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ブルー・ウォーター

今年の12月16日に『アバター:ウェイ・オブ・ザ・ウォーター』が公開される。アバターの正当な続編である。


『アバター』は2009年に公開されて、この映画を先駆けとして、2010年〜2011年は3D映画ブームが巻き起こった。

それは、本格的に3Dカメラで撮影したものや、なんちゃって3Dなど、様々であり、猫も杓子も3Dだった。

『アバター』は興行収入全米7億ドル、全世界で25億ドルを超えて、『アベンジャーズ/エンド・ゲーム』に超えられるまでは不動の№1だった。

その前の全米興行収入1位は『タイタニック』で6億1800万ドル、世界№1も同様で18億ドルと、圧倒的な牙城を誇っていた。共にジェームズ・キャメロン監督作である。
超えられない壁を超えるキャメロンはまさにキング・オブ・ワールドであり、挑戦者だった。
『アバター』は日本でも興行収入150億円を超えて、これは一気にバズったというよりも、毎週毎週ペースを変えずに売れ続ける、超ヒットの法則に則ったパターンだった。
押井守は『アバター』を観て、日本映画の10年先を行っている、キャメロンには追いつけない、と言っていたが、13年経過した現在でもまだ追いついていないだろう。

キャメロンは挑戦者であり、海人ウミンチュでもある。彼の映画には高確率で水、乃至は海が登場し、それはダイバーである彼の魂がそうさせるのである。撮影された映像も、どこか水面のように光が揺れ動き、限りなく透明に近いブルーに彩られている。
そのキャメロンの挑戦は、『アバター』の後はヒロシマを舞台にした映画を作る予定で、それは原爆の破壊を爆心地から撮るというとんでもない企画だったが、実現はされなかった。
原爆といえば、クリストファー・ノーラン監督の次回作は原爆の父と呼ばれるオッペンハイマーの映画である。ノーラン映画の常連のキリアン・マーフィーが主演で、これは楽しみな作品だし、重要な作品だろう。

そして、キャメロンは結局自身の最高ヒット作『アバター』の続編というなんというか、安牌的な企画に乗り出してしまったのであるが、然し、それは早合点というもので、『アバター』は今後4作品が控えている。
つまり、5部作の作品を作るという、プロデューサーなら間違いなくキャメロンの頭の具合を疑ってしまうであろう企画を満面の笑みで進めようとしているわけで、2022年の2を皮切りに、二年ごとに1本、2030年くらいまで『アバター』が続くわけである。
こうなってくると、最早最後の方はキャメロン自体がアバターになって『アバター』の監督をする展開すら有り得そうだが、この『アバター』5本というものも、本来は確か3本とかそんな話だったのである。

コンセプトアートらしいが、これってただの『パンツァードラグーン』では…?

5部作と言えば、ニュート・スキャマンダーが可愛らしい『ファンタスティックビースト』シリーズは初め3部作だったのだが、5部作に変更になり、そして今は興行収入的にあんまりよろしくないので、打ち切りもあるかも〜的な感じらしい。恐らく4で完結させるのではないか。大体、魔法生物の話で盛り上げて欲しいのであって、ダンブルドアとかどうでもいいのである。ああいう、1人の贔屓キャラクター(それも作者が)にフィーチャーし出すと、ろくでもないことになるに決まっているのだ。
いつまでも毎回毎回魔法使い同士がピュンピュンピュンピュン変な光線を飛ばして闘うのを止めるべきである。
大体、『ハリー・ポッター』シリーズは原作を読んでいる私ですら話が意味不明に感じる編集の粗さで、特にデヴィッド・イェーツが出張ってからろくなことはない。あいつはコネでもあるのか?
イエーツが監督を務めだした『不死鳥の騎士団』からピュンピュンが増えて、それから計7本監督しているが、こいつのピュンピュンがハリーポッターの印象になってしまった。私はイエーツを憎む者である。一番監督としての力量がないのに、何故毎回監督なのだろうか。すごく上層部に気に入られているとしか思えない……。もしくはめちゃくちゃ納期守る的な。

やはり、クリス・コロンバスの『賢者の石』と『秘密の部屋』、アルフォンソ・キュアロンの『アズカバンの囚人』の3本が最高だ。それ以外は撮り直して欲しい、無論、主演の三人は続投である。

話が脱線してしまったが、とにかく『アバター』である。『アバター:ウェイ・オブ・ザ・ウォーター』である。今作は、キャメロンが大好きで仕方ない、彼の故郷(いや、全人類の)である海を舞台にしているわけであるから、それはもうとんでもない気合であり、水中撮影とかガンガンしていたのだ。キャメロンは、ここ7、8年くらい、『アバター:ウェイ・オブ・ザ・ウォーター』しか作っていない(『ターミネーター・ニューフェイト』は忘れよう、あれは私は大好きな映画であるが……監督もキャメロンも、皆が悲しい結果になってしまったね)。
然し、その延期はそもそもキャメロンがそうさせているのであって、映像革命こそが彼のお題目であり、無論、新たに興行収入を塗り替える野望も捨ててはいないのだろうが、何よりも御客様の度肝を抜きたいのである。

どうやら、9/23から『アバター:ウェイ・オブ・ザ・ウォーター』に先駆けて、復習として『アバター』の3Dリマスター版が公開されるようだ。その名も、『アバター:ジェームズ・キャメロン3Dリマスター』。

この、タイトルに自分を入れるというスピリット、これはなかなか真似が出来ない。やはり、キャメロンはキングオブワールドであり、2にも否が応でも期待が高まってしまう。
どうやら次の3連休は雨のよう。それならば、一層のことキャメロンの作り出したあの世界に、もう一度ダイブしてみてはいかがだろうか?



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