住宅の気密測定方法

前回気密測定器の話を書いたので、今回は気密測定についてちょっと具体的に書いてみます。
気密測定とは、気密測定器という機械を使って住宅のすき間を測定することを言います。

準備

気密測定をする場合は準備が必要です。
まず、外に面している窓・ドアを閉めます。室内のドアはすべて開けます。
換気システムは停止します。
流しなどの排水管は、封水(または目張り)します。
(その他、住宅よって、閉じる部分目張りする部分などがあります)

次に、一つの窓(またはドア)を開け、そこに気密測定器の送風機を設置します。
その窓と送風機の間にすき間ができないように目張りします。
圧力差を測るためのホース、温度センサーなどを設置します。
そして各センサーやホースを気密測定器本体に接続します。
準備にかかる時間は住宅などによりますが、だいたい1時間くらいです。

測定

測定は気密測定器の送風機を回して室内の空気を外に排出し(減圧法)住宅の内外で圧力差を作ります。

そしてそのときの圧力差通気量(風量)を記録します。
圧力差を変えて通常5点以上の圧力差と通気量を記録します。
一般的には圧力差20~50Paの間で5点測定します。
(圧力差は風などの条件により30~70Paなどの範囲に変える場合があります)

気密測定は一般的には気密測定器が自動(または半自動)で行います。
気密測定器によっては、スタートボタンを1回押すだけで測定できるものもあります。
一回の測定は住宅や測定点数などによりますが、測定開始してから10分くらいです。

測定結果

気密測定器は測定したデータから総相当隙間面積(αA)まで計算しますので、これを床面積で割って相当隙間面積(C値)を計算します。
これが気密測定の一連の流れです。

通常測定は数回行い、その平均を求めます。
測定方法には減圧法加圧法があります。
減圧法は住宅内の空気を外に出す方法で行い、加圧法は外の空気を住宅内に入れる方法で行います。
本来は減圧法と加圧法の両方で測定し平均することが理想ですが、一般的には加圧法はあまり行われていません。
これは、外の粉塵などが室内に入ることを嫌うためと、外に機器を設置するのが難しいためです。

高気密住宅にこだわっているビルダー(ハウスメーカー、工務店を含む)では、気密層ができたとき(住宅工事の途中)と、住宅の完成時の二回測定を行います。
これは、工事途中ですき間を発見できれば、そこですき間を埋めることができるためです。
内装などすべての工事が終わった後に、気密測定を行っても手直しはできません。

気密測定技能者

気密測定をする場合、通常は気密測定技能者が行います。
気密測定技能者は、試験を受けて取得し「気密測定技能者登録カード」というものを所持しています。
気密測定技能者以外の方が測定しても問題はありませんが、気密測定技能者は気密測定の勉強をし試験に合格した人たちなので、安心して測定を任せることができます。


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