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生命の賛歌

裸の男女が寄り添いあう作品。
男性の胸に顔を預ける女性が伸ばした手は、一方は男性を支え、もう一方は伸ばされた手と繋がれています。

印象的なのは、二人の足元の抽象的なオブジェ。

燃え盛る炎のような、あるいは渦巻き流れる水のような、火焔土器や土偶にしばしば見られるこの力強い文様は、あたかも命あるもののごとくに、絡まりながら、束になり、波打ち、うねっています。

縄文をテーマに、孝三先生が今作で表現したかったのは、人間が根本的に内在している力強い生命感だと思います。それと、いつの時代も変わらぬ男女の支え合う姿ではないでしょうか。

縄文/1967年/セメント

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