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21=25 〜数えることの本質〜 シンタロウのさんすう vol.4

シンタロウです。僕はネコです。ある理由で人間の皆さんに読んでもらうための連載をはじめました。その背景はぜひこちらで復習をお願いします^^


では本題に入るにゃ。

さっきご飯を食べたばかりで眠いです。いきなりやる気がない感じでごめんにゃさい(笑) 食べること。寝ること。大事でしょ? この記事を書き終わったらお昼寝しようと思います。 Zzz…


26_眠そう


この連載ではここまで人間の皆さんに「数」のそもそもについて教えてきたよね。数は「区別するためのもの」「順序をつけるもの」ってことなんだ。覚えている?

で、今回のテーマは「数えること」です。

ピンとこないかもしれないけど、実は「数」がどういうものかを知ることとと、「数えること」は全然違うことなんです。例えばアメリカ人は英語を話す。これはみんな知っているよね。でもそれを知っているからといって、英語を話せるようになるわけじゃないでしょ? それと同じことかな。

なぜ人間は数えるようになったのか。そこから説明します。とはいえ答えは簡単。「区別」したかったから。そして「順序」をつけたかったから。例えばあなたの貯金はいまいくらでしょうか? 実際に答えなくていいですよ(笑) さあ、実際の金額が思い浮かんだでしょうか。いまあなたがしたことがまさに「数える」という行為なんです。その行為をすることで、昨年の貯金額と比較ができますよね。そして昨年と「違う」ことを認識でき、昨年よる増えたという「順序」を決めることができたでしょう? こうして僕が説明するとすごく周りくどく感じるかもしれないね。それくらい人間の皆さんは当たり前のように、自然に、数えるという行為をしてしまっています。何も考えずに(←ここ重要)。


では、本題の本題に入るにゃ。

実はまだ本題じゃなかったという(笑)

数えるって、大変だと思いませんか? 例えばあなたがライブやスポーツのイベントに参加しているとします。会場にいる観客の数を数えてください。

・・・嫌ですよね?(笑)

なぜ嫌なのでしょう。そんなたくさんの人数を数えるのはめんどくさいからです。大変だからです。時間がかかるからです。

では、もしいまあなたがコンビニエンスストアにいるとします。店内にいるお客様の数を数えてください。

・・・これならできませんか?

なぜこれならできるのか。少ない数だからです。それほど大変じゃないからです。短い時間で済むからです。

昔の人も、同じような問題に直面しました。「ちょっと」は数えられるけれど、「いっぱい」は数えられない。そんな課題です。そこで人間はどう考えたでしょうか? 1分くらい考えてみてください。きっと数えることの本質が見えてくると思います。


箱で考える。

人間の皆さんなら、きっと同じ発想が出てきたでしょう。かつての人間たちも同じように考えました。

数えてください

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めんどくさいですよね^^;


ではもし黄色の箱の中にある数が「10」だとしたら、こちらはどうでしょうか?

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これなら簡単に数えられませんか?


10が入った箱が2つと、余計なものが1つ →  だから「21」


何を当たり前なことを思うかもしれませんが、よーく見てくださいね。

答え「21」の「2」は何を指しているでしょうか? 箱の数です。では答え「21」の「1」は何をさしているでしょうか? 余計なものの数です。

(箱の数)&(余計なものの数)

人間はこの考え方が「数えること」にとても便利だと気づいたんです。ご存知の方もいるでしょうけれど、この箱の中に入っている数が「10」のとき、先ほどの「21」という数は現代で「10進法による表現」と呼ばれています。

「10」を箱にして数えるんですよー

って意味です。


21=25 (?)

じゃあ同じように考えると、「8進法による表現」だと、さっきの数はどう表現することになるんでしょう? なんかお勉強っぽくなってきたね(笑)

「8」を1つの箱にして考えると、箱が2つと余計なものが5つということになるね。だからさっきの数はこう表現することになるんだ。

8が入った箱が2つと、余計なものが5つ →  だから25

人間の皆さんは10進法で数えることが常識だから、この表現はまったくピンとこないと思います。でも、さっきの数は「25」なんです(笑)


21(10進法)= 25(8進法)


そう考えると、数の表現方法ってひとつじゃないんだなって気づくはずです。皆さんの身近にもたくさんそんな例はあるよね。例えば1時間は何分? 1年は何日? 1週間は何日? 1ダースは何本? これらを今回の「箱」の話とつなげてみると、「数えるのがめんどくさいときにどうするか?」という課題の解決法がいかに現代でも重要なのかが伝わると思うんだけどどうかな?

さあて、今回はこれくらいにしておこうかな。せっかくだから次回はこのまま○進法の話をしてみようかなーって思っています^^  もしあなたが子供のいるママやパパだったら、今回のような話を雑談でしてみるといいと思いますよ。

「小さい頃に数が苦手になってしまうと、大人になってから勉強や仕事で苦労することになる」

数学者でもある我が家の旦那さんがそう言ってました。

では今日はこのへんで。

最後まで読んでくれてありがとにゃ。


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シンタロウ(猫・オス)

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人間に算学を教える猫・シンタロウ。なぜか日本語を喋ることができる。前世は商人として財を成し、晩年は教育者として算学を子どもたちに教えていた。そして現現代。猫として生を受けたシンタロウは現代の人間があまりに数字を苦手としていることに剛を煮やし、ブログなどで人間に算学を教え始める。飼い主である夫妻は夫が数学者・妻が投資家。日中はふたりとも外出が多く、自宅でひとりぼっち。暇つぶしで書き始めた「シンタロウのさんすう」は、数字に苦手意識を持つ大人や子供に数の大事さをどう教えようか悩むパパやママが“ムッツリ”読んでいるともっぱらの噂。

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