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絶対ライカなんぞ使わん!と心に決めて偽ライカへ

ライカ、いいよねー。素敵だねー。かっこいいねえー。でもどうしてこんなにクソ高いんだろうー?ヴィトンいいよねー、ドルガバかっこいいねー、シャネル素敵ー。でもクソ高いなー、と半ばあきらめて冷笑。キートンもいいし、ブリオーニも捨てがたい。とはいうものの、ショップで実際の生地を触ってみて、その官能的な手ざわりに陶然としてしまうのは、否定できないのだけれども。

マーケティングとは、出来るだけ多くの人々に、出来るだけ高値で売れるように考えて仕掛けを作る技術だとすれば、上記のブランドはマーケティングに見事成功したブランドであろう。
お金を出せば夢がかなう・・・と、はかない夢想に耽るのは、地道なモノ作りに携わる人なら、「そんなことはありえねーよー」と一笑に付すのだけれども。
でもこういったブランド神話は、泉ピン子さんのシャネル伝説で徹底的に崩壊してしまったと思うのは、私の偏見でしょうか?

話をカメラ機材に移しませう。ライカジャパン直営店に行ってみると、まったくもって、なぜ?という値付け。単にゼラチン膜に画像を定着させるだけの機械が、なんでこんなに高いの?単に画像をデータとして定着させるだけの電気カラクリが、なんでこんなに高いの?ということにむらむらと怒りの炎が燃え始めてしまう。
でもライカさんの下請けが世界のどこかにちゃんとあるわけで、それを実感したのがパナソニックLUMIX DMC-LXの5だったか7だったかを買った時。レンズはライカで、広角側が24mmまで行けたので、買ってしまった。もう大昔のことです。

これがライカのOEMをパナソニックブランドで売り出したものでした。それと同等の機種を、伊勢丹メンズ館上階のライカのお店で確認したら、数倍だったか、一桁違う金額だったか、がついていました。バカヤロー!!!です。
機能的にはパナでも何の問題もなく、サクサク撮影できたわけで、わざわざバカ高いお金を払ってライカを買う意義なんぞ、私はどこにも見いだせなかったわけです。
私があまりにライカを毛嫌いするので、これは何かの病気に罹っているのではないかと心配しました。かの田中長徳氏などのライカ本を何冊か読んでみたのですが、写真の歴史的に先駆的な役割を果たしたメーカーであることは分かったものの、自分が使う道具として購入するほどじゃあないなー、という仮の結論に至ったわけです。道具に気兼ねして、ガンガン日常で使えないのは全くもって嫌なものですから。

というわけで、ライカを買わない、使わないということでカメラ遍歴を繰り返してきたわけです。世界各国の偽ライカを探す旅がここに始まるのでした。いろいろと味わいの深い撮影機がありましたが、ソビエト連邦製のフェドとフランス製のフォカは実際に手にして何本も撮影して楽しませてもらいました。

フェド2
おフランス製フォカ

チェコ製のオペマは程度の良いものが見つからず、今にも壊れそうなものばかりでギブアップ。

オペマ

英国製のカードンは、レアものらしく、高価で買えず。

カードン


中国製の上海は、北京郊外の中古カメラ屋モールで発見したものの、店員が中国元での支払いを求め、米ドルでの販売を拒んだため、買えず。

上海


ということで、現在手元に残っているのは、結局日本製のL39マウントが使えるレンジファインダー機です。キヤノン7Sとミノルタ35の凸凹コンビ。キヤノン7Sは国産レンジファインダー機で最後に発売されたもの。1965年発売です。
ミノルタ35はフィルムサイズが24mm×34mmという変形判。

こんな感じでライカとして使っておりますーーーぅ、なんちゃってーーー。これは、あくまでも正真正銘のライカを頑強に拒否すると、こういう偽ライカ・シンドロームを発症してしまうという、臨床学的症例のご報告であります。


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