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【連載】残された人生は大学卒業まで!? #137 一世一代

 一世一代、とはよく言ったもので、あまりにも誇張された表現な気がする。しかし、使っている等の本人は本当にそうだと思っていることが多い。無論私もその中の1人であると思う。

 そもそも、一世一代とは能役者や歌舞伎(かぶき)俳優などが引退する前に、これを限りと得意の芸を演ずること。一生のうちにたった一回のこと、みたいな意味である。

 最近まさしくそういう瞬間を迎えたが、私自身も「一世一代」と使って間違いない瞬間だと思ったのか、途端に汗が吹き出してきて、冬なのに汗が止まらなかった。

 体が勝手にその大きな出来事に反応してしまい、汗が吹き出してしまったので、動悸が荒くなっていたり、手が震えていることに気がついた。


 しかし、見方を変えてみればいつの瞬間どの瞬間も間違いなく一世一代である。今このnoteを書いている令和2年12月15日11:41:42はもう二度とない瞬間である。今この瞬間にこのnoteに向き合ったのは私1人だけであり、このnoteを見てくれているあなたのこの時間も一世一代なのである。

 その一世一代の瞬間の繰り返しで一生が終わっていく。

 所詮一つの生き物に過ぎない人間の1人であるが、こんなにも一瞬一瞬の尊さを感じるのは不思議である。つくづく不思議で、死んだら自分には何も残らないのになーとか、生きている間に楽しいことをしても、俯瞰してみればすごい壮大なRPGをプレイしているのと何ら変わりないのになー、とも思ったりする。

 何が一体生きていると言えることなのか。一世一代を過ごしたと言えるのだろうか。

 すごい難しいこと、倫理の授業で学ぶようなことを言っているけど、1人の生物が喜怒哀楽という感情を持ち、言葉を持ち、考える力を持ち、伝える力を持ち、動く力を持ち、何かを美味しいと感じる力を持ち、何ら普通に生きることができている。

 そんな一世一代の瞬間の中で、流れる時に身をまかせる。

 もうそれだけで尊いかもしれない。


 BU(◎)DOH 

あなたの一存で、これからの旅路を一緒に作っていけたらいいと思います。