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普通の人間の湿気を帯びたドラマ『うきわ-友達以上、不倫未満-』

先週の『孤独のグルメ』を観ながら「わかるよ、五郎さん。私もアナログ人間だから……」とか「この声は水橋研二さん!」とテンションが上がったとか、『ひねくれ女のボッチ飯』を「外食行ってないなあ。鮨食べたいなあ」と羨望の眼差しで観たりとか、ドラマ版『家、ついて行ってイイですか?』を「事実は小説より奇なり……」と思いながら観たり。

こんな感じで、テレ東さんにはお世話になっている。

もともとテレ東さん贔屓ではあるのだが、このドラマには個人的な贔屓目を忘れるほど一気に引き込まれてしまった。

『うきわ  -友達以上、不倫未満-』をご覧になっている人はいるだろうか。

主人公の中山麻衣子は、夫の転勤で広島から上京したばかり。社宅の隣室には、夫の上司である二葉さんが妻の聖と住んでいる。あることをきっかけに、夜のベランダで交流を持つようになった麻衣子と二葉さん。普通に暮らす二組の夫婦にはそれぞれ秘密があり、二人はその傷をベランダの壁一枚を隔てて共有し合う。普通の暮らしが徐々に崩れていく麻衣子。後悔と悩みをずっと抱える二葉さん。交流することで互いに救われながら、二人の関係はこの壁を乗り越えてしまうのか―――。


麻衣子を演じるのは、湿度高めの門脇麦さん。そして二葉さんには森山直太朗さん。麻衣子の、いかにも洗濯物を干してそうな佇まいと湿気を帯びた表情がとてもいい。そして二葉さんの、内へ内へと感情を向かわせてしまう孤独めいた雰囲気も。

誰なんだ、この二人をキャスティングしたのは!

「可でもなく不可でもない」と、麻衣子が自分のことを表現する場面がある。そして二葉さんも、平凡でいよう、平和に暮らそうとどこか諦めている雰囲気を持つ。二人に漂う普通の人間の澱みのようなものが、ピタリとはまっている。

ゆらゆらと感情が揺れる二人。

そして麻衣子の夫役には大東駿介さん、二葉さんの妻役には西田尚美さん。ああ、このキャスティングも突いてくるよなあ! さらに、二組の夫婦に関わるのが蓮佛ちゃんと田中樹くん。ここもいいなあ!

映像自体も、映画みたいな空気が流れている。内容は全然違うんだけど、少しだけ映画『永い言い訳』を思い出した。



何度も言おう。

誰なんだ、このキャスティングを考えたのは!


最後に、音楽はオープニングを安藤裕子さん、エンディングを三浦透子さんが担当していると後で気づいた。例のごとく原作の漫画は読んでいないので、このままドラマ版を楽しもうと思う。


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