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気密測定の減圧法と加圧法

気密測定する場合、減圧法加圧法という二つの方法があります
減圧法は住宅内の空気を外に出して住宅を減圧して測定する方法です。
加圧法は住宅内に空気を吹き込んで加圧して測定する方法です。

減圧法と加圧法では送風機の向きが変わります。
加圧法は送風機の向きの関係で送風機などを外に設置することがありますが、そうしますと気密測定器の設置が難しくなります。
また、設置方法によっては風などの外の影響を受けやすくなり、データのばらつきの原因になります。
加圧法は外のほこりなどが中に入りますし、冬は冷たい空気を室内に吹き込むことで機器や人に悪影響を与える可能性があります。
このようなことから、JISでは減圧法が原則とされています。

減圧法と加圧法の測定結果の違い

理論的には減圧法・加圧法どちらで測定しても測定に差異はないはずです。
ただ、実際にはドアの気密性、換気扇のシャッターなどの影響を受けます。
たとえば、昔の引き戸の窓は気密性が低かったため、減圧法では一定の圧がかかると窓が押しつけられて隙間が少なくなり、加圧法では圧がかかると隙間が大きくなる傾向がありました。
そのため、減圧法と加圧法で測定結果が大きく変わることがありました。
気密性能の高い窓の場合は、それほど大きな差異はないと言われています。
最近の窓は気密性能が高くなってきていますので、高気密住宅では昔ほどの差異はないと思われます。

実際の生活では換気システムや台所の換気扇などで減圧になる傾向にありますので、減圧法の測定が妥当と言われています。
なお、パッシブハウスの場合は減圧法と加圧法の両方を測っているようです。


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