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ライバルとは恋人

BLとは、ボーイズラブ、のことであるが、よく、キャラクターをそんな風に見るのはおかしい、気持ち悪い、などと言われるが、まぁ、強ちBLの目線は間違っていない作品も多い。

例えば、『NARUTO』はナルトとサスケのラブストーリーなわけだし、無論、作中ではそれぞれ結婚して子を設けるが、それも仕方なし、世間体のためであり、偽装結婚というやつである。
7代目火影がいつまでも抜け忍(この、抜け忍というのがまたエロいわけだが)だった男とイチャイチャパラダイス(このタイトルも冷静に考えると、後の展開を暗示しているし、互いのファーストキスも序盤に登場し、徹頭徹尾二人のラブストーリーである)しているわけにもいかないのである。
そして、二人は半神であるかの如く、最後には血と血で結ばれる。サスケが大蛇丸というお姉系の先輩に育てられるのも、見逃してはいけない点である。

また、『はじめの一歩』も幕之内一歩と宮田一郎とのラブストーリーであり、彼らが男同士の肉体にぶつかり合いの果に再開することを夢見るストーリーである。彼らの頂点に立つリカルド・マルチネスの髭などが、完全にそっち系のそれであり、一歩は130巻を超えてなお、まだそのデカマラで久美を抱いていないわけである。

これが70巻台の話で、あれからもう15年くらい経ってるしね。ここで闘っておけばよかったね。
この時点で既に日本タイトル防衛7回しているしね。

そして、『ベルセルク』はもちろん、ガッツとグリフィスのラブストーリーであり、キャスカは完全に恋の鞘当て、お邪魔虫である。
グリフィスがゴッドハンドのフェムトに転生し、ガッツの前でキャスカをレイプする下りがあるが、ここでのガッツの激昂は、完全にグリフィスがキャスカとセックスをしていることに対しての嫉妬であり、それを見せつけられてキレているわけである。なので、ドラゴン殺しという男根そのものでグリフィスを犯しにいく、という話なのである。

深淵の神が望んだこととはいえ……って、深淵の神(全人類の潜在意識)もBLが好き!?

なので、三浦先生亡き今、このラブストーリーのスピリッツが継承されるかどうか不安だったのだが、最近、ご自慢のドラゴン殺しがグリフィス相手に全く役に立たず、ガッツがフニャチンになるという展開だと小耳に挟み、嬉しくなった次第。

『バガボンド』は宮本武蔵と佐々木小次郎のラブストーリーである。佐々木小次郎は聾唖だが美丈夫、剣の天才で、武蔵も初対面でもう恋してしまっている。おつうという美しい女性が暗に「武しゃん、好き好き」と好意を示してきても、剣が一番と逃げ続け童貞を守り続ける。一方の佐々木小次郎は、女ときたらやりまくりではあるが。
と、いうか、作中最強の伊藤一刀斎が、自分の命を脅かす最強の相手こそが最愛の友に等しい、と言っているように、女性はいらないのである。

彼らは一様に子供である。子供同士の危険な遊びに耽っている。
女性との恋愛の果にセックスがあり、その先に生活が待っている。生活は冒険とは相容れないものである。恋愛は一つの冒険であるが、生活は縛鎖であり、然し、責任からは逃げることが出来ない。
男性は常に新大陸を目指す。焦がれる相手を隣において。それは、男でなければならない。
冒険と生活は互いに殺し合う宿命だからである。
男性が輝くのは男性といるときであり、女性といると生気が奪われている。

然し、BLとは恋愛遊戯であり、ここに比喩以上のセックス描写が紛れ込んだ時点でそれはポルノグラフィに堕ちる。

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