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【後編】東京都あきる野市発!|環境配慮型アウトドアブランド「STATIC」代表田中さんへインタビューをしました!

前編では、「STATIC」の成立経緯、また代表田中さんのサステナビリティなマインドルーツを深堀しました。

今回は、大人気商品「ADRIFT CREW」の成立経緯、そして活動拠点でもある東京都あきる野市についてお話頂いております。それではさっそく見ていきましょう!

インタビュー|人気商品アドリフトクルーの秘密

井上:ところで、STATICさんから仕入れをしたアドリフトクルーですが、とても人気ですぐ売れてしまいました。

Buddy’sの売れ筋の商品なのですが、このADRIFT CREWについて聞いてみたいです。どのような経緯で誕生し、どうして人気が出たのでしょうか。


田中:そもそもADRIFT CREWのように一枚生地として使うブランドは他になかった。一般的には表地を貼って、起毛した面を肌に触れないようにする。3年位前から流通しているメイドインジャパンの生地だね。

実はこの生地を単体の一枚生地として使うことを工場の人たちが提唱していたんだよね。

井上:何かと組み合わせるのではなくて、ということですよね。


田中:そうそう。それで、富山の製造現場まで行ったんだよね。そこの製造現場の人たちがどんな気持ち、思いで作っているのか、どういうエコ性があるのかなどを聞きに行った。


それで、彼らからサンプルを購入して、その日のうちに富山から白馬までいって、実際に山で使ってみた。そこで使えると確信した。製品にしようと思った。

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新しいのもそうだし、機能性も優れていた。もちろん、エコ性もある。そういうメイドインジャパンの生地を扱えることに喜びを感じた。
それで、サンプルを作って小売店さんにもっていったら、これはすごい、となった。


ADRIFT CREWはペラペラでフワフワのたった100gのフリースなんだよね。それにもみんな驚いて、これは売れるぞって小売店さんが飛びついてくれた。ショップさんの熱量があったよね。


その時は機能性が先だった。だけど、背景にはちゃんとエコ性がある。
「これは新しいスタンダードのフリースになる。今までにない!」と小売店さんがSNSやブログに書いてくれた。店頭でもすぐに売れてしまった。


9月くらいにGOOUTさんにADRIFT CREWについてメールしてみた。そしたら、1ページの特集にしてくれた。それからインスタのフォロワーも一気に増えたし、うちのECでも沢山売れた。


井上:その話でいうと、以前STATICさんがインスタでBuddy’sについて取り上げてくれましたよね。その時フォロワーが増えたんですよ。主にアウトドア系のユーザーさんでした。それからADRIFT CREWがぽんぽんと売れるようになった。


田中:どこまでエコマインドを持った人たちがフォローしてくれたかわからないけど、認知が拡大してくれたらいいよね。


井上:今のADRIFT CREWの生産状況はどんな感じですか。


田中:Buddy’sさんの分は追加生産でしたよね。次の冬に向けて、オーダーをとろうとしているところ。ADRIFT CREWに関しては冬よりも前の段階から作っておこうかなって思っている。同じ記事でパンツ、トップスも追加してネックウォーマーのような小物もリリースしようと考えている。


井上:ネックウォーマーいいですね!


田中:すごい軽いしね。熱がこもりづらく、暑くなりにくいからね。
他にも別注の問い合わせもきてるね。


井上:いろんな小売店さんの反応として、新しいスタンダードになるということですが、なぜ、いままでなかったのでしょうか。発想がなかったのでしょうか。


田中:そうだね。ふつうフリースって暖かいものだよね。そこにメッシュを加えるという発想自体がなかった。すーすーしちゃうしね。普通、熱を蓄えるものだからね。

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最近はアクティブインサレーションという考え方が出てきた。
例えば汗をかきすぎることはアウトドアの世界では危険で、低体温症の原因にもなる。そのデメリットをどう抑えるかが課題だった。今までは重ね着だったり、換気ジッパーをつけたりが一般的な課題解決の方法だった。
最近は羽毛ではなくて、化学繊維のの綿を使って熱を放出しやすい素材が出てきた。保温だけのダウンじゃなくてね。熱が抜けやすい構造の商品がでてきた。


こういう熱をため込まないという発想が、アクティブインサレーション。
その発想がADRIFT CREWにもあるね。


井上:それにしても、思いつかないものなんですね。いろんなフリースを扱うメーカーさんがあるのに。

田中:繊維の会社の人って、繊維のプロだけど、ウェアについては素人だったりするんだよね。

例えば、YKKのジッパーの表裏を逆にするという発想はこれまでなかったけど、今はそういう仕組みが出てきた。これは、2000年くらいにアークテリクスが始めた。


そうすることで見た目が変わるとか、防風になるとか、防水性もあるんじゃないかとかあったんだよね。こんな発想を白紙の状態から生み出したのがアークテリクス。
僕も白紙からスタートしたってことなんだよね。


井上:固定概念をとっちゃうみたいな。


田中:そうだね。

インタビュー|あきる野市という土地について

井上:ちょっと話はかわりますが、田中さんにとってあきる野市とはどういう場所なのか教えてください。


田中:もともとは日野に住んでいた。山が好きだったし。青森出身だというのもあるんだけどね。その時は都心で働いていたんだけど、山があまりにも遠く、耐えられなくなってきた。


そんなとき日の出町に先輩が引っ越してきていた。それで、すごくいいなと感じた。子供も楽しそうに育てているし。


それと、30代悶々としていたことがあった。その時会社では責任あるポジションにあった。それはそれでよかった。お金も増えるし、いいもの食えるし、いいことばかりだなって思ってた。最高の生活だって思ってた。でも、その時先輩の暮らしを見て、こういう暮らしは続けられないなって思った。

ちょうどその頃、子供もできたし、青森出身で田舎暮らしだったし、育てるには山と川だろうと思って、青梅か五日市かとなった。でも、青梅は物件が高かった。


井上:そうなんですか。


田中:そう。それで、今の場所に引っ越してきた。


井上:いつくらいのお話ですか。


田中:ちょうど震災があった年だね。
震災が起こる前からここに住むことは決めていた。震災が起きてから、なおさらここでよかったなって思えるようになった。


非常に個人の趣味も仕事も満足しているね。特にコロナが起きてから、山や川のように密にならない場所で遊べるから、子供にストレスがたまらなくていいよね。


井上:私も青梅にいるので、最初の緊急事態宣言の時は青梅でよかったなと思いますね。


田中:そういう意味では、非常に密じゃなくてよかったなって思うね。
映画館も美術館もやっていなかったから、子供をいろんな施設に連れていけなかった。だけど、このあたりでは山登りしたり川遊びしたりいろんなことができるからよかった。
秘密の岩山とか、滝とかを見つけられたりしたしね。愛着がわいた。

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井上:確かに、お金で解消するエンタメとは違う楽しさにベクトルが向いたのかなって思いますね。

地元をちょっと散歩してみたり、行ったことのない料理屋さんに行ってみてそこでたまたま昔の同級生と出会ったり、とか。


田中:確実にそうだよね。パラダイムシフトが起きていると思う。
ところで、この間話したときに、あきる野市や五日市にはクリエイターが多いっていってたよね。


井上:そうですね。実際のところはわかりませんが。クリエイターたちの活動をよく見る気がします。


田中:Syncs design.の廣田さんもそうだし、ここ一年くらいで地元のクリエイターたちと出会う機会がふえたんだよね。そういう出会いもコロナが背景にあるんじゃないかなと思ってる。あきる野市はクリエイターたちと繋がりやすいような状態になっている気がするよね。


都心だと人が多くてつながりづらいかもしれないけど、あきる野ではそれができるよね。

クリエイターたちが周りに増えてきて新しいものが生み出せそうだなと思ってる。
今を満足している要因として、人とのつながりってあるなと思うね。


井上:そうですよね。もっとたくさんお話したいことがあるのですが、お時間になってしまいました。
最後に我々Buddy’sに一言をもらっていいですか。


田中:僕の勝手なイメージだけど、若い世代がBuddy’sを立ち上げて新しい窓口をつくっている。それを広げてくれる試みをしてくれるのはすごくいいなって思ってる。より多くの人がエコな物事に触れる頑張ってほしい。みんなの若い力が僕の力にもなってる。


若い人たちのセンスは年を取った世代にはないよね。でも、一方で我々のような上の世代には技術力や経験がある。新しい感性で新しい窓口を作ってくれて、我々と交流を持ってくれるのは健全な世代間リレーションシップだなと思います。だから、Buddy’sがどんどん育ってほしいなって思います。


井上:本日はありがとうございました!とっても励みになります。

インタビューを終えて

田中さんとは、2020年の夏ころに初めてお会いしました。とても東京とは思えないのどかなあきる野市のご自宅でお話を伺ったのを覚えています。

たんたんと冷静にお話しされる田中さんの言葉からは、アウトドアや地球環境、拠点のあきる野市にへの熱い情熱が感じ取れました。

著名なアウトドア・アパレルブランドを渡り歩き、そこで得た知見や知識がふんだんにSTATICブランドに盛り込まれており、それがブランドの根幹を支えています。いうまでもなく、アウトドアを愛するからこそ考え抜かねばならない地球環境に対する想いもです。

そんな想いは、私たちに対するコメントにもあふれているように感じます。

”より多くの人がエコな物事に触れる頑張ってほしい。みんなの若い力が僕の力にもなってる”

とてもありがたいコメントです。今後とも私たちBuddy'sはやさしいお買い物が当たり前になる世界を目指して邁進していかなければならないと確信しました。

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