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豪華本という魔薬

『重版出来』という漫画はとても好きで、新刊が出る度に購入して読んでいるが、最新巻では刀剣にまつわる豪華本の制作過程の話をしていた。
大好物である。豪華な本、というのはいい。
私は、普段はもう電子の時代だしぃ〜、とか言いながらも、やはり紙の本、紙の本の持つ匂い(正確にはインクと紙)に抗うことは出来ません。
あれは魔薬なのである。
話は全く異なるのだが、週間少年マガジンとか、指にインクが付くのもたまらなく良い。あの安手な感じもいいし、そして匂いはすごく唆られる。
匂いは記憶を呼び起こす。だから、懐かしさもある。

で、新刊では日本刀の豪華本の話を作中で前後篇くらいでやっていた。
『重版出来』の初期の頃に、同様に芸術家の豪華本を作る話もあって、その話は作中で一番好きだった。
その芸術家をして、美への拘りが凄いと言わしめる編集者が今回の主役である。
本は、様々な人がかかわるが、編集者は本の監督である。作品は作者の冠がつくが、本そのものは、監督である編集者の作品なのである。

この日本刀の本は、昨年に出た『名刀大全』がモデルになっている。
どちらも小学館から出版されていて、この『名刀大全』は38,500円と超豪華な本ではあるが、人気があるらしい。

写真で見ても美しい装丁である。
私は、刀は好きだが、それほど詳しくはない。けれども、インキの匂いを嗅ぎながらこの本を読むのは、さぞ楽しい時間だろうと思える。

豪華本とまではいかないが、『ブレードランナー2049』の設定資料集は非常に充実して、素晴らしい。翻訳版になり、サイズはダウンしているものの、紙質は抜群に良く、何よりも造本がしっかりとしている。海外の本はでかいが、すぐに壊れてしまう。
これは3000部限定本だが、私のお気に入りである。

そして、今度は『DUNE/砂の惑星』の資料本も10月か11月頃に発売されると聞き、喜んだ。
値段は税抜6,000円。うう、高い。
けれどもしっかりとした美しい映画美術の詰まった本なのだろう。
これも3000部限定!だという。でも安心してほしい。3000部がはけることは私の予測ではまずないだろう。しかも6000円だし、実売2000部くらいじゃないかなと思う。

本は、智慧のくせに、智慧だからこそ、対面も気にする。
中身だけじゃなく、外見もいい本は、やっぱりモテるのだろう。

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