出る杭は伸ばせ
大学の授業に「スペイン学」というのがあったんですが、その時に聞いた話が今も印象に残っています。
日本のことわざに「出る杭は打たれる」というがあるが、スペインの考えは逆。「出る杭は伸ばせ」だ。
日本はみんなと同じがよしとされる。
みんなと同じで、その中で秀でたものを持つ人が「天才」。またはすべてにおいて人より秀でた人が「天才」。
しかしスペインは、人と違うけどその違うことをどんどん伸ばすのが良し。またはほかは人よりだめでも一つすごいものがあったらそれが「天才」。
だから、スペインは天才が多いと言われる。ピカソやダリ、ミロ、ゴヤ、ガウディ、セルバンテス、、、、みんな一芸に秀でていたけど、他は人と違う。でもそれを責める人は彼らの時代からすでにいなかった。
なーるほど、と思いました。
私は特別賢い学校を出たわけでもなく、特別すごい能力があるわけでもなく、全部並みです。
幼少期に習っていたピアノも、趣味レベルで、結局ソナチネ止まりだし、
運動も、中学時代のバドミントン部はレギュラー落ちこそしなかったけど、一回戦を勝てばよい方。足は遅くはないけど学年一位ではなかったし、マット運動は壊滅的。水泳は習ってないけど50メートルくらいなら泳げるかな、レベル。
勉強も普通。数学は壊滅的。学校生活で褒められることと言えば、ほとんど欠席しなかったことと、小中では給食を残さなかったことくらい?高校・大学は留年せず、一応浪人もなしで現役で合格したことくらいでしょうか。。。
字はなぜか習わなくても褒められたことはありますが、書道経験者の父に言わせれば「まだまだ」
料理と裁縫は終わってます。家事全般苦手。
そんな人間。
ですが、スペインでその話をすると「完璧主義なの?」
ピアノの経験から楽譜が読めます。→すごいね
50メートルくらいなら泳げるよ。→すごいね
留年しなかったの?一度も?→すごいね(ここは文化の違いもあって、スペインをはじめヨーロッパは小学校から留年制度があるし、学力が追い付いていないと判断した場合、保護者と先生が相談してもう一年やり直させることも少なくない。そして海外の大学は卒業する方が難しい)
字まできれいに書くの→すごいね。(字は人を表すという文化ではないので、あっちの人の字は正直読めません。)
料理もsushi作ってくれたじゃん。curryも作れるじゃん→すごいね。
これだけのことを持ってるのに他に何を求めるの?
なのだそう。
いやーだって、言葉もそこそこだし、書類づくりアホみたいに遅いし…
「全部できる人がいたら組織いらないでしょ。それより仕事は専門性でしょ。書類づくりが苦手なら得意な人が作ってくれるよ。スペシャリストになればなるほど周りもスペシャリストが集まるよ。」
そうですねー…ごもっともです。
ということで、私は何でも屋さん道はやめて、スペシャリスト道を目指すことにしたのでした。実際その方が向いていたし。
出る杭は伸ばしましょう。
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