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【メンバーインタビュー】“Director of Product Development” 相良昌寛

「コオロギのうま味を最大化する」
右手にスプーン、左手にはコオロギを。前職で鍛えた敏腕な腕と味覚でコオロギの素材を最大限に引き出す相良昌寛さん。

現在、BugMoではコオロギの商品開発を行う傍ら、社内全体の潤滑油としても活躍する相良さんは、昆虫食特有の課題の解決にも挑戦する。誰のためのコオロギなのか。人はコオロギを食べて幸せになれるのか。

豊かな自然で育った幼少期、キユーピー株式会社時代、そしてBugMoとの縁。「自分たちサラリーマンにとって 会社=人 である。」と目を輝かせながら語る相良さんの人生史とは。

プロフィール

相良昌寛 
“Director of Product Development”
コオロギの養殖・加工方法の検討 味の数値化の基礎研究・商品開発
新潟大学農学部応用生物化学科卒業。キューピー株式会社へ入社し、食品工場にて製造・品質管理者を経験。 その後、商品開発本部へと異動し、BtoB、BtoC向けの幅広い製品開発を行う。
BugMo代表松居の「コオロギを代替タンパク質としてではなく、食品としておいしさ・価値を高めていく」 という想いに感銘を受け、BugMoへ参画。 BugMoでは、Director of Product Developmenとして コオロギの養殖・加工方法の検討&味の数値化の基礎研究から コオロギを用いた商品開発まで幅広く担当。

それでは、相良さん!よろしくお願いします。

〇自然豊かな幼少期

福島県出身で自然が大好きでした。この頃からすでに、祖母と田んぼで捕まえたイナゴを佃煮にして食べていました。売ってないから取るしかないし、おいしくて好きだったので、昆虫食の違和感は特にありませんでした。

将来は、ノーベル賞を取れるような研究者になりたい、「アマゾンに未知の生物を探しに行くんだ!」というような子でしたね。それがもっと具体的になって、家の近くにあって祖母がそこで働いている影響で、農業試験場で虫の研究者になりたいと思っていました。小中高の職業体験は全て、農業試験場に行くほど惹かれていました。(笑)

〇大学時代

大学時代は将来の事にすごく悩んでいましたね。
研究室を決めるタイミングで、農薬や化学系のことをやりたかったのが、食品にも興味が出てきました。試しに1か月間、北海道でファームステイに参加しましたが、「365日牛の世話ができますか?」って聞かれて、自分ににそんな責任感がある仕事ができるのか考えてしまって、その場では返事ができなかったんです。その後のインターンで昔からの夢だった農業試験場に行きましたが、実際にその仕事をやってみると、自分が農業試験場で働くというイメージが湧かなかった。人生に悩んで、とりあえず手あたり次第やってみましたけど、、明確な答えは見つからなかったです。

結局、研究室を決めるタイミングで一番面白いと感じた農薬関係を取り扱う「有機化学研究室」に入りました。

-その後どうしてキューピーへ?
大学3年生の時も、大学院か就職かで迷っていました。大学では、自分から能動的に研究対象を探して突き詰める事に、どうしても怠けてしまう自分がいて、大学院に進むよりも社会に出て働くほうが成長できるのではと考えるようになりました。

その結果ご縁があった、キユーピー株式会社に就職させていただくことになりました。
振り返ってみると、今まで研究対象として見ていなかった「食品」を、キューピーで新たに取り組めるところも自分の中でしっくり来て、就職する道を選んだのだと思います。

〇キューピー株式会社時代

新卒で就職し、食品工場と開発研究で7年間過ごしました。
キユーピーでは、今にも繋がる多くのものを学ぶことができました。
「食品」って、我々にとって生きる活力であれば、食中毒など健康を害することもあります。よくも悪くも、その人の人生を背負っている部分が大きくて、、、
そして、そこにはおいしさが欠かせないし、食品のおもしろさ・奥深さをを知ったのはキユーピー時代でした。

・食品工場時代
ゆで卵を作る食品工場に配属されて、製造管理など3年間勤めました。
そこでは、すごく楽しく過ごせたし、がむしゃらに頑張りました。開発部やBugMoで大切にしている価値観をここで学びました。

まず、「自分たちサラリーマンに取って 会社=人 である。」と感じたことです。
工場の社員の皆さんとはとても仲良くさせていただいていたのですが、私以外の管理職や社員同士の間で人間関係がぎくしゃくしている姿を見るのが本当に嫌で、、、
一緒に働くならお互い楽しくありたい。でも、どちらにも不満は生じてしまう。なので、お昼の時間は男性陣は離れて食べるのが一般的でしたが、私はテーブルのど真ん中に座ってご飯を社員の皆と一緒に食べて、積極的にコミュニケーションを図って、その不満などを発散していただく潤滑油のような役割になれるよう頑張っていました。

立場によって関係性が変わるのも苦手で、しっかり「人と人」で向き合いたいと思っていました。社員の方と管理職として配属されている自分が得意なこと・できることは違うし、ましてや立場による優劣なんてものは存在しない。だから1人の人間として関わりを深めていけるように意識をしていました。

そのおかげか、後に工場を去る時には、「相良さんと働いているときが一番楽しかった」という声やメールを頂けて本当に嬉しかったです。

-どうして研究開発に異動されたんですか?
食品工場で感じた疑問が大きく影響しています。
工場ではイベントやシーズンが来るとゆで卵を多めに作ります。しかし、大量に作る分、大量に廃棄される事もあります。美味しく食べてもらうために作っているのに、逆に捨てる事には、すごく疑問を抱きました。

そこで、研究開発に異動して自分が感じた疑問を根本から変えてやろう!と思うようになりました。 なので、「社内論文」を書いて研究開発部署に異動できるようアピールしていましたね。

-社内論文ですか。
ゆで卵ってすごく奥が深くて。素材そのものの特徴が最終的な品位にまで影響するんです。なので、歩留まりを上げることがすごく難しかったり、そのおもしろさに惹かれて、研究して書いたのが社内論文でした。

他にも、ちょうど大規模な設備投資の時期に当たったので、機械の開発サイドと食品工場の現場の声を拾ったり、機器導入のトラブルシューティングなどの調整役も評価されたと思います。

意外と食品だけでなく、ハード面だったり関係構築だったりと何でも幅広く行っていました。

・卵開発部時代
卵に関する製品の開発を全て行うところで、味の数値化などの基礎研究、実際の商品開発をする応用研究まで幅広く関わらせていただきました。
自分で物事を考えて行動することが好きだったので、3年で一人前といわれてましたが、2年目から積極的に1人で好き勝手にやらせていただいていました。(笑)
勝手にいろいろ進めてしまうので、上司の方にはとてもご迷惑をおかけしたと思います。

自分としては、工場勤務の経験があったので、商品の実現性、作る過程の煩雑さ、工場の設備などが具体的にイメージできることが強みで、ちょうどいい立ち位置で動けていたのかなと思ってます。

-開発部に異動して
開発部にいるときの私は結構尖っていて、食品工場で感じた問題や課題を全て解消してやるという勢いでした。特に、大量廃棄の解消に取り組みました。しかし、開発部以外の側面で難しさを感じたり、今度は開発部にいるからこそ、食品工場での工程の手間には必要性があることを理解できました。

こうして、開発部で勉強しながら食品工場で抱えた疑問と向き合っていました。


〇転職

-転職を考えたのはいつ頃からですか?
転職のタイミングはずっと探していました。大量廃棄への想いと、大企業ならではのスピード感や制約もあって、もっとフットワーク軽く動きたいことが重なりましたね。
なので、ベンチャー企業にフォーカスして転職活動をしていました。

-転職への葛藤だったり不安は無かったのですか?
もちろんありました。
結婚して子どもが生まれて、生活の安定とやりたい事への葛藤ですね。そこで熟慮したのが、市場の将来性でした。食品の価格競争に巻き込まれるとベンチャー企業の規模だと得をしません。食品としての価値があって、本当に必要とされる仕事ができる場所を探していました。
そして、キューピーの7年間で身についた実力と自信を最大限に活かせるのが、昆虫食業界なのではないかと考えました。

幼少期の事もあり、昆虫食業界へ行くことに抵抗はなかったですが、「昆虫のおいしさ」を知っていたからこそ選ぶことができたのかもしれないですね。だって、将来性の有無とはいえ、自分が食べたくないものを作りたいとは思わないですから。(笑)

-BugMoと出会うのには時間がかかりましたか?
そこまで時間はかかりませんでした。最初から、「食品」と「将来性」、「課題感」そして「ベンチャー企業」のキーワードで探していたこととタイミングですね。

でも、最初は縁がなくて断念したのですが、半年後にFacebookで求人情報をたまたま見つけて、2度目のアプローチをかけました。
他社の選択肢もあったのですが、一番はBugMoの心意気に惹かれました。

-BugMoの心意気ですか。
「必要なところにタンパク質を届けたい」という想いや、「食品としてのコオロギのおいしさを突き詰める」といった所に強く心打たれました。私が持つ食品への問題意識や、食品のおいしさへの探求心が騒いだ瞬間でしたね。

〇BugMo

そして、今年の3月(2022年)に無事BugMoに参画することができました。
“Director of Product Development”という役職で、コオロギの養殖・加工方法の検討&味の数値化の基礎研究からコオロギを用いた商品開発まで幅広く担当しています。

-実際働いてみてどうですか?
3ヶ月が経ちますが、初めに感じたワクワク感を持ったまま働くことができています。
というのも、入社前に試食した他社製のコオロギの臭みがすごくて、、、まずは、そこを無くす作業から入ろうと思っていました。しかし、いざBugMoのコオロギパウダーを食べてみると、臭みは無くむしろエビ・カニに似たうま味・風味を感じたんです。嬉しい誤算でした。BugMoがおいしさを追求してきた結果を感じられたと同時に、この味をどう表現していけるかとワクワクしながらの毎日を送っています。

-BugMoで目標にしていること
組織として揺るがないBugMoを作ることです。
10年先のBugMoを考えた時に、立ち帰れる価値観を作れるのが今だと思います。そんな時期に一緒にワクワクできるのは嬉しいし、これから大きくなっていく会社の地盤を固めて、我々の目標を達成していきたいですね。
そして、食用コオロギが「おいしさ」で食卓に選ばれる世界を作り上げたいです。

-BugMoに来て欲しい人材は?   
まだまだ、会社として組織として作っていかないといけない場面で、中長期的な目標を共に支えられる人に来てほしいです。例えば、日本での販路拡大も重要だし、海外の食糧難を助けることも必須だったり。組織全体の潤滑油になれる人が欲しいですね。
今の世の中に対して熱意がある、何かを変えたいとか、熱い想いを持った人をお待ちしています。

https://bugmo.jp/

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