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『終わらない歌』(著者:宮下奈都)は東京都市大学付属中、富士見中で出題されました!中学受験国語の入試問題の内容、あらすじを紹介します!

■『終わらない歌』(著者:宮下奈都)について

『よろこびの歌』の3年後を描いた続編です。御木元玲はやはり音大に進学し一人暮らしを始めます。原千夏はミュージカル女優を目指して劇団に所属し、バイトしながら練習に励んでいます。他の高校時代の友人たちも描かれながら、最後は、玲が千夏の劇団のオーディションに挑戦することになります。

『よろこびの歌』に続いて、若さあふれるパワー感じる小説となっています。いつの間にかミュージカルの世界にどんどん引き込まれていきます。
2作続けて多くの人に読んでもらいたい作品です。

小学生にとってはまた世代が上のものになってしまい、ちょっと難しいです。他の高校時代の友人たちが大学に入ったあとどうなったかということも書かれていて、その部分は小学生には理解しがたいところも多いと思うので、入試で出題された最終章、最も勢いのある章だけ読んでみるというのもいいでしょう。

詳しいあらすじを最後に書いています。読書感想文などを書く際に参考にしてみてください。(ネタバレになりますので、読みたくない方はご覧にならないでください。)

中学受験では、2014年度第1回東京都市大学付属中学校、2020年度第1回富士見中学校の国語の入試問題で出題されました。

◆2014年度第1回東京都市大学付属中学校の国語の入試問題

『終わらない歌』は6章から成り立っていて、その最終章「終わらない歌」の前半から、原千夏が御木元玲に自分の劇団の若手公演のオーディションに出るように勧めるシーンが出ました。文庫で10.5ページ分が大問2番です。

この大問2番の問題形式は、語句の問題が2問記号選択で、他7問全て4択の記号選択問題でした。

◆2020年度第1回富士見中学校の国語の入試問題

大問2番で最初に「音大声楽専攻の御木元玲が、高校の同級生の原千夏が所属するミュージカル劇団の若手公園に出演することになる」という説明があり、「玲は劇団でどう歌っていいか演じていいかまだわからなかった。劇団のリーダーの伊戸洋介からアドバイスをもらう。劇団のメンバーの千夏と七緒と、駅までの帰り道、きれいな星空を見上げ、夏の大三角のように3人で引き立て合えるように歌おうと思う」という場面が出題されました。

この大問2番の設問形式は、漢字の書き取りが1問、語句の挿入が2問、4択の記号選択問題が2問、語句の意味が2問、熟語の組み立てが1問、四字熟語が1問、25字の記述問題が1問、抜き出しが2問と30字の記述1問の組み合わせで1問、40字の記述問題が1問で、全部で12問でした。

大問1番が論説文で、大問2番まででした。

■『終わらない歌』あらすじ(ネタバレ)

御木元玲は声楽を志して音大に入学する。母の勧めで大学近くのマンションに一人暮らしをするようになった。母には頑張ると言って出たものの、大学1クラスの中で自分の地位は7〜10番くらいではないかと思っている。このくらいで歌っていけるのか、歌を歌う情熱が湧いてこないと。原千夏はミュージカル劇団に属し、バイトをいくつも掛け持ちしながら、歌やダンスのレッスンを受けている。

東条あやが短大を卒業して北陸の眼鏡を作る会社に就職したため、お別れ兼ねてのクラス会が開かれる。そこで、みんなの近況報告会となる。中学でソフトボールでエースだったが肩を壊してできなくなった中溝早希は、大学の運動科学部に進んだ。クラス委員だった佐々木ひかりは保育士を目指して短大から四大へ行くことに。里中佳子は、高校の古典の教師にずっと片思いをしていてふられたとか。東条あやがなぜ北陸の会社に就職したかもその後の章で語られる。

千夏はあるオーディションに落ち、劇団の指導者に育ちが良すぎる、もっと貪欲にならないとと注意される。そして、次の劇団の若手公演で千夏は2人のメインキャストのうちの1つをもらえることになる。ところが、そこにもう1人劇団員ではない歌が歌える人が必要だというのだ。そのもう1人に、千夏は玲を推薦する。玲に劇団のオーディションを受けるように話すが、玲が目指しているものはオペラであってミュージカルではなかった。しかし、千夏の話に促され、オーディションを受けることにする。玲は劇団指導者に気に入られ、千夏と同じ舞台に立つことになる。玲は歌以外のレッスンを受けたことがないので、ダンスのレッスンは厳しかったが、歌える喜びをひしひしと感じながら、自分は歌い続けていくことを確信する。

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