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わが家の猫生活【その五十九/今さら声変わりか?】

ハナちゃん(♀)はモモちゃんとキョンちゃんの娘だ。毛の色は母猫・キョンちゃん譲り、鳴き声から歩き方、性格はそのまんまモモちゃんの血を受け継いでいる。あまりにも鳴き声がモモちゃんなので、ハッとさせられることが多かった。

尻尾をピンと上げ、独特のテンポでお尻をふりふりしながら近づくのもそっくり。室内ではツンデレ猫さまが相変わらず寝ては太り、寝ては太り、こちらに対してあまりにも無反応なので(笑)、家族はモモちゃんの忘れ形見であるハナちゃんをかなり溺愛していた。

たまに私が実家に電話すると、ガオーーーンと奥から鳴き声がした。網戸の向こうから「ごはんちょうだい」攻撃でハナちゃんが鳴いているのだ。ふふふ、ハナちゃんはやっぱりかわいいな。

その聞き覚えのある鳴き声に、ある日異変が起きた。

「なんかさあ、ハナちゃん、風邪引いたんかな?」

姉が電話でそんなことを言い始めた。

「なんで?」と尋ねると、
「声がね、ダミ声なのよ、最近」と姉。

鳴き方は「ガオーーーン!」のままなのだが、声がドラえもん風になっているという。「え?ヤケ酒で潰した?」と冗談を言ったら、「いやほんとに、そんな声になってる……」と姉は本気で言う。

しかし鼻水もくしゃみも出ず、食欲もある。体調が悪いようには見えないらしい。「喉に悪い変なもの食べたんじゃないの?」(←すぐこの発想に至る想像力の無さ……)と返して電話を切った。まあとにかく、「猫さま=食欲がバロメーター」のわが家では、食欲があるなら大丈夫じゃないかという結論に至った。

その後、ワクチン接種ついでに診察してもらった。やはりどこも悪くなかった。

そういえば、以前モモちゃんが突然茶トラ色に変色したことがあったっけ。あれも原因が分からずじまいだったけど、数ヵ月後には元に戻ったのだ。きっとハナちゃんの声もそのうち戻るんじゃ!?……なんて楽観視していたけれど、彼女の声は元に戻らなかった。

それを初めて生で聞いたのは帰省したとき。実際に聞くと、別人(猫)じゃないかーーー!

「どうしたの、ハナちゃん! その声!!」

話で聞いていたとはいえ、想像より遥かにドラえもん声になっている……。以前と鳴き方は同じだが、モモちゃんとは似ても似つかぬ声質だ。顔と声が一致しない(苦笑)。猫は幼少期なら声変わりもあるようだが、このときハナちゃんはすでに10年近くわが家で暮らしていた。

謎。

しかし本人(猫)はピンピンしており、母猫・キョンちゃんに横取りされながらもごはんはしっかりワシワシ食べる。

謎。

そういうわけで、これ以降ハナちゃんはドラえもん声でガオーン、ガオーンと鳴く日々となった。もしかして老化現象? 

人間と同じで猫も一匹一匹違うから、いつも手探り。それでも元気に暮らしてくれれば、こちらも元気に暮らせる。まさに天使。元気ならそれでよし。それでよしなのだ。お気に入りのコンテナで昼寝するハナちゃんを見つめながら、そんなことを考えていた。(つづく)

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★モモちゃんが茶トラ色になった事件はこちら。


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