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『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』タイトルは穏やかだけど…

こんにちは。今日は大人しく家に引きこもり中のknkです。いや、そもそもこのご時世外出は控えるべきなんですけどね。

先日、とある本を読み終えました。

タイトルは

『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』

見るからに美味しそうなタイトルです。

サクッと言うと、

オフィス街の中にあるスープ屋さん。ランチとディナーが人気だけど、朝も実はひっそり営業している。そこのシェフが作る多彩なスープはどれも絶品。そして、このシェフはちょっとした日常の謎や問題も解決できる人で…

と言う話。基本はこのシェフと主人公の地元情報誌の編集者・理恵とシェフの娘・露ちゃんが話を進めていきます。これはシリーズ化されていて、今回私が読んだのは5巻の『子ども食堂と家族のおみそ汁

もう、スープがどれもとんでもなく美味しそう。

読んでいるだけでよだれが出そうになる描写はさすがだし、ぜひ飲んでみたい!と思わせるものばかりで、なぜうちの近所にはこのスープ屋しずくがないのかと悔しくなる。笑 (通勤途中にSoup Stock Tokyoがあるのでたまにそこは行きます)

お店では本日のスープの食材の持つ栄養素のその効果が黒板に書いてあると言う設定になっていて、その説明を読むと勉強になる。

そして肝心の謎解き。麻野さん(シェフ)の柔らかい雰囲気と鋭い観察力が面白い。男手一つで育てている一人娘の露ちゃん(これまた賢い!)とのやりとりも微笑ましいし、第3者の理恵との関係もほのぼのする😍

が、

この麻野さん、自身もとんでもなく壮絶な過去を持っていて、それが物語のベースにも敷かれています。

1巻にその過去が書かれてから、2〜4巻もちらっちらっとその問題は出てきていたんですが、今回はそれがギュッと表に出てきました。また、これまではほのぼのーっとした、というかちょっと困ったな程度の問題が多かったのですが、今回は副題にもあるように『子ども食堂』がベースに出てきます。

この子ども食堂は実際にニュースでもよく取り上げられますが、貧困家庭の子や何か問題のある家庭の子が心安らげてお腹いっぱい食べられるようにと開かれていることが多いです。

この5巻に出てくる子ども食堂もひとり親家庭や貧困、虐待、家庭内暴力などが取り上げられていて辛かった…。

でも、麻野さんが協力してこの子ども食堂にご飯を提供するシーンはほっこりして、作品の重さを軽くしているからすごい。

5巻では麻野さん自身が過去と向き合う場面も少しみられます。

シビアな内容を美味しそうなスープとキャラクターの温かさですっぽり覆って、読んだあとは幸せな気持ちにさせてくれるこの作品、オススメです。









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