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ライター×編集者×研究者が協働するユニット

BUNBOU代表の東です。
私たちBUNBOUが何をする会社なのか。
どういう経緯で発足し、どんな仕事をしているのか。
そして、これからどんな仕事を通して、どんな世界を作っていきたいと考えているのかを、お伝えしたいと思います。

※追記:2020年4月1日、大森貴久が代表に就任しました。

ユニットとしてのBUNBOU

BUNBOUは、「ライター」「編集者」「学術研究者」がユニットする会社です。
それまで私たちは有限会社トゥースリー(2002年設立)として仕事をしてきたのですが、仲間たちと話し合い、1年近い準備を経て、2019年4月1日に新たにBUNBOUとして出発しました。

案件ごとに協働する
あらためたのは名称だけではなく、なによりその構造です。

私を含め、所属する人間はそれぞれが独立したプロフェッショナルであると同時に、BUNBOUという「チーム」にも籍を置き、案件に応じて自在に協働する。そういう会社にしました。

1人のフリーランスだと請けられないような規模や難度の仕事でも、チームであれば可能になり、そこに自分の能力も活かすことができます。
視点が複眼的になり、強みをシェアし合い、不得手なことをカバーしてもらえる。
実際にスタートしてみて、このスタイルはさまざまなフリーランサーにとって想像した以上に有効だろうと実感しています。

いきがかり上、私が代表を務めています。
ただし、BUNBOUの明確な理念として、所属する人間は全員がフラットな関係であるように心がけています。
会社の経営のことも、個々の仕事を請けるか請けないかも、基本的には全員で話し合って決めています。

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逆ピラミッドの会社
フラット化を進めるために、むしろ、意識して若手の意見・判断を尊重する。
代表役員であり最年長でもある私が普段欠かさずやっていることといえば、仕事場を掃除し、みんなにご飯を作り、コーヒーを淹れ、洗い物をすることです。
BUNBOUは「雇う/雇われる」の関係ではなく、あくまでも独立したプロフェッショナルがチームとして、互いに敬意をもって協働する関係性なのです。

小さな会社の些細な話に見えて、じつはこれはとても大事なことだと考えています。
先細りしていく組織の共通点としてあるのは、コミュニケーションが上意下達の一方通行で、とくに若い人が「自分は敬意をもって遇されている」と感じられない組織文化になってしまっていること。

やや余談になりますが、BUNBOUとしてスタートする少し前、書評の仕事で帝京大学ラグビー部監督・岩出雅之氏の著書『常勝軍団のプリンシプル』を手に取り、とても納得したことがあります。
氏が監督に就任したあとも10年間低迷していたチームが、2009年からは大学選手権9連覇を果たします。これは社会人も含めて日本のラグビー史上で前人未到の記録です。

勝てるチームに変わった理由の一つは、監督がチーム内の組織文化を変えたことでした。4年生が君臨するという典型的な「体育会系組織」のピラミッド構造を逆転させたのです。
同ラグビー部では、1年生は練習に集中し、掃除や洗濯、アイロン掛けなど雑用はすべて、4年生を筆頭に上級生がやっています。下級生は自ずと上級生に憧れと敬意を抱き、世代が入れ替わってもこうした組織文化が継承されていくというのです。

私は自分の考えていたことが間違っていなかったと確信すると同時に、BUNBOUの出発にあたって、あらためてこの逆ピラミッドに徹していこうと決めました。

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BUNBOUの名刺を出すと、ときどき「イイね」と言っていただくことがあります。
紙も通常はあまり名刺では使われない紙を選び、ロゴも自分たちで考えて作っただけに、たとえお世辞でも嬉しいものです。

このロゴマークは、「文」という字の篆書体。
パスポートの表紙にある「日本国旅券」や、紙幣にある「総裁之印」の文字が篆書体です。
新しい会社名を話し合うなかで、もともと文人の書斎を意味した「文房」という言葉にたどり着き、日本語の発音のままローマ字でBUNBOUとしました。


私たちの仕事

BUNBOUとしてスタートする以前から、すでに私たちは協働してさまざまな仕事をしてきました。

仕事柄、非公開にしている案件も少なくありませんが、アナウンスメントできる代表的なものとしては、まずいくつかの書籍づくりがあります。
相談や依頼を受けたもの、こちらから企画をご提案したものなどケースはさまざまで、パートナーとしての私たちの役割も案件ごとに異なります。

マガジンハウスから刊行された『アーティストになれる人、なれない人』は、2012年から13年にかけて東京藝術学舎においておこなわれた『日本の美術教育を考える』と題する連続シンポジウムを収録・編集したものです。
世界的な現代美術家である宮島達男さんが、大竹伸朗、佐藤卓、杉本博司、名和晃平、西沢立衛、茂木健一郎、やなぎみわ、という文字どおりの超一流の各氏をゲストに対話を重ねました。

この貴重な対話を書籍化するよう宮島さんに提案したのは私で、編集に際しては美術編集者の鈴木芳雄さんに多大なお力添えをいただきました。

その後、宮島さんから依頼をいただいて編集を担当したのが、2017年、氏のデビュー30周年の記念碑的な書籍となった『芸術論』です。
これは古典として長く読み継がれる本になると確信しています。Amazonでは時々欠品になることがありますが、版元のアートダイバーさんからなら送料無料で買えます。

電通でいくつものプロジェクトに手腕を発揮し、2013年にブランディング・ディレクターとして独立したB&C Lab代表の井尻雄久さんから、書籍づくりのパートナーとして呼んでいただいたことも、私たちには大きな財産となりました。
なにしろ刊行まで2年もの歳月を費やして、「ブランディング」の新しい概念や価値について井尻さんが精度を上げていく作業に伴走できたからです。
「幸福」ということをブランディングの主眼に据えた井尻さんの理念は、私たちBUNBOUも大切に共有したいと思っています。

『陸前高田から世界を変えていく』の著者・村上清さんは、シティバンクやモルガン銀行を経て、2000年からの5年間、ジュネーブのUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)本部で人事研修部長を務めた方です。
その後、外資系のグローバル金融企業で要職を担っていましたが、東日本大震災で生まれ故郷の陸前高田市が壊滅したのを機に、これまでの知見やネットワークを総動員して市の復旧復興に取り組んでこられました。
この本は震災の貴重な証言記録であると同時に、地方創生を考えるうえでも示唆に富んだ書籍になりました。

私たちの初期の仕事の一つである『オーランド・セペダ自伝』。オーランド・セペダは「60年代メージャーで最も恐れられた強打者」として数々の栄誉に輝きます。
ところが、引退後に麻薬禍に連座して逮捕。しかし、そこから自身を大きく変革して、青少年の見事な模範的人物として1999年「野球殿堂」入りを果たしました。

ほかに、アジア勢として史上2人目の「ラグビー殿堂」入りをしたレジェンド大畑大介さんの書籍は、2019年のワールドカップ日本大会を盛り上げる一助として、弊社の若手が構成を担当させていただいたものです。

BUNBOUはこうした書籍づくりのパートナーを務めるほかに、新聞や雑誌、ウェブメディアの記事制作、漫画やアニメのシナリオ、最近では企業のブランディングをお手伝いしたり、社歌の作詞を依頼されることもあります。

「編集」という目線
BUNBOUにとって、どのような仕事をお引き受けする場合も、そこに共通しているのは「編集」という目線です。
企画を立て、素材を集め、精査し、本来そこにある価値、あるいは新たな意味と価値を見出して、まとめあげていく。

クライアントが個人であれ企業であれ、ただ素材を集めてまとめるのではなく、私たちが一番力を注ぐのは、本来の価値を輝かせることと、同時に新しい価値を一緒に発見していくことです。
そこが私たちの勝負所であり、強みだと思っています。

「BUNBOUは何をする会社ですか?」と尋ねられれば、「編集をする会社です」とお答えしています。

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BUNBOUのめざすもの

BUNBOUは小さなユニットです。だからこそ、むしろ〝いい意味〟で身の丈を活かせる仕事を続けたいのです。

たとえて言えば、総合病院ではなくかかりつけのホームドクター。個人事業主や小さな会社にとっての顧問税理士や会計士、弁護士。あるいは家事や料理を代行してくれるスーパー家政婦のような存在です。

小回りが利いて、なんでも気軽に相談できて、なにより自分たちの価値を発見するための「対話」の相手を務めてくれる。それをカタチにしてくれる。
そうした身近なパートナーであり続けたいと思います。

やりたいと思えることをやる
「編集」という視点・手法は、あらゆる仕事にとって重要です。
その点では、どのような案件にも果敢に挑んで、そのパートナーを務めたいと願っています。

同時に、私たちが自分たちのルールとして約束しているのは、「やりたいと思えることをやる」です。

世間の評価がどうであれ、自分がこの仕事には意義があると確信できて、情熱を持てること。惚れこめること。
なんとなく流行っているからとか、売れそうだからという理由で仕事をしない。
「この人と仕事をしたい」「この人の本を作りたい」「この会社の役に立ちたい」と、自分が心底から熱を持てることを仕事にする。

レジリエンスとアート
私たちがやってきた仕事を振り返ると、大きく2つの「軸」があるように思います。

1つは「レジリエンス」
人間の持つレジリエンス(復元力)というものを、私たちは固く信じています。
個人的な話になりますが、私が最初に企画構成を手がけた書籍は、1997年に神戸で起きた連続児童殺傷事件で亡くなった山下彩花さんの母親の手記です。

あまりにも理不尽な事件でわが子を奪われた母。
私と彼女が決めたのは〝もっとも絶望の底にいる側から、社会に希望を届けてみせる〟ということでした。

麻薬禍から野球殿堂入りを果たした元メジャーリーガー然り。震災で壊滅した陸前高田市の復旧復興も然り。
人が運命の挑戦を受けたときに、いかに応戦していけるのか。災いを、いかに価値に転換していけるのか。
BUNBOUは、人間のレジリエンスを鼓舞する仕事を、これからも続けていきたいと思います。

もう1つは、「アート」です。
宮島達男さんは『アーティストになれる人、なれない人』で、〈およそ芸術というものは、二つの「ソウゾウリョク」を鍛えるものです〉と述べ、それは「想像力」と「創造力」だと綴っています。

 この二つこそ、人間と人間が差異を超え、共感し、他者と繋がって新しい価値を生み出せる力、平和的に人間同士の協和を生む原動力だと思います。
 つまり、この二つの「ソウゾウリョク」は実は、あらゆる職業に求められる力、あらゆる社会や人々になくてはならない力だと思います。(『アーティストになれる人、なれない人』)

私が会社をBUNBOUとして再編しようと思ったきっかけも、エジンバラ大学やロンドン大学で学んだ美術史家の高橋伸城が、仲間に加わってくれたことでした。
ちなみに高橋は大企業の会議通訳などもやってきた英語のスキルを持っているので、文献の翻訳や海外ゲストのインタビュー等でもBUNBOUは精度の高い仕事ができています。

「編集」がもたらす化学変化
福岡市にあるC&S音楽学院は、手嶌葵さんなどミュージシャンを輩出する一方で、じつはそれまで不登校だった大勢の少年少女たちを、音楽を介して蘇生させてきた学校です。
同校のリブランディングをお引き受けした際、私たちはここで20年近く実践されてきたことが、「ミュージッキング」の先駆的な実証例であることを見出し、著名な平和学者に繋ぎました。

いま、この音楽学校の成果は平和学の国際会議で報告され、各国の研究者や教育機関との連携も進み始めています。
地方の音楽学校という場に「レジリエンス」と「アート」の視点を持った「編集」が加わった時に、思いもしなかった化学変化が生まれたのです。
同校の今後には、私たち自身がワクワクしています。

これからもBUNBOUは、「人間と人間が差異を超え、共感し、他者と繋がって新しい価値を生み出せる力、平和的に人間同士の協和を生む原動力」としてのアートを、大切なテーマとして扱っていきたいと思っています。

石のなかの命を彫り起こす
多様性が重視される時代とは、とりもなおさず個々の〝かけがえのなさ〟が再発見され価値を放つ時代です。
ミケランジェロが石のなかに眠る〝命〟を見出し、それを彫り起こしたように、私たちも言葉という鑿を振るって、その人が、そのものが、本来、内に持っているかけがえのない美と物語を彫り出し、磨き、世に伝えていきたい。

同時に、個々の〝かけがえのなさ〟は、網の目のような他者との豊かな関係性を自覚するなかに、はじめて浮かび上がってきます。
人と人を媒介していく「メディア」の本来の役割を、私たちは大切にしていこうと思っています。

あなたと誰かを繋ぎ、再び結び合わせていく作業のパートナーを、ぜひ私たちBUNBOUに担わせてください。

お気軽にご相談ください

長いnoteを読んでくださってありがとうございます。
なんとなく面白そうだな、気が合いそうだなと思われたら、どうぞお気軽にコンタクトください。

「本を作りたい」「文章をチェックしてほしい」「議論に加わってほしい」等々、何でもかまいません。
具体的な案件がなくても「一緒に何かできることはないかな」もウエルカムです。
とりあえずnoteをフォローしてくださるだけでも結構です。

コミュニケーションしていくなかで、思ってもみなかった何かが生まれるかもしれません。
私たちには、むしろそういうことが楽しいのです。

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BUNBOUは、ライター、編集者、学術研究者がユニットを組む会社です。 職能やキャリアの異なる者たちが協働することで、 私たちならではの「編集」を、さまざまなプロジェクトに提供していきます。