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信頼の塚っちゃん祭りだった/ドラマ『新宿野戦病院』第7話

「これは心して観なければ」と思っていた第7話だが、視聴を終えると、親子愛の話であり、そもそも気合いを入れて観ること自体が多様性を逆走している気がした。しのぶを偶然見かけた横山の話に、病院の人たちは誰ひとり食いつきもしなかった。そうだよな、どっちだっていいんだ。彼女が今、自分らしく自分の意思で生きていられれば。

本編を観るまで、てっきり塚っちゃん演じるしのぶさんが、性自認について家族に言えず悩んでおり、母親の前では男性として振る舞っているのだと想像していた。しかし、彼女はそんな人間ではなかった。ああ、しのぶさん! 認知症が進行しつつある母親への愛情と、進行を認めたくない子としての不安とが入り混じった彼女の行動を見て、父を思い出した。

私の父も認知症を患っていた。夜中に突然職場に行くと言って、背広を着て家を出て行こうとしたり、〇〇さんの葬式に出なくちゃいけないからと病院から抜け出そうとしたり。あんなに真面目でしっかりしていた父が……うそでしょと、切なさでいっぱいだった。信じたくない気持ち、治るんじゃないかという気持ちはよく分かる。

きっとこの先も、しのぶさんは母親に寄り添いながら生きていくんだよなあ。堀井しのぶが、この病院で生き生きと働けてよかった。どこにも雇ってもらえなかった彼女を、院長はあっさりと承諾して雇った。ただのエロじじぃではなかった。

それにしても、塚っちゃんには驚かされる。母親を怒鳴り散らすしのぶさんが、後で登場する野添さんに(またも虎つばから転生者が!)そっくり過ぎて。野添さんも塚っちゃんに寄せていたのだと思うけど、それにしても似ている! カフェでチェンジした瞬間から、仕草や眼差し、しゃべり方が本来のしのぶさんと全然違う。「あっぱれ」と言うしかない。

昨日、初の柴三郎千円札が手元に舞い込んできて、塚っちゃんが以前郷土の偉人シリーズドラマで北里柴三郎を演じたことを思い出した。

それがこちら。そっくりなので、ビジュアルだけでも確認を。塚っちゃんの7月19日投稿Xにも、銅像前で撮影しているものがある。

ちなみに、北里柴三郎の伝染病研究所には福沢諭吉も支援しており、劇中では宅麻伸さんが諭吉を演じている。こちらも横の輪郭から雰囲気が似ていて、誰がキャスティングを考えたのかしらとびっくりした。

虎つばでは雲野先生が再登場ということで、塚っちゃんはあっちこっち忙しい。まあそれを言うなら、余貴美子さんだって、虎つばで品のいい継母、再放送のちゅらさんでイケイケな容子、そして新宿でヨウコの個性的な実母を演じていて、目まぐるしい。

今回は孤独死問題からはじまり、ホームレスや生活保護者の医療問題、親の介護問題、自転車事故問題、そして微妙な恋のトライアングルまで網羅。最初に亡くなった老人は、傍から見れば孤独死だ。娘も悔やんだ。ところが、彼はまごころに運ばれて、偶然にも診察待ちの多くの友人知人に見送られた。彼が地域に溶け込んで、ひとり暮らしを謳歌していたことが分かる。時折私たちは、孤独死した人を不幸で寂しい人だったんだと想像してしまう。でも本当はどうだったか分からない。「結婚している人は幸せで、結婚していない人は幸せじゃない」という、あの価値観と似ている。多様性、多様性とことばに出しても、実際自分がどれだけ想像力を持って相手のことを思えているだろう。

さまざまな社会問題を盛り込みつつ、その間に「白木」と「シラキ」とか、なんちゃらとか、色んな小ネタを織り交ぜて、これだけのものを1話に詰め込むって、どんな脚本なの(驚愕)。しかも面白いとは、どういうことなのか! キャストもみんな生き生きしていて頼もしい。

物語はそろそろ終盤に差しかかる。次回予告で、白木が極妻に見えたんだけど、え、白木って旦那さんいたの!? 警察官(なのを忘れそうになる)・岡本が活躍する回かも。 岡本と舞ちゃんって、最終的にどうなるんだろうか。

次回も、ともに楽しみましょう。

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(おまけ)
大河ドラマ 『光る君へ』全国巡回展について書いたnoteが、数日前の「今日の注目記事」に選ばれました。

不思議なことに、毎年夏に一回選ばれるのですが、今年は春先に選ばれたのでもう無いと勝手に思っていました。基準はよく分からないけど、ありがとうございます!

全国巡回展は、12月まで順次開催されます。下記で日程などが分かりますので、興味のある方はお出かけください。

最後に、実家の墓守り(?)のクロちゃんをば……。まだまだ猛暑は続きそうなので、皆さまご自愛ください。

盆の帰省では会えなかったけど、
姉が写真を送ってくれました。

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