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わが家の猫生活【その四十二/猫が猫かぶってた!?】

しばらくモモちゃんの話に埋もれた「わが家の猫生活」。母は、モモちゃんから朝4時半に起こされない生活に慣れず、魚を見ては「モモちゃん……」となり、ゲロって色が変わった板張りを見ても「モモちゃん……」となった。

しかし二番目先住猫・ツンデレ娘のライちゃんには、特に変化がなかった。なんというか、冷静。動じない。マイペース過ぎるよ、君。

*ツンデレ猫の一日*
起きる → 誰かを起こす → 食べる → 寝る → 食べる → 裏戸を開けてもらう → 庭散歩 → 戸を勝手に開けて帰ってくる → ガリガリ → 食べる → 寝る → 食べる → 寝る

彼女は毎日この繰り返し。


そのため「相変わらず、ツンデレだな……」と言っては、ついついモモちゃんと比べてしまうという弊害が起きていた。本人(猫)はそれを聞いているのか聞いていないのかわからない。耳をそばだてているように、いつも耳だけピクピクさせながら寝ていた。ごめんよ、ツンデレ娘。

「いや、だって何年もずっと一緒に暮らしてたから、モモちゃんが居なくなってもっと情緒不安定になるとかさ、そういうことないの? ん? ないの?」

そう言いながら、ツンデレ娘を撫でまくる家人。


そんな話を電話で聞きながら、途中で気づいたんだけど……、

よく考えたら、モモちゃんは縄張りパトロールでほとんど外出していて、家にあんまりいなかったんだよね(笑)。2匹の猫が顔を合わせるのはごはんの時と食後にくつろぐ場所を確保するとき。ストーブ前の陣取り。夜寝るときは別々だったし。モモちゃんはマザコンなので母と一緒に、ライちゃんは姉と一緒に。

まあ、しょんぼりして体調を崩すよりずっとマシだ。


ところが、モモちゃんが天にのぼって数ヵ月経った頃、ツンデレさんに異変が起きた。


彼女は、わが家に来てからずっと猫専用の食事をしてきた。モモちゃんが隣でガツガツ魚を食べたり、そうめんをチュルチュルッと食べたりしても、全く興味を示さなかった。家族はみんな、彼女は人間の食事に興味が無いという認識でいた。

しかしあるとき突然、その興味の無かったものを欲しがるようになった。


君、ほとんどカリカリと缶詰しか食べなかったよね、今まで。何年も。人間の食べものを口元に持っていっても、絶対食べなかったよね?

なのに、急になんでやーーーーー!!! 

煮魚くれくれ、刺身くれくれ、生肉でもいいからくれくれ!!!

謎!!!!!


「もしかしてこれは、モモちゃんの霊が乗り移っているのでは……? “オレは海老とか刺身とかが食べたいの! お供えのカリカリじゃ足りないの!”って言ってるんじゃ……?」と母。さっそく小海老をお供えに持って行った。


待て待て待て。



「もしかして、本当は食べたかったけど、今までモモちゃんに遠慮して食べなかっただけなのでは?」と姉。


待て待て待て。

そんな謙虚な猫だったっけ!? 

壁という壁にガリガリして破壊、カーテンもボロボロにするじゃんね(笑)。


とにかく、ある日を境にして、ライちゃんはガシガシと魚やら甲殻類やらを食べたがるようになった(注:みなさん、猫の食事には気をつけましょう)。


ただの気まぐれ?  何かのイタズラ? それとも本当に今まで遠慮してたのか? 猫も猫かぶることあるのかしら。


今でもそのスイッチが何だったのか、はっきりしないままだ。そして彼女はここから、さらにふくよかになっていく(注:しつこいですが、みなさん、猫の食事には気をつけましょう)。(つづく)

57猫かぶる


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