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劇光仮面はやはり最高である。

『劇光仮面』の3巻を読む。


うーん、やはり傑作だ。いろいろな漫画賞も獲り始めており、ドラマ化もするだろう。なんといっても特撮だし!

庵野秀明監督の『シン・仮面ライダー』を観ていて、オリジナルへのオマージュがどうとか、そういうものは必要ない、基本は魂なのであるなぁと、魂が抜けたような作品を観て、ますます、『シン・仮面ライダー』は『劇光仮面』のように作られるべきだったのではないかという思いが。

『劇光仮面』は、簡単に言うと、ガチで特撮ヒーローのコスプレスーツを作り、そうしてヒーロー活動をする、まぁそこそこよくある話だとは思うのだが、それこそ、『バットマン』とかもファンタジーではあるけれども、そっち系で、『スーパー!』とははより『劇光仮面』に近いのかもしれないが、『劇光仮面』の品の良さには及ばない。とにかく、ヒーローというものの役割、そうしてその装束をまとって戦うことの危険性など、丁寧に丁寧に物語を積み上げて、絵空事に説得力を出している。

3巻では、ついにヒーロー同士が激突するわけだが、そのバトルシーンは、『エグゾスカル零』や『衛府の七忍』系列ではなく、どちらかというと『シグルイ』を思わせるが、このバトルシーンも、戦闘という非日常が如何に危険で先の読めないものかを、実感を持って読ませてくれる。

今巻では、何者にもなれないウーバーイーツ系の青年がヴァイパーとして活躍し、実相寺扮するミカドヴェヒター(とにかく、この軍神ミカドヴェヒターが格好よしゅぎ……)と闘う巻であるが、3巻はラストにとんでもない展開が待ち受けており、重ねてきた伏線の殻が破れて、4巻からは新次元に突入しそうな気配で、漫画を読んでいて、久方ぶりに、ええ!次はどうなるの!?とまじで次巻が待遠しい気持ちに……。リカルドVSウォーリー戦とかですらどうでもいい感じだったが、然し、やはり漫画というのは、積み上げてきたものが爆発していく7巻〜10巻頃が一番おもしろく、今作もどんどんおもしろくなっていきそうである。

素晴らしいデザイン。



で、この特撮そのものの持つ神秘性と奇蹟性を作中に落とし込んで、そこから真のヒーロー譚を紡ごうとしている(そして、無論非現実性も介在している)今作こそ、仮面ライダー的であり、オタク的であり、品のある美しい作品のように思われる。
シン・仮面ライダーとは、本当にはこうではなかったのか?



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