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追悼ジェームズ・カーン           追悼ジョー・ターケル                     

「ゴッドファーザー」(1972)ソニー・コルレオーネ
「ブレードランナー」(1982)タイレル社長


■追悼ジェームズ・カーン

米俳優ジェームズ・カーン氏、2022年7月6日(現地時間)カリフォルニア州ロサンゼルスで死去。82歳。死因は公表されていない。
 

ジェームズ・カーンと言えば、やはり「ゴッドファーザー」(1972)コルレオーネ家の長兄ソニーだ。
浮気性で血の気が多いが、家族思いなマフィア一家の頼れる兄貴を見事に演じていた。このソニーがいたから、対照的な賢くておとなしい三男マイケル(アル・パチーノ演)がマフィアの世界に足を踏み入れる様が引き立った。

「俺たちに明日はない」と並び映画史に残るハチの巣シーンはショッキングだったなー。何度観てもそのシーンに差し掛かると“罠だから行っちゃアカン!ソニー”と心で叫んでしまう。ソニーなしでは「ゴッドファーザー」が名作とはならなかっただろう。アカデミー助演男優賞にノミネートも頷ける。

映画史に残る名シーン

ソニーとは正反対な「ミザリー」(1990)での作家役も印象的だ。キャシー・ベイツの狂気をしっかり受け止めていた。何度も脱出を試みては直前で断念ばかりでハラハライライラ、痛々しくて辛い。そんな最悪な環境下でも作家としての矜持を持ち続けている様をうまく体現していた。足が痛くなってくる、怖い映画だった。
保安官役のリチャード・ファーンズワースも良かった。(のちの「ストレイト・ストーリー」(1999)で高評価を得るが、翌年病気を苦に自死してしまう。残念)

ベイツはアカデミー主演女優賞を受賞した。

「熱い賭け」「ローラーボール」「フォー・ザ・ボーイズ」「イレイザー」なども印象に残っている。近年は息子で俳優のスコット・カーンとTVドラマ「HAWII FIVE-O」で共演していた。

息子のスコット・カーンとTVドラマ「HAWII FIVE-O」で親子共演。

たくさんの映画に出演。シリアスからアクション、コメディ、ミュージカルと幅広く演じれる稀有な俳優だったと思う。合掌。


■追悼ジョー・ターケル

米俳優ジョー・ターケル氏2022年6月27日(現地所間)、カリフォルニア州サンタモニカで死去。

失礼ながらまだご存命だったんだと驚いた。94歳。
ジョー・ターケルに関しては2作品しか覚えがない。が、そのどちらもが強烈だ。
先ずは「シャイニング」(1980)のバーテンダー役。狂人ニコルソンを接客する存在しないバーテンダー。ニコルソンに負けていない存在感で恐怖を煽っていた。「ハレルーヤ」
良いシーン満載の作品の中でも、バーでのシーンは記憶に残る名場面。

「魂を売ってでも一杯のビールが欲しい」この顔ヤバイねニコルソン!

もう一つは「ブレードランナー」(1982)のタイレル博士。
レプリカントの生みの親にしてタイレル社社長。ここでも忘れられない強烈な印象を残している。
“人間よりも人間らしく”がわが社のモットー。レプリカントに命を吹き込むが、最後は… 
あーまた「雨の中の涙」モノローグが観たくなってきた。

このあとバッティ(ルトガー・ハウアー演)に…!

2作品とも名作であり好きな作品で、登場時間は短いが、彼以外考えられないハマり役であった。
俳優名は知らずとも、役柄を知れば皆思い出すとは、役者冥利に尽きるのではないだろうか。
傑作の裏に名脇役あり。合掌。
 
余談:『ミザリー』『シャイニング』は、スティーヴン・キング原作。

いやぁ、映画って本当にいいもんですね(by 水野晴郎)
 
                     (text by電気羊は夢を見た) 



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