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なぜ研修の冒頭で歌うのか 〜某大手企業オンライン研修「数字で伝える・説得する技術」〜

研修登壇のレポートです。

本日は某大手企業の集合型研修。オンライン(zoom)にて実施いたしました。当日までアレンジいただいた皆様に心から感謝いたします。

いつも申し上げることですが、研修講師は「研修」というビジネス案件の一部を担っているに過ぎません。当日のテクニカルサポート、事前準備で汗を流してくださった人事担当者、様々な方の尽力で講師は仕事ができます。今日もそんな(ある意味では)裏方の皆様の上質な仕事があったからこそ、無事にいい研修になったと思います。ありがとうございました。



さて、あなたにシェアを。



この研修の冒頭、私は歌を歌いました。


オンラインです。まだ参加者のどなたとも対話をしていません。冒頭、いきなり。この企業のテレビCMで流れているフレーズの一節を、ルンルン(死語)で、画面に向かって、歌いました。顔文字で表現するなら、こんな感じだったと思います。


♪( ´▽`)



いつもそんなことをしているわけではありません。今日はそのような「選択」をしました。なぜそんなことをしたのか。少しだけコメントをしておきます。参考になる方がいれば嬉しいです。


実は研修というものには、「イメージ」があります。


「モチベーションUP研修」なんてものがもしあるとしたら、あなたはどんな空気や内容を想像するでしょうか。おそらくは「元気」「大きな声」「明るい」「笑い」そんな言語で表現されるものをイメージするのではないでしょうか。

「コンプライアンス研修」なるものがあるとしたら、あなたはどんな空気や内容を想像するでしょうか。おそらくは「かっちり」「しっかり」「緊張感」「厳守」 そんな言語で表現されるものをイメージするのではないでしょうか。

それと同じように、「数字の研修」にもイメージがあります。受講する前に参加者が持っている、「なんとなーく」なイメージです。そのイメージ通りの内容でOKである場合もありますが、そのイメージ通りでは困る時もあります。もし後者なのであれば、研修の冒頭でそのイメージ(先入観)を消し去る必要があります。

なぜなら、人間は「印象」がとても強く残る生き物だからです。


例えばあなたが1ヶ月前に2時間の映画を観たとします。どんな内容だったか、細部まで覚えていますか? 覚えていませんよね。でも、「印象」だけは今でも強く残っているはずです。

「面白かった」
「よかった」
「怖かった」
「感動した」

人間は、1ヶ月前に観た映画の感想を、こんな言葉でしか説明できません。つまり、残念ながら「印象」しか残らないということです。

研修講師はこの「印象」をコントロールしないといけません。内容がしっかりしていることは重要であり、最低限のマナーです。それを前提として、研修は「印象」がとても大事なのです。



なぜ私は今日の研修の冒頭でいきなり歌ったのか。


印象を変える必要があったからです。印象は最初で決まります。例えば初対面の人に対する印象、会って数秒で決まりますよね。それと同じ。研修も冒頭の数分で印象が決まってしまいます。

「あ、楽しそうだな」
「お、思っていたよりカジュアルでOKなんだな」
「あれ、そんなラフな感じで参加していいんだ」
「なんか、この講師のおっさんオモロイ」
「よかった、あまり緊張しないで過ごせそうだ」


最初の印象で、その後の参加姿勢が決まります。参加姿勢が決まれば、その研修を最後まで「心の惑い」なく参加することができます。これはとても大事なことです。プロの講師であればみんな意識していることでしょう。きっと。

これは私がマネジメントしている「ビジネス数学インストラクター」の養成講座でも必ず技術として教えていることでもあります。



その研修や講義にどんな印象づけをするのか定義し、その印象になるためにはどのような立ち振る舞いやデリバリーが必要かを考えなさいと。研修講師は冒頭で歌を歌えと言っているわけではありません。印象づけという発想を持っていましょうということです。


最後まで笑顔の絶えない「数字の研修」

参加者の「数字」に対する印象も変わってくれていたら嬉しいな。

知識を提供するだけなら誰でもできるし、それは講師の仕事ではありません。

印象を変えることが、講師の本当の仕事だったりします。








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