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「不明」という言葉のウラ側

商品がいかに素晴らしいかアピールしようとして、つい文字数が多くなってしまうことはよくあります。できるだけ詳細に説明し、不明な点はなくしておきたいと思うからです。逆に、「不明」という言葉で説明を終わらせているなら、「不明という言葉で隠したい何か」があるのかもしれません。

「不明」なのに「良好」

厚労省が公開している「コミナティ筋注 特例承認に係る報告書」47ページ~49ページには、「海外における使用許可後又は製造販売後の安全性情報」について書かれています。

前回触れた、「安全性の検討を目的とした調査」です。

2020年12月1日~同年12月31日にあった主な自発報告は、死亡、アナフィラキシー、免疫介在性/自己免疫障害、顔面麻痺、神経系事象、疾患増強、基礎疾患を有するフレイル患者に対する接種、妊婦及び授乳婦に対する接種に関するもの。そして、「評価の結果、当該報告対象期間における本剤のベネフィット・リスクプロファイルは良好と判断している」と結論づけています。

特例承認に係る報告(1) 47ページ

免疫介在性/自己免疫障害について見てみると、未回復が24件。報告92件のうち重篤が27件とありますが、未回復の内訳が書かれていません。後遺症についても、どの程度かわかりません。さらに、「不明35件」。顔面麻痺や神経系事象についても、同じように「不明」があります。なぜ「不明」がこんなにたくさんあるのか、なぜ「不明」なことがあるのに「良好」といえるのか。「不明」が「明白」になったら、「良好」とはいえなくなるのかも?と疑ってしまいます。

特例承認に係る報告 (1)47ページ

そして、死亡報告10例のうち、4例が基礎疾患を有するフレイル患者。これについては前回も触れましたが、今、まさに接種対象となっている方たちに関わることです。さらに、「残り4例は情報不足」とあります。「不足」を補えない理由は、何なのでしょうか。「安全である」ことを伝えたいなら、必死でそれを示すことができる情報を集めるはずです。集めないということは、「安全であること」を示せないからではないでしょうか。

治験中止に至った有害事象

特例承認に係る報告(1) 22ページ

国内での治験(C4591005試験、実施期間2020年10月~継続中)に関しては、22ページの黒塗りが気になります。治験中止に至った有害事象で、治験薬とも因果関係があると判断されたのに、真っ黒。回復したとはいえ、何が起きたのか詳しく知りたいです。目を向けさせるために、わざとやっているとしか思えないほどの黒塗り。

安全性薬理試験はスキップ

特例承認に係る報告(1) 12ページ

12ページに、「安全性薬理試験は実施されていない」と書かれています。調べてみたところ安全性薬理試験は、動物を用いた毒性試験とは別に、臨床試験前に実施しておくべき重要な試験とのこと。ここで、前回の黒塗りが思い出されます。

特例承認に係る報告(1) 3ページ

もし安全性薬理試験を実施していたら、こんなに早く臨床試験を開始できなかったのではないでしょうか。あるいは、販売できない可能性もあったのではないでしょうか。そんな疑問がわいてきます。

厚労省が公開している「安全性薬理試験ガイドライン」には、「毒性試験もしくは臨床試験で認められた被験物質の有害な薬力学的もしくは病態生理学的作用を評価すること」と書かれています。

19ページ

19ページには、ラットを使った毒性試験で肝臓への影響があったとあります。安全であることを示したいなら、安全性薬理試験を実施してデータでそれを示すはずです。実施しなかったということは、実施したら安全でないことが明白になってしまうのではないでしょうか。「推察」ではなくデータで示す方が、安全であることが伝わるはずなのに実施していないのです。

放置された「不明」

「不明」とは、「はっきりわからなこと」「明らかでないこと」という意味です。ですから、「不明」を放置したまま「安全」とは言えないと思います。放置された「不明」からは、「明らかにしたくない」という思惑が見えてきます。リスクがゼロのワクチンなどありませんが、コミナティ筋注は「不明」を放置したまま、かなりのスピードで人々に接種されているのです。