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3回目接種後、ギランバレー症候群(15歳、17歳)
厚労省のサイトで、新型コロナワクチン接種後に起きた副反応疑いの報告が公開されています。9月2日に公開された新たな報告から、10代の気になる事例を取り上げます。
添付文書に「ギランバレー症候群」が追記
6月にファイザー製、モデルナ製コロナワクチンの添付文書が改訂された際に、重要な基本的注意として、その前までは書かれていなかった「ギランバレー症候群」が追記されました(下記参照)。
![](https://assets.st-note.com/img/1662945794225-1MwsOxAwdw.png)
添付文書は下記のサイトで確認できます。
ファイザー製
モデルナ製
ギランバレー症候群については、厚労省のサイトで重篤副作用疾患別対応マニュアルが公開されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1662945803776-lvpWYRircw.png?width=800)
3回目接種後、ギランバレー症候群の事例
9月2日に公開された報告にも、3回目の接種をした10代にギランバレー症候群の事例がありました。
ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会)> 第83回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第11回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)9月2日資料
資料1-2-3-1 薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) より
紹介する報告は、重複している部分などは編集してあります。BNT162b2は、コミナティ筋注(ファイザー製)のことです。時系列で追えるように、順番を入れ替えたりしています。
※はこちらで補足しました。
事例:20272 15歳男性 コミナティ筋注3回接種 ロット番号:FM7534
患者は、ワクチン接種の 2 週間以内は、他のどの薬物も使用しなかった。ワクチン接種前に、患者は COVID-19 の診断はされなかった。患者は、薬物、食物または他の製品に対するアレルギーはなかった。患者はその他の病歴はなかった。患者の関連する病歴、併用薬は報告されなかった。
ワクチン接種歴は以下の通り:
コミナティ(バッチ/ロット番号:FG0978)1回目接種。
コミナティ(バッチ/ロット番号:FJ7489)2回目接種。
臨床経過:
2022/06/25、BNT162b2(コミナティ)3 回目接種。
2022/07/04(ワクチン接種の 9日後)、患者は両側足関節以遠の脱力・しびれを発現した。
2022/07/04、足趾先端の痺れ出現し、足関節以遠の筋力低下も認めた。
2022/07/05、しびれの範囲がくるぶしにまで拡大した。
2022/07/06(ワクチン接種の 11 日後)、患者は病院に入院した。
2022/07/06 に患者は鼻綿による COVID-19 の検査を行ったが、結果は陰性であった。
2022/07/06、患者はプライバシー病院に入院した。神経伝導検査でギラン・バレー症候群疑う所見を認めたため、IVIG投与を施行した (※免疫グロブリン静注療法)。IVIG 投与後は、症状はわずかではあるが改善傾向であった。本報告の時点でリハビリ中であった。
報告医師は、事象を重篤(2022/07/06 から入院)と判断し、事象とBNT162b2 との因果関係は評価不能とした。他の要因(他の疾患など)の可能性はなかった。
2022/07/19(ワクチン接種の 24 日後)、事象両側足関節以遠の脱力・しびれは未回復であった。
添付文書に書かれているのに、「因果関係は評価不能」とされています。
事例:20408 17歳男性 コミナティ筋注3回接種 ロット番号:FP9647
関連する病歴:「川崎病」(罹患中か不明)、備考:その他病歴
に川崎病が含まれた;「花粉アレルギー」(罹患中か不明)、備
考:患者には花粉アレルギーがあった。
臨床経過:
2022/06/04、BNT162b2(コミナティ)3 回目接種。
2022/06/23 から、四肢脱力および握力低下が出現した。
2022/06/23 から、四肢脱力および握力低下を呈したが、歩行可能であった。
2022/07/07、当クリニックを受診した。
2022/07/09、脳脊髄液検査にて蛋白細胞解離を認めたため、ギラン・バレー症候群と診断された。
2022/07/09(ワクチン接種 16 日後)、入院した。
2022/07/15(ワクチン接種 22 日後)、退院した。
2022/07/15(ワクチン接種 22 日後)、免疫グロブリン療法を含む治療により、事象の転帰は回復した。
ワクチン接種以降、COVID-19 検査を受けている。検査名は LAMP、検査結果は陰性、検査種類は鼻腔拭い、2022/07/09 に検査を受けた。
報告者(薬剤師)は、事象を重篤(入院)と分類し、事象とbnt162b2 の間の因果関係を評価不能とした。その他疾患等、他に考えられる事象の原因はなかった。
こちらも、「因果関係を評価不能とした」と書かれています。
8.7 コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)接種後に、ギラン・バレー症候群が報告されている。被接種者又はその保護者
に対しては、ギラン・バレー症候群が疑われる症状(四肢遠位から
始まる弛緩性麻痺、腱反射の減弱ないし消失等)が認められた場合
には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
【添付文書】接種後にギランバレー症候群の報告があるから注意が必要
↓
接種者にはギランバレー症候群が疑われる症状が認められたら直ちに医師に相談するように説明
↓
接種後にギランバレー症候群が疑われる症状が出たから医師に相談
↓
検査の結果、ギランバレー症候群でした
↓
でもワクチン接種との因果関係は評価不能
って、おかしくないですか?
「接種後にギランバレー症候群の報告出ています。もし接種後に手足に力が入らない、しびれ感があるなどの症状が認められたら、直ちに医師に相談してください」と説明され、接種後に症状が出たから受診して「ワクチンとの関係はわかりません」と言われたら納得できますか? 私なら納得できません。
接種前にギランバレー症候群などの説明は、どのようにされているのでしょうか。6月に追記されてから接種した方たちには、ちゃんと説明しているのでしょうか。
「接種後にギランバレー症候群の報告出ています」と言うだけでなく、ギランバレー症候群の人はどのくらいの割合ででていて、どのような治療をして、何日ぐらい入院して、ちゃんと回復できるのか、全部説明して、「それでも接種しますか?」と確認するべきではないのでしょうか。
けれども、このワクチンに関しては、新たに添付文書に追記された心筋炎も「頻度不明」、ギランバレー症候群に関しても注意するようにと書いてあるだけで、データは書かれていません。
そして、ギランバレー症候群になったとしても、回復すればよいということでもないと思います。
ギランバレー症候群の治療に使われる「免疫グロブリン製剤」は、ヒトの血液から作られます。日赤のサイトにある血漿成分献血の説明に、下記のように書かれています。
![](https://assets.st-note.com/img/1662966869049-0I286vuKC7.png?width=800)
人の血液から作られる免疫グロブリン製剤は、神経系の病気の治療にとっても無くてはならないものとなっています。とくに、風邪や下痢の後に急激に手足の麻痺が生じるギラン・バレー症候群や、国の指定難病の一つである慢性炎症性脱髄性ニューロパチー・多巣性運動ニューロパチーでは、現在治療手段の中心となっています。
(中略)
ギラン・バレー症候群では呼吸をするための筋肉の麻痺や自律神経障害のために、場合によっては命に関わることもあります。早期の治療開始が必要であると共に、重症例では、追加の免疫グロブリン製剤投与も検討されています。
この薬を使うことによって、この薬による副作用の心配もあります(下記参照)。
テレビに出ている医師や専門家と呼ばれる人たちは、ひたすら接種を勧めるばかりです。6月に添付文書が改訂され、このような治療を受けることになる可能性が加わったことを視聴者に知らせることも、医師や専門家の役割ではないのでしょうか。