10代の新型コロナワクチン接種率が高くなるにつれて、厚労省のサイトで公開されている「新型コロナワクチン接種後の副反応疑い報告」にも、10代の症例報告が増えています。接種後に出ている症状は、大手メディアで報道されているものだけではありません。5歳~11歳への接種を検討している保護者の皆様に、どのような症状が出ているか知っていただきたいので、気になる症例を紹介していきます。
低音性感音難聴
1月21日に公開された報告です。
資料1-2-3-1より。
紹介する報告は、重複している部分などは編集してあります。BNT162b2は、コミナティ筋注(ファイザー製)のことです。
※CMTはコミナティ筋注、AEは有害事象のことだと思われます。
脳神経外科で MRI検査をしたということは、それほど辛い頭痛だったと思われます。そして接種の約1ヶ月後に低音性感音難聴症と診断されたとのことなので、頭痛との関係が気になります。もしこの頭痛が何かのサインだったなら、もっと早く対処することができたかもしれません。10代の辛い頭痛、長引く頭痛は報告が増えているので、もっと詳しく調査してほしいです。
突発性難聴
※右聾:右側が高度の難聴である状態
「血液検査は、ムンプス感染パターン、抗核抗体陰性とANCA陰性を示した」とあるので、おたふく風邪や抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎も疑われたけれど、どちらも陰性だったようです。
そしてこの報告医師は、「程度の差はあるもののワクチン接種後の感音難聴が散見され、副反応の可能性は否定できない」と言っています。実際、製造販売業者からの報告も複数ありますが、すべてが報告されているわけではないので、実際はもっと多いと思われます。発症しても、本人がワクチン接種との関連に気づいていない場合もあるでしょう。
資料1-2-1より
(製造販売業者からの報告)
転帰は「回復したが、後遺症あり(右重度感音難聴、ほぼ聾)」とあります。右側はほぼ聞こえなくなってしまったのなら、回復と言えるのでしょうか。
両耳難聴
「普通の会話が聞きづらい」となると、生活に支障をきたします。さらに、12月の時点でもまだ進行しているので、今後が心配です。
この事例は、1回目の接種後に両耳難聴が発症したのに2回目を接種し、その後さらに悪化しています。診察した耳鼻科の医師は、2回目の接種を止めなかったのでしょうか。難聴の事例は、成人の接種が始まったころから報告されていました。
2例目の突発性難聴は、ある日突然、片側の耳の聞こえが悪くなり、 耳がつまった感じや耳鳴りなどを伴います。まれに、両耳に起こることもあるそうです。早期(できれば48時間以内)に治療を開始しないと、治らないケースが多いといわれています。ワクチンを接種しなくても発症しますが、ワクチン接種後に発症している例が複数報告されています。
2例目のように、「程度の差はあるもののワクチン接種後の感音難聴が散見され、副反応の可能性は否定できない」と言っている医師がいるなら、なぜ情報は共有されていないのでしょうか。共有されていれば、3例目の14歳は、少なくとも2回目の接種はしなかったのではないでしょうか。
添付文書の最新版は、下記から見られます。
コミナティ筋注の添付文書には、上記のように書かれていますが、症例報告に目を通していると守られているとは思えません。