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デザインチームをつくるということ  第二回:できることは?やるべきことは?そして、やりたいことは?

こんにちは!CreativeDirectorの森下晶代(Akiyo Morishita)です。

先日無事出航と申し上げましたが、ここからはそこまでの準備を数回にわけてお伝えしていこうかなと思います。クリエイティブチーム始動と宣言したのに、デザインチームって書いてある?と思った方もいるかもしれないですね。そうなのです、クリエイティブチームを動かしていくにあたって、最初にはじめたのがデザインチームをつくることだったのです。これがなかなか興味深かったので、何が起きていたか記録に残していこうと思います。
ちなみに第一回はこちら。https://note.com/build_service/n/n1a019409c855?magazine_key=m47cbcb107455

第一回:デザインのケイパビリティってなんだろう? 
第二回:できることは?やるべきことは?そして、やりたいことは?
→今日はココ

第三回:チームで活動するということ
最終回:クリエイティブチームとしてのデザイン

第二回では、自分たちの活動の問いをどう作っていったかについてのお話をします。第一回でチームのケイパビリティについての確認の話をしましたが、今回は、組織としてやるべきことの確認、そしてやりたいことを探索しながら、自らの活動の「問い」を設定するに至ったあれこれです。

▪️できることの次はやるべきこと

チームのケイパビリティがわかってきて、可能性を見出した次に取り組んだことはやるべきことの確認です。やるべきこと、つまり会社から組織として期待されていることとのすり合わせです。ここは大きめの組織に特有のものなのかもしれないなと感じる部分も多いのですが、様々な形でサポートしてくれて、私たちの活動を保障してくれているところ(≒組織)からのリクエストとは向き合う必要があるのでそれを確認していきました。ストレートにいうと、数字や活動領域などがこの部分になると思います。ケイパビリティを成長のための葉とするのであれば、このやるべきことはあたらえられている環境に近いかなと思います。
私たちに課されている、すべきこと、それは、デジタルビジネスで社会をアップデートするにあたって、新しい価値を創造していくこと。そこには従来のやり方ではむずかしいと片付けられていることにチャレンジすることも含むです。そしてその新しい価値の創造を継続させるために、創造プロセスそのものを価値化していく、サステナブルに回す仕組み化ということも考える必要がありました。
4月からマネージャーメンバーで議論を重ねながら同時にメンバーとの対話をしていた、チームのすべきことですが、相当複雑です。ともすると活動に矛盾が生じるような複雑さです。
これは・・・と最初は思いましたが笑 こういうときこそ現場でひとつずつ手を動かして出口をみつけようという初心に帰り、今の自分たちのケイパビリティで何ができるのか?どのような課題設定をすればこのチャレンジングな期待に楽しく応えていくことができるだろうかと覚悟を決め、具体を考えるフェーズに移っていきました。

▪️やりたいことあるの?

ケイパビリティもわかり、置かれている環境への覚悟も決まり、あとは目標設定してやるだけと思いがちなのですが、その前にやりたいことを確認。個人的な経験としても、組織運営としての経験としても「やりたいこと」の共有が組織を動かしていく際に一番大切なフェーズなのではないかと思います。理由は、せっかくやるならそれぞれのキャリアに直接響く活動になってほしいからです。働く理由はそれぞれなので価値観はそれぞれだと思います。ただ、キャリアに関しては活動そのものが自身のキャリアとなって形作られていくので、是非ともやりたいことが多めになっていてほしいなと思います。それが結果的にモチベーションと言われるものの維持や、向上心醸成などの成長の核になっていくのは自分でも経験済。もちろん、どんなにつまらない仕事でも学びはありますし、価値もあるし、そこに優劣はないとおもいます。ただし、継続して主体的に、そしてできるかわからない難しいものに挑戦するのであるならば、メンバーの意志を大事に、そのひとつひとつをつなぎ合わせて組織を育てていくことが不可欠であると思っています。
このような想いから、実際にメンバーのやりたいことをみんなで確認していきました。嬉しいことにたくさん出てきました!「できること」と「やりたいこと」はもちろん違いますし、「やるべきこと」はもっと違います。この中で、自分で変化させていけるものが「やりたいこと」なので、ここがたくさんあるということは、「できること」が増えるチャンスになり、「やるべきこと」をやるための原動力にもなります。会話の自然と、○○やりたいなら、こういうチャレンジしてみようとか、△△やりたいならこの活動を通して実現してみようなど、「やりたいこと」が具体的な活動や成長のための活動に結び付いていきました。
社会に飛び込んだ新人の頃、何もわかっていないのに、こんなことやりたい!と大きな声で言っていたのを思い出しながら、言ってみる、やってみるというのは大事だなと噛みしめて活動を動かしています

・自分たちの「問い」をみつける

ついに「できること」「やるべきこと」そして「やりたいこと」が揃い、アクションを起こしていける準備が整いました。ここで、自分たちの「問い」探しです。いつもプロジェクトを実践するときにお伝えするのが、アインシュタインの言葉で、「私に世界を救うための時間が1時間だけ与えられたとしたら、最初の55分を何が問題かを発見するために費やし、残りの5分でその問題を解決するだろう」という言葉なのですが、まさにこれを実践しているイメージです。実際には活動時間の方が長いのですが、具体的にどんなことに向き合うのかを真剣に議論し、「問い」のかたちで表現しました。段取り八分仕事二分、一年の計は元旦にありなど、準備をする大切さを語ることわざもありますし、狙いを定めていくということに時間をかけることは大事だと思います。
一方で、やりはじめて何かが違うとなることもしばしば。そのときにも「問い」は大活躍。問いを立てることで、向かうべき場所は明確になるので、やりはじめて違ったなと思っても、やり方を変えてみれば大丈夫なことも多いです。それでも違うとなればもちろん「問い」自体を見直すことになるのですが、自分たちの考えた軌跡が残っていると、再考するのもやりやすいです。
実際にはチーム内で、「問い」のアイディエーションをして、チームとしての活動を定めていきました。これまでそれぞれがそれぞれのプロジェクトで築いてきたものを活用して、どんなことにチャレンジしていけばよいかを考える時間です。私たちの大切なキーワードはデザインとエンジニアリング。ここをどう捉え、活動に浸透させることで私たちのチームならではの価値がつくれるかを問いにしていきました。。問いの詳細については別の機会で話そうと思いますが、チームで同じテーマをもちながら活動するということがいよいよ始まります。以前ももちろんミッションやチームビルディングはありましたし、今も脈々と受け継がれ日々活動はアップデートされています。そこにデザインというキーワードを新たに加えて再構築したという感じです。

▪️チーム組成の瞬間に立ち会って

チームができるという瞬間はどこにあるのでしょうか?メンバーがアサインされたら?活動がはじまったら?私は、同じ方向を向くことができたときが、チームができた瞬間なのかなと思います。そういう意味で、メンバーの一人として参加でき、感慨深いと同時に一緒に育っていける仲間を得た感覚をもつことができました。自分が1枚の葉だとすると、隣の葉の存在に気づけたという感じでしょうか。若いころに、一人で仕事できないならチームでなんて絶対活動できないといわれたことがあり、大人になってその意味もわかり、あらためてチームの大事さを実感しているので次回はチーム活動の意味をどう考えたのかお伝えしていこうと思います。