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4作目ってのは意外と面白いんだよ、『バッドボーイズ RIDE OR DIE』

Bad boys Bad boys
Whatcha gonna do?
Whatcha gonna do when they come for you?


と、いうわけで、『バッドボーイズ RIDE OR DIE』を観る。
Tジョイ京都のレイトショーにて。
 
1作目は1995年、2作目は2003年、3作目は2020年、である。4作目は前作から約4年半ぶりの公開だが、2から3のスパンにかけては、大分短い。
4は既に米国で1億ドルを超える売上で、まぁ、5も作るのかもしれない。

ウィル・スミス、と、いえば、一昨年のアカデミー賞のビンタ事件で非常に辛い立場にあったが、今回も大ヒット、本人的にも一安心だろう。

で、『バッドボーイズ』は基本1話完結だが、今作は3と物事が連結しており、まぁ、ある種の前後編とも言える。

3では冒頭、マイク(ウィル・スミス)が生死の境を彷徨い、4はマーカス(マーティン・ローレンス)が生死の境を彷徨う。
1・2の監督マイケル・ベイから3はアディル・エル・アルビ&ビラル・ファラーに監督が変わり、残酷度数は減り(悪趣味な)、その分アクションにキレが出ているように思える。マイケル・ベイの映画はハチャメチャであるが、然し、その圧倒的な破壊力で観客を納得させる。

然し、まぁ、私としては、今作は、正直シリーズでも上位に来る作品だ。いや、話にはめちゃくちゃ穴もあるし、相変わらずツッコミしかないのだが、けれども、正直、『DUNE』よりも、『フュリオサ』よりも、面白かったし好きだな!
私は映画リテラシーが低いので、全然いいのである。

無論、画面の高級さ、端正さ、という点では、この映画は先述の映画たちに負けている。完敗している。然し、ある種の志、という点では引けを取らないのだ。

今作は、マイクの息子であるアルマンドが成り行きから仲間に加わるまぁ、『ワイルド・スピード』シリーズばりの、一度闘った者はファミリー化、仲間化の、あの、少年漫画的展開を見せてくれるが、然し、このシリーズは結構キャラがバンバンに死ぬので、アルマンドも死ぬのかな、とか思ったが……。まぁ、シリーズにおいて、恐らく最強の強さを持つ男である。このアルマンド、3の頃とは比べ物にならないくらい良いキャラクターになった。ジェイコブ・スキピオ、ええなぁ。雰囲気、いいなぁ、いいなぁ。

然し、冷静に考えると(冷静に考えなくても)、危険すぎる殺人鬼であり、こんなキャラクターが息子という設定とは、ウルトラにハードな設定を背負わされすぎなマイク、然し、けれども、そんな息子でも、子供は可愛い、愛している…そんな親子関係、妙で異常なこの感覚だが、この二人の歪な親子関係、最後にアルマンドを送り出す姿は、まぁ、親ってそんなもんだよね……、っと、倫理的判断すら許されない妙な心地にさせられる。これが、情にほだされるってやつ?

そして、この映画、今作はアリゲーター映画である。まさかのアリゲーター、私はワニが好きだ。ワニ、ワニワニ。ワニワニパニック。ワニ、といえば、『ワンピース』のアラバスタ編におけるサー・クロコダイル(今のクロコダイルは嫌いだよ)が、今でもあの漫画の中で最高の敵役だったと思える(次点でエネル)。

まず、技名が最高にかっこいいんだな、クロコダイルは。『三日月型砂丘バルハン』、『千割グラウンドセッコ』は言わずもがな、でもやっぱり『砂漠の宝刀デザートスパーダ』だなぁ。『砂漠の金剛宝刀デザートラスパーダもいいけど。『砂漠の向日葵デザートジラソーレ』なんて最高にセンスがいいよ。
何よりも、砂キャラ、というのは、何故かサンドマンからサウンドマンに変わってしまった『スティール・ボール・ラン』もあるけれども、やはり砂漠の我愛羅が最高だ。

あの、中二病を煮詰めて出来た宝玉のようなキャラクター、あの砂漠の盾を上回る速度で攻撃を繰り出すロック・リー……、いかん、『NARUTO』を読み返そう……。

なーんて、ともかく、今作はワニ映画なのである。ワニ映画、といえば、『クロール/』という、映画があったが、あれも観ていない。あれも観なければ。

とにかく、元ワニ遊園地みたいな廃園を舞台に、最後は怒涛の銃撃戦になるが、ドローンでの攻撃シーンなど、なかなか見ごたえがあった。それから、何故か後半、自撮り風的な銃撃映像になるのだが、このシーンは笑ってしまった。
ウィル・スミスの映画で、『アイロボット』という、2004年の映画があったが(そういえば、『ロボ・ポカリプス』はどうなったんだ?)、あのシーンもなんかクレーン撮影か識らんが、最後のアクションで、橋の上でロボを迎え撃つウィル・スミスをクルクル360°回転しながら撮るシーンがあったが、何故かそれを思い出してしまった。ウィル・スミスだからか、そうなのか。まぁ、ウィル・スミスは最早何をやってもウィル・スミスであるから、しょうがない。

私はくだんの『アイロボット』のシーンを折に触れて思い出す者だが、これよりもダサい、何度思い出してもキツイシーンは、やはり、『マトリックス・リローデッド』におけるザイオンのレイヴシーンだろう。

私は『マトリックス・リローデッド』は好きなのだが、特に、あの、ハイウェイを2km本当に建造して撮影したという、ハリウッドの異常さ、まぁ、ハリウッドが最後にパワーを持っていた時代、然し、あんはヘンテコリンなシーンを入れてしまう…そのギャップ……。
でも、『マトリックス・レザレクションズ』は良かったなぁ。あれはすごい傑作だったよ。

そういえば、『リローデッド』は2003年の夏、の映画であり、その年は、『ターミネーター3』、『踊る大捜査線The Movie2 レインボーブリッジを封鎖せよ』が大激突した年であり、『リローデッド』が興行収入110億円、『ターミネーター3』が90億円、『踊る大捜査線2』が173.5億円で凄まじい夏興行、そこに、水物、海賊ものはコケると言われていた『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』が8月公開、これは68億円と、予想以上のウルトラヒットで現れたダークホース、以降の10年間、この夏の覇権をかけたシリーズたちの中で一番重要なものになってしまった。

然し、『マトリックス・レザレクションズ』は4作目、そして今回の『バッドボーイズ』も4作目。意外とね、4作目、っていうのは傑作が生まれやすい土壌があるのよねん。3本やったら1周回るからね、どうしても新機軸、というのを打ち出していかねばならない。

『マッド・マックス/怒りのデスロード』だって4作目じゃないか。
それから、私は『ターミネーター4』も好きなので……。『クリスタル・スカルの王国』、あれも4作目だな、いや、意外と好きだよ。シャイア・ラブーフも出てるし、ケイト・ウィンスレットも出てるしね。それから、『学校の怪談4』だって、キャッチコピーでは、『4番目が一番怖い』って、言っていたじゃないか。そう、4番目。4番目、4作目こそ、『ダイ・ハード』だって、5より4の方が面白かったぜ?

シリーズものならば、大抵は新世代の話、若しくは自分たちの老いと向き合う話にならざるを得ないが、まぁ、今作は、後者だけと、それでもね、最後はそんな命題すらどこかに吹き飛ばすいつものバカさ加減が、ええ湯加減で良かったなぁ。


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