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株主や投資家はどう評価するのか? Meiji Seika ファルマ社の決算説明資料に「反ワクの影響」!?

明治ホールディングス株式会社は、11月11日に2025年3月期第2四半期の決算説明資料を公開しました。そこには、営業利益が当初の見通しより100億円減となった理由について、「反ワクチンの影響」などと書かれています。製薬会社が、安全性に疑問を持つ人たちをすべて「反ワク」扱いしていることに驚きました。これを見た株主や投資家は、どう評価するのでしょうか。

2025年3月期第2四半期の決算説明資料

決算説明資料は、下記のページで公開されています。

説明会資料

2025年3月期第2四半期(中間期) 決算説明資料

19ページ

https://www.meiji.com/pdf/investor/library/presentation_2025_r02_hd.pdf

そもそも、「コスタイベ筋注用」の安全性に疑問を持たれたことは、同社の臨床試験等に問題があると思われたからではないのでしょうか。疑問を持たれないような試験を行わなかったことに目を向けずに、「反ワク」の影響だとする企業を高く評価できるでしょうか。

例えば、承認されたのは治験成分コード「 ARCTー154」なのに、「胎盤移行性についてはARCT-021 のウサギ受胎能、胚・胎児及び発生後の発生毒性試験(CTD4.2.3.5.3-01)から考察した」と審査報告書に書かれています(下記参照)。

https://www.pmda.go.jp/drugs/2023/P20231122002/780009000_30500AMX00282_A100_3.pdf

なぜ、申請したARCTー154で試験を行わなかったのでしょうか。そして、なぜ「考察」で審査が通ってしまうのでしょうか。

さらに、クリニック等で同社の「コスタイベ筋注用」があまり使用されていないのは、1バイアルが16人分で開封後は6時間以内に使い切る必要があるというのも大きな要因だと思います。クリニック等でコスタイベ希望者16人を、同じ日に集めるのは難しいでしょう。一方、ファイザー社は大規模会場での接種からクリニック等での接種に変わることを見据えて2024年5月から1人用で販売しています。クリニック等では1人で使い切れるワクチンの方が無駄なく使えるので、他社が選ばれやすいことは予想できたはずです。それでも1バイアル16人分で発売した結果、予約が入りにくかったなら、それは反ワクとは関係ないと思います。

20ページ

https://www.meiji.com/pdf/investor/library/presentation_2025_r02_hd.pdf

製薬会社としてするべきことは、安全性に疑問を持つ人たちに対して「法的な手段」で対処することなのでしょうか。

なぜそのような主張が出てしまうのか問題をきちんと理解して、そのような主張が出ないように試験等を行うことが必要とは思わないのでしょうか。

投資家は、このような企業に対してどのような評価をするのでしょうか。

<参考>
海外で未認可について

シェディングについて