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予想以上! 再現、とは言わない名演の匂い/ドラマ『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』

ついにこの日がやって来た。
NHKのドラマ『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』が、今週からはじまった。

(以下、ドラマの内容を若干含みます)

タイトル通り、阿佐ヶ谷姉妹のエッセイ「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」を原作としたドラマ。脚本は、『バイプレイヤーズ』『きょうの猫村さん』などを手掛けたふじきみつ彦さんだ。

ドラマは、阿佐ヶ谷姉妹のエリコさんとミホさんが、小さなアパートの一室で共同生活を始めるきっかけから、地味に起きるさまざまな葛藤、理想の暮らし方に辿り着くまで、個性溢れるご近所さんたちと関わりながら暮らす様子が描かれる。

姉のエリコさんを木村多江さん、妹のミホさんを安藤玉恵さんが演じると聞いてから、本人たちに似ているようで似ていないような……ってことは問題なくて、これは絶対面白いと楽しみにしていた。

そして初回を視聴してびっくりした。

「あらやだ、ミホさん」

喋りの間といい、声のはり方といい、木村さんが完全にエリコさんじゃないか。後半になってくると、声が裏返りそうで裏返らないところなんか「え? エリコさん本人降臨?」と疑うほど。しかしながら、これは再現ではない。木村さんが導き出した、エリコさんという役の表現である。凄いモノを見ちゃった感すらある。少し控えめに見える(衣装以外)ことの他、木村さんとエリコさんに共通点はないと思うが。

一方の安藤さん演じるミホさんは、妹気質でマイペースなちゃっかり者。少々わがままに見えるけど憎めない。そんな空気を醸し出しながら、エリコさんとのやり取りは息がぴったり。序盤で「ワインレッドの心」を2人で歌うくだりから、すでに阿佐ヶ谷姉妹になっちゃってた。

おそろしい……。

***

楽しみにしていたわりに、誰がナレーションするのかなど全然リサーチしていなかった。

「ん? この声、誰だっけ。橋爪功さん? いや、もっと軽い感じ、誰だっけ?」

そしたら、きたろうさんだった!
ぎゃぼぅーーー!!(なぜか、突然ののだめ)
きたろうさん、きたろうさん。きたろうさん大好き。

第1話は、別々に暮らしていたエリコさんとミホさんが、一緒に阿佐ヶ谷のエリコさんの部屋で暮らしはじめるところまでが描かれた。商店街のご近所さん役として、いしのようこさん、研ナオコさん。朝ドラでお馴染みの楠見薫さんも、ご近所さんのひとりとして登場する。

いしのさんと研さんといえば、私の世代だとドリフを思い出さずにはいられないが、いしのさんは2時間ドラマ好きの人間にとっても欠かせない人で。買収されそうになっている地方の旅館の女将さん役とか。細かすぎて伝わらない? (汗)  NHKの朝ドラにも結構出演していて、特に『おちょやん』で演じた勝ち気な福富の女将・菊の最期は号泣ものだった。そんないしのさんが、このドラマでは姉妹をやさしく見守る中華料理店の女将さんを演じている。

一方の研さんは、歌手、バラエティのイメージが強いのだが、私が子どもの頃再放送で観た『時間ですよ』や『ありがとう』といったホームドラマに出演していた。今年、テレ東さんのドラマ版『家、ついて行ってイイですか?』の第3話ゲストとして登場し、菅原大吉さんと夫婦役を演じたのが記憶に新しい。今回はアパートの大家さん役。中華料理店の女将さん同様に、姉妹を気にかけ、豆苗生活のきっかけをくれる人だ。

阿佐ヶ谷姉妹の6畳一間の日常とともに、商店街の人たちとのふれ合いも見どころと言える。劇的な事件は起こらないだろうけれど、日々の暮らしにもささやかな幸せがあることを、地味に、面白く描いてくれるのではないかと期待している。

全7話ということは、クリスマス前まで楽しめちゃうのか。年末まで、これを糧にがんばれそうな気がする。しばらく、月曜の夜はのほほん、のほほんな時間を楽しもう。


原作はこちら。


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ぶんぶんどー
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