武田暢高

長年住宅の環境性能に関する仕事をしてきました。 気密測定や換気、省エネルギー基準に関することや、暖冷房エネルギー、室温、結露などのシミュレーションに多くかかわってきました。 快適で省エネで健康に過ごせる住宅が広く普及してくれればと思っています。

武田暢高

長年住宅の環境性能に関する仕事をしてきました。 気密測定や換気、省エネルギー基準に関することや、暖冷房エネルギー、室温、結露などのシミュレーションに多くかかわってきました。 快適で省エネで健康に過ごせる住宅が広く普及してくれればと思っています。

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    • 省エネ基準

      省エネルギー基準(省エネ基準)や説明義務制度などに関する記事のまとめ

    • 省エネ基準の計算方法

      住宅の省エネ基準の計算方法についての解説です。 外皮平均熱貫流率(UA値)、冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)、暖房期の平均日射熱取得率(ηAH値)の計算についてご説明します。

    • 気密測定

    • 省エネ性能の説明義務制度

      住宅の省エネ性能の説明義務制度についての投稿をまとめたものです。

    最近の記事

    省エネ基準で共同住宅の温度差係数が変更されました

    住宅の省エネルギー基準(省エネ基準)の共同住宅の温度差係数が変更になりました。 変更点は以下の通りです。 ・共同住宅で隣接空間が住戸の場合、熱貫流率(U値)の基準を満たしていると界壁・界天井・界壁の温度差係数をゼロで計算できる 温度差係数は外皮平均熱貫流率(UA値)を計算するときに使用します。 温度差係数をゼロにできるということは、住戸に接している部分の熱損失がゼロになるということです。 熱貫流率の基準は「平成28年国土交通省告示第266号」に示されている熱貫流率の基準値で

      • 住宅の省エネ基準は地味に更新され続けている

        2021年4月に住宅の省エネルギー基準(省エネ基準)の計算方法は変更になりました。 その後も地味に計算方法が変更になっていますが、あまり知られていないようです。 一次エネルギー消費量はWeb上のアプリで計算しますが、割とこまめに更新されています。 https://house.lowenergy.jp/ 2021年4月の時点ではVer.3でしたが、現在の最新版はVer.3.3です。 そのため、計算するバージョンによって同じ入力データでも計算結果が変わってくることがあります。

        • 住宅の省エネについて考えてみる

          今さらですが住宅の省エネについて考えてみたいと思います。 住宅では様々なエネルギーが消費されます。 たとえば、暖房、冷房、給湯、調理、照明、家電などです。 エネルギー消費量の割合環境省の調査(平成29年)によりますと、関東の1年間のエネルギー消費量は以下になります。 暖房: 6.2GJ 冷房: 0.6GJ 給湯: 11.4GJ 調理: 2.5GJ 照明・家電等: 10.2GJ これを円グラフにするとこのようになります。 一般的に暖房・冷房のエネルギー消費量が多い印象だと

          • 日よけ効果係数とは?

            前回日よけの効果をそれぞれの方法で計算してみました。 その中で日よけ効果係数が精緻な計算と説明しましたが、日よけ効果係数とは具体的に何なのでしょうか。 窓の日射熱取得率を計算するときに取得日射熱補正係数を計算します。 取得日射熱補正係数を計算する方法はいくつかありますが、その一つが日よけ効果係数を使用する方法です。 日よけ効果係数を計算する方法は非常に複雑です。 そのため、手計算できるものではなく専用ソフトを使用して計算します。 ホームページに公式Webアプリが用意され

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            日よけの適正な寸法は?

            庇などの日よけは夏の日射を遮ることができ省エネになります。 ただし、庇が長すぎると冬の日射も遮ってしまうため、室内に日射が入らなくなり、暖房のエネルギーが増えます。 そのため、日よけは夏と冬の両方を考えなくてはなりません。 太陽の高さ(太陽高度)は季節によって変化します。 夏は太陽高度は高く冬は太陽高度が低くなります。 日よけの効果は太陽の高さによって変わります。 夏太陽は高い位置にありますから、日よけで影ができやすく日射が室内に入りづらくなります。 冬太陽は低い位置にあり

            日よけの効果を計算する(計算例)

            前回「日よけの効果を計算する」を投稿しました。 今回は、実際に取得日射熱補正係数を計算して、計算方法によってどのような違いが出るか確認してみます。 ちなみに窓の日射熱取得率は、 [日射熱取得率] × [取得日射熱補正係数] で計算します。 そのため、取得日射熱補正係数が小さくなれば日射熱取得率は小さくなり日射熱取得量も小さくなります。 日射熱取得量が小さくなるということは、平均日射熱取得率が小さくなるということです。 計算の条件は以下の通りです 6地域で窓は南面とし、窓

            日よけの効果を計算する

            夏の日射を遮り冬の日射を取り入れれば省エネになります そのため、住宅の省エネのためには日よけを利用して日射をコントロールすることが重要です。 省エネ基準の平均日射熱取得係数(ηA値)では日よけの効果を考慮することができます。 窓に庇(オーバーハング)などの日よけがあれば、冷房期の平均日射熱取得率を小さくすることができ、基準をクリアしやすくなります。 日よけは、壁面からの張出し(出)が長ければ、その分日射を遮ることができます。 ただし、窓と日よけの距離が離れていれば、日よけ

            住宅の省エネ計算は嫌われる?

            2021年4月に省エネ性能の説明義務制度が始まって、省エネ基準の計算(省エネ計算)をする機会が増えた建築士の方たちは多いと思います。 自社で計算する場合は計算にかかる手間は建築士の負担になります。 モデル住宅法などの簡易に計算する方法もありますが、それでも計算する時間がゼロになるわけではありません。 計算よって従来よりも仕事量が増えるわけですから、省エネ計算を嫌っている方もいらっしゃると思います。 省エネ計算は住宅の省エネ性能を判断するためのシミュレーションです。 本来省

            省エネ計算の基礎・土間床計算の注意点(新計算法)

            2021年4月から省エネ基準の一部の計算が変更になりました。 基礎・土間床計算も新計算法が提示されました。 旧計算法は現在のところ期限が設けられていませんので、旧計算法での計算も可能です。 新計算法は対応している断熱方法などが限られるため、計算方法によっては不利な計算になりますので、敢えて旧計算法で計算するのもありだと思います。 新計算法の土間床等外周部の線熱貫流率の計算方法は以下があります 基礎形状によらない値を用いる方法もっとも簡単な方法です。 断熱ありなしにかか

            省エネ基準の旧計算法の経過措置が3月で終了します

            去年の4月に省エネ基準の計算法が変更(技術情報 Ver.3系)になりました。 旧計算法(技術情報 Ver.2系)は経過措置として1年間の猶予がありましたが、これが今月で終了する予定です。 旧計算法で計算されている方は新しい計算法に移行してください。 古い計算ソフトやExcelシートを使用している人は注意が必要です。 特に注意が必要なのは以下の2点です。 一つは熱貫流率(U値)の計算で、熱貫流率補正法(簡略計算方法)を計算している場合です。 この計算は使用できなくなります。

            数千円の温湿度計と数万円の温湿度計は何が違う?

            ホームセンターや家電量販店などでは、温湿度計が千円くらいから売ってます。 一方同じような機能なのに数万円というような高価な温湿度計も存在します。 この違いは何なのでしょうか。 機能が違えば価格は変わってきますが、機能が変わらないのに高価なものもあります。 これは温湿度計に限らず測定器全般に言えることですが、同じ機能であれば価格の差は測定範囲、精度、耐久性などの違いが考えられます。 たとえば、自宅の温湿度を測るのであれば、厳密な精度は必要ないので千円の温湿度計でも十分かもし

            省エネ基準の義務化で住宅は高くなる?

            省エネ基準の適合義務化が始まると住宅の価格が高くなると言う方がいらっしゃいます。 現在の省エネ基準はすでに高断熱住宅というレベルではなく、最低限必要なレベルという位置づけです。 最低限なレベルにするだけで住宅の価格が高くなるのであれば、そもそもその住宅は断熱性能が低すぎないでしょうか。 たとえば断熱材を厚くすれば、その分コストはかかります。 たとえば、従来断熱材が50mmだったのを100mmにすれば断熱材は倍必要です。 ただ、断熱材を50mm増やすのに必要なコストは、住宅に

            ZEHの達成状況

            エネルギー基本計画で「2020年までにハウスメーカー等が新築する注文戸 建住宅の半数以上でZEHの実現を目指す」という目標がありました。 一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)からZEHの達成状況が公表されています。 この資料によりますとハウスメーカーでは達成率が56.3%になっています。一方全体では24%ですから、大手のハウスメーカー以外は省エネ対応が遅れていることがわかります。 ZEHですから省エネ設備や太陽光発電などの影響も大きいと思われますが、工務店でZEH

            太陽光発電は得なのか

            太陽光発電はエネルギーを作る(創エネ)のでトータルで省エネになります。 一次エネルギー消費量を計算する場合、太陽光発電があると有利になります。 ただ、太陽光発電は気象やその他条件により発電量が変わります。 では、太陽光発電はトータルでお得なのでしょうか 日照時間効率的に発電するためには、直射日光がソーラーパネルに当たる必要があります。 そうしますと日照時間が長いかどうかが重要です。 日照時間は地域によって異なりますますし季節によっても異なります。 そのため、年間の日照時間が

            住宅によって気密性能に差がありすぎる

            住宅のすき間の大きさはC値(相当隙間面積)で表します。 C値が小さいほどすき間が小さいことを表しています。 最近は気密性能が非常に高い住宅が増えてきており、C値が0.3を切る住宅も珍しくなくなってきています。 最近の窓は昔に比べて気密性能が高くなりましたので、特に高気密化をしなくても昔よりはC値は小さくなっています。 ただ、一定以上の性能にするためには正しい気密施工が必要です。 高気密化されていない住宅の気密測定はあまり行われていませんので、実際C値がどれくらいなのかはは

            省エネ計算を代行業者に出すのはもったいない

            2021年4月から省エネ性能の説明義務制度が始まりました。 そのため基本的には新築住宅は省エネ基準の計算が必要になります。 省エネ計算の経験が少ない場合は計算に時間がかかります。 そのため、省エネ計算を計算代行業者に出しているところは多いのではないかと思います。 省エネ計算を外注すると、住宅が省エネ基準をクリアしたかしないかの確認だけになってしまいます。 これはもったいないことです。 省エネ計算をすると、住宅の断熱性能、日射遮蔽性能(夏)、日射取得性能(冬)、各部位ごと