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想い出が蒼い〜サクラの色は白〜

「好きな色はなに色?」

僕はこの質問が苦手だ。昔からどうも答えづらい。一つの理由として、僕は色弱で色の判別が難しいということが挙げられる。

色弱とは『色の見え方が少し異なる』人のことをいうのかな。日本人男性の20人に1人はいるみたい。僕のほかにもたくさん色弱の人はいるんじゃないかな。

僕は淡い色の判別が難しくて、淡い色のものが白やグレーに見える。

「その白い服良いね」なんて言うと「これは水色だよ」とか「ピンクだよ」とか言われることが多い。白とかグレーと思って買った服が『淡い緑色』だったこともある。

『色の世界』がみんなとちょっと違って見えているんだと思う。そういうこともあって好きな色を聞かれたら、だいたい「黒色が好き」って答えていた。でも、黒も気をつけないと、黒と思っていたものが『紺色』だったこともある。

みんなにはどんな世界が見えているのかな。

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学校で困ったこと

黒板とチョークの相性は最悪。チョークの黄色とピンクなんて全部、白に見えるから。授業中は先生がチョークを持ち替えたら『ここが重要なんだな』っていう感じで色を変えて、自分なりにノートをとっていた。考えながらやっていたおかげなのか、成績は割と良かった。

美術の時間で覚えているのは『冬をイメージした色』で好きなように模様を書いて色を塗ってデザインする。みたいなのがあって…僕ははっきりした色なら分かるから『黒』『白』『赤』『緑』『黄』『青』『グレー』などを使ってデザインした。周りが少しザワつくような組み合わせだったようだ。

僕には分からなかった。でも、美術の先生は「独創的で素晴らしい」って褒めてくれた。

それがすごく嬉しかったっけ。

絵を書くことも好きで、小学生時代には賞を受けたことがある。実は色に関してはテキトーな感じで塗ったんだけど、絵は一所懸命に書いた。使用した色は原色で強めの色ばっかりだったと思うけど…。その時は自分が色弱なんて知らなくて、当たり前のように塗っていた。

感性というのは人それぞれあって。その時々の感性を大事にしていきたいな。

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サクラの色は何色?

桜といえば春を象徴する日本人にとってなじみ深く、日本人の心といっても良いような花だ。桜が満開になったその姿は圧巻。とても綺麗でいてどこか自信に満ち溢れ、咲き誇る姿を見ていると、安心する。風情が感じられる。

そんな桜の色を僕は20代前半まで『白色』だと思っていた。

子供の頃から大人になるまでずっと『白色』だと思って桜を見ていた僕には衝撃的だった。声には出さずに『サクラって綺麗な白色だな』って見上げていたのに。

桜が『薄いピンク』だと知った時から、僕が見ているサクラは本当はどんなピンクなんだろうって。みんなにはどんな風に見えてるんだろうって。思うようになっていた。どこか楽しめていない自分に気づいた。

でも、僕が見ているサクラは間違いなく桜で、それ以外の何物でもない。そう思うようになったのは、ここ最近だけど。桜の季節になると、どこかワクワクして、気分が高揚する。幸いにも僕は花粉症にはなったことがない。

これから数週間もすれば、僕の地域にも桜が咲き誇る。僕は満開に咲き誇る『白いサクラ』を存分に味わいたい。

夜桜。真っ黒な夜空に満開の『白いサクラ』を見ることができるのは僕の特権だ。

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終わりに

色弱と分かってから…みんなと見えている『色の世界』が違うんだなと思うことが多くなった。みんなにはどんな風に空が見えているのかなとか。この花の色は何色に見えているのかなとか。僕が見えている自然の色とは違うと思うから。

本当の『色の世界』で色を見てみたいなとは、正直…思う。色がしっかり判別できる人が羨ましいとも思う。でも、辛いと思ったことは今のところないかな。

これも個性の一つであって、僕たちにしか見えない世界があるのも事実。ひょっとしたら、想い出の色がみんなと違うかもしれないけど。

…想い出の色なんて、みんなそれぞれかな。その時の感情で変わるものかもしれない。見えているものが全てじゃなくて、自分の感性を大事にしていきたいな。


まあ、そんなことはどうでもいいや。

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今いる『色の世界』で僕はもう少し生きていこう。


どうも文吾野助。

note投稿を通じ、まずは自分自身の幸せに向けた活動をしていきます。自分が幸せでなければ、他の人に幸せを分け与えていくことはできないと感じているからです。私は日記というかエッセイ的なものを投稿しています。その内容が少しでも皆さまの幸せの種となりますように。どうも文吾野助。