようなグラフが出力されます。

このグラフは、気密測定器で測定した圧力差とその時の通気量(風量)をプロットしたものです。
このグラフのように通常は圧力差を変えて5点測定します。
このグラフは気密測定器から印刷されます。

このグラフを元に圧力差が1Pa時の時間当たりの通気量(通気率)

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住宅の気密測定方法

前回気密測定器の話を書いたので、今回は気密測定についてちょっと具体的に書いてみます。
気密測定とは、気密測定器という機械を使って住宅のすき間を測定することを言います。

準備気密測定をする場合は準備が必要です。
まず、外に面している窓・ドアを閉めます。室内のドアはすべて開けます。
換気システムは停止します。
流しなどの排水管は、封水(または目張り)します。
(その他、住宅よって、閉じる部分、目張り

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気密測定器とは?

気密測定器とは?

興味のある方が少ないかもしれませんが、あまりネット上にも具体的な説明がないので、住宅のすき間(C値)を測定する気密測定器についてご説明します。
気密測定器は、住宅のすき間の大きさを測定する機器です。
住宅のすき間の大きさは直接測ることができないため、気密測定器という機器を使って相当隙間面積(C値)を測定・計算します。

気密測定器の構成は以下のようになっています。

基本的な構成は、送風機、送風機

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相当隙間面積(C値)とは?

前回気密測定の話を書きましたので、今回は相当隙間面積(C値)についてご説明します。

C値は住宅のすき間の大きさを表す数値です。
単位はcm²/m²です。
C値が小さいほど高気密住宅(すき間が小さい住宅)ということがわかります。
現在の住宅は気密性能にかなりの差があり、C値が小さい住宅ですと0.1くらいの住宅もありますし、古い住宅ですとC値が10を越えるものもあります。
つまりC値は住宅によっては

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住宅のすき間の大きさを測る方法(気密測定器)

住宅を高気密化するためには、まず住宅のすき間の大きさを確認しなければなりません。
住宅のすき間は小さなすき間が様々な場所にありますので、定規で測れるようなものではありません。
そのため、気密測定器という機械を使用して測ります。

気密測定の原理は単純です。
まず、送風機(パワーのある扇風機のようなもの)を窓やドアに設置します。
送風機で住宅内の空気を外に出すと、外気と住宅内で圧力差が生じます。

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