2022年BtoBマーケティングを振り返って気付いた7つのトレンド
こんにちは!
今年も残りわずかとなりましたね。あっというでしたね。2022年を少し振り返ってみて、BtoBマーケティングではどのような動きがあったのか?みたいなものをまとめてみました。
自分自身、BtoB向けのWebマーケティングを中心に支援することが多かった2022年。どんなトレンドがあったかな?みたいなのを7つのポイントに絞り書いてみたので、今年の振り返りも踏まえて見ていただけると幸いです!
①角度の高いリード創出が課題に
角度の高いリード創出に課題を感じている企業が増えたなと思います。
というのも、質を選ばなければリード創出することは以前よりも比較的、カンタンになってきています。
BtoBWebマーケティングの平均点が上がり、質を考えなければリード創出のハードルは下がっている
近年、BtoBWebマーケティングは平均点が底上げされてきています。理由は2点です。
・BtoBWebマーケティングのノウハウが増えてきている
・広告媒体の進化
以下のようにサイルさんを中心にBtoB向けのWebマーケティングに基づく情報を発信されている企業も増えてきました。数年前に比べてノウハウに手軽にアクセス出来るようになったのが平均点上昇に影響を与えていますね。
更に以下のようにAmazonでも「BtoBマーケティング」と検索するとたくさんの書籍が出てくるようになりました。
他にも副業やスポットでWebマーケティング人材を活用できるサービスも増えてきました。ノウハウや人材活用が積極的に進む中でBtoBマーケティングの平均点が上がってきていますね。
広告運用がよりカンタンに
広告媒体の進化についてですが、Facebook広告やGoogle広告など機械学習が日々進化しており、広告運用のプロじゃなくても、それなりに成果が出るようになってきました。
Facebook広告であれば、自社の顧客情報を活用して類似オーディエンスを作って配信すれば大概は成果が出ます。
Google広告においては2022年になり、P-maxという、画像やテキスト、動画などのクリエイティブのアセットを入れれば、あとは自動で配信して、
それなりに成果が出るプロダクトが登場しました。
更に2022年の中盤くらいには部分一致が強化されて、以前よりも細かくキーワードを設定しなくても成果が出やすくなったり。
このような形で、BtoBWebマーケノウハウと広告運用のハードルが低くなったことでBtoBWebマーケティングの平均点が向上し、リード獲得自体のハードルが低くなってきていますね。
しかし、リード獲得が出来るようになったことで弊害が生まれています。
それが質の低いリードが多すぎる問題です。
質の低いリードというのは、商談や受注に繋がりにくい、あるいは時間がかかるリードを指します。
逆に言えば、早い段階で商談や受注につながるリードは、質の高いリードだと言えるでしょう。
そもそも質の定義をできていない企業も多い
「リードの質が悪いんです」
こんな感じで仰る企業の話をよく聞いてみると、そもそも「自社にとって良いリードの定義ができてない」というケースも多々、見受けられます。
ウィリアム・エドワーズ・デミングという統計学者の方が上記の言葉を残しています。「定義が曖昧なものは改善ができてない」ということなので、まずは自社にとって良いリードってどんなリードなのか?を考えてもらうことが多いです。もし、自社のリードの定義などが曖昧であれば以下のnoteを参考までに
CVポイントごとで獲得できるリードの質も変わる
ホワイトペーパーや問い合わせ、資料請求など、CVポイントごとでリードの質が変わります。(CVポイントとはなんぞや?という人は以下のnoteを参考に)
そのため、適切なCVポイントの設計やCVポイントごとに適切なフォローのフロー構築が求められますね。CVポイントごとのリードの質についてはこちらを参考までに
媒体側も質を高めるアプローチをしている
広告媒体側も「リードの質を高めていかなければいけない」という課題感に気がついており、すでにアクションをしている媒体も増えています。
代表例としてはGoogle広告にて、値を活用した自動入札を使い、質の高いCV数を増やす手法です。
上記のようにCVポイントごとに値を設定して、コンバージョン値の最大化や目標費用対効果といった自動入札を活用することで価値の高い、商談や問い合わせのCV数が最大化するようにGoogle広告が動いてくれます。
詳しい設定や詳細については以下の記事が参考になるので読んでみてください。
ここの見出しをまとめると以下の感じですかね。
・リード獲得の難易度が低下したことで質の低いリードが増えている
・質の高いリード獲得に課題を抱えている企業が増えている
・質を高めるアプローチもあるが取り組んでいる企業がまだ多くない
②ナーチャリングの課題を持つ企業の増加
質の低いリードが増えた結果、リードナーチャリングに課題を持つ企業が増えていますね。
改めてナーチャリングとは、まだ商談や受注に至らないリードに対して、メールやインサイドセールス、セミナーなど様々なアプローチを実施して、商談や受注までに引き上げる全ての活動のようなイメージを持っていただければと思います。
先日、上記のようなツイートをしたら、そこそこに反響がありました。みなさん、ナーチャリングに対する難しさを感じているのかなと思ったり。
個人的には、ステップメールを送り続けてたり、セミナーやったりしてすぐに導入しよう!みたいな感じになったこともあまり、多くなく、こちらがわからアプローチしてナーチャリングができているというよりも、以下のツイートの感じで必要なタイミングで顧客接点を持ち提案していく方が商談がスムーズになることが多いですね。
年度末の予算消化、担当者変更、会社の方針変更など企業には必ず、変化するタイミングがあるので、そのタイミングで接点を持ったり、第一想起してもらうことが重要なのかなと。以下のツイートみたいな感じですね。
タイミングを察知するためには定期的に見込み顧客と接点を持っておく必要があります。次の見出しにも繋がりますが、良質なコンテンツを生成し続けることの重要度は年々上がっていますね。
あとは個人的にナーチャリングという言葉は好きではなく「信頼構築」みたいな言葉で表現したいですね。ナーチャリングっていかにもこちら側から「どうにかしてやろう」というのが見える言葉な感じがw
良いコンテンツを送って信頼してもらって選んでもらう「信頼構築」の方が個人的にはしっくりくる。
③コンテンツの重要性|コンテンツを作れない企業は生き残れない?
先程の見出しでナーチャリングにはコンテンツが重要とありましたが、よりコンテンツの重要性が増した1年だったのではないでしょうか?
コンテンツを通して見込み顧客と接点を持つという役割もありますが、Facebook広告やGoogle広告のクリエイティブもコンテンツの一つだと考えます。
ただの広告と思われるのか?面白い広告、学びになる広告だな。と思われるのでは天と地の差があります。
広告のクリエイティブを考えるのもコンテンツの一つなので、面白いコンテンツや学びになるコンテンツが作れる力が今の時代に求められる能力になるのではないかと思います。
Facebook広告やGoogle広告などの運用型広告は先も述べた通り、機械学習が進化して運用部分ではそこまでプロじゃなくても成果が出しやすくなってきています。どこで差別化を図るとなるとクリエイティブになります。クリエイティブを考えたり作ったりする部分に重点が置かれてきています。
このような獲得系の広告だけではなく認知系の広告でも同じです。面白い、学びになる、気付きがある、共感できる広告のほうが広がりやすいです。
少し前にECフォースのCMがバズってましたが、BtoBでもこんな感じで自由に着想して広告を作ったほうが結果、認知は広がり、売上に影響を与えるんですよね。
きんにくんの起用。最高のCMでした。滝沢ガレソにもまとめられたり、スタートアップ各所で評判良かったですね。
だいぶ、きんにくんに引っ張られましたが、このような企画を考えるのにもコンテンツ作成力が求められます。BtoBの提供しているサービスは、どこも似たりよったりしてきてしまうので、どこで差別化するとなると、コンテンツ力だったり、アイディアや人の力などになってしまうと思います。
コンテンツ力がある会社が生き残っていくのかなと思っています。パワー!
④オーガニックチャネルへの投資
TwitterやYou Tubeなどのオーガニックチャネルへ投資される企業が増えている印象です。特に2022年になり、Twitterアカウントを運用開始される経営者が増えているように感じます。Webマーケ界隈のなどはTwitterで情報収集される人も多いのでTwitterで影響力を持つと仕事が増えたりするのでしょう。
BtoBでもSNSを活用し問い合わせが増える
BtoBでもSNSを活用することで指名検索が増加し結果、問い合わせ数が増える事例も多くあります。上記は『現場のプロが教える!BtoBマーケティングの基礎知識』より引用していますが、ホットリンク社がSNS上での露出が増えることでPV数やUGCとの相関性を表しているグラフになります。
露出やUGCが増えるとPV数も増えて問い合わせ数も増えているようです。
Instagram、Twitter、YouTube、友人・知人が、テレビCMとほぼ同等またはそれ以上の影響度を持っている
上記はトライバルハウスの池田さんのnoteから拝借している画像ですが、Instagram、Twitter、YouTubeがTVCMとほぼ同等の影響力を持っているというのが調査でわかりグラフにしているものです。
BtoC寄りなデータではあるのですが、BtoC、BtoBでも人を相手にしていることは変わらないので影響力を与えるメディアとしてはBtoBでも同じようなことが言えるでしょう。
以下のようにBtoB向けに発信しており、影響力のあるアカウントがたくさん存在しているのでTwitterの力も馬鹿にならないかなと。
⑤CROポジションがより重要に
CRO(Chief Revenue Officer)的な動きができる人材の必要性を色んな現場で感じることが多い1年でした。
セールスとマーケティングがうまく連携ができてないケースが多く、ホワイトペーパーで獲得したリードにアプローチできていなかったり、逆に角度の低いホワイトペーパーのリードに対して電話でアプローチしてしまったりと。
CSやセールスの場面での勝ちパターンがマーケティングに共有がされていなく、LPや広告文に反映されていなかったり。
セールスとマーケティング、CS全領域において、解像度高くありつつも全体最適のアクションを選択できる会社は多くないなと感じています。
特に広告運用などのWebマーケティングを熟知してマーケからCSまで見れる人は、ほんとに見当たらなく今後、広告運用者からCROやCMO的なポジションになる人が増えてくるといいなと思っています。
何れにせよ、広告運用者の仕事は、運用調整からビジネス全体を見ながら適切なチャネルへ広告費のアロケーションや広告媒体を理解した上でのコミュニケーション作成(クリエイティブ制作など)の仕事がメインとなってくると思います。広告運用だけではなく、より上流のスキルが求められるでしょう。その中でもBtoBビジネスに特化した広告運用者がもっと増えるといいなと思ったり。
⑥TVやタクシー広告に取り組むのが選択肢の1つになりつつある
2022年になり、だいぶTVCMやタクシー広告に取り組むBtoB企業が増えたなと感じています。
CARTA HOLDINGS社のプレスリリースによれば、タクシー広告の市場は毎年5億円ずつ成長しているとのこと。実際に様々な企業の出稿が増えているように思えるので上記のペースで市場は伸びていきそうだなと。
他にも2022年になり、エレベーター広告という手法も登場し少し話題になりました。
タクシー広告と比べて、ターゲット企業が入っているビルに広告枠があれば出稿できるため、ターゲット精度が良かったりとタクシー広告と異なる利点を押し出しているようです。中国では時価総額が約2.9兆円のFocus Media(フォーカスメディア)を筆頭に、複数のプレイヤーが乱立しているとのこと。
日本でも今後、成長性がありそうで、タクシー広告の次に来るBtoB向けの認知施策になりそうです。
何れにせよ、数年前よりも認知施策に予算と投下するBtoB企業がふえてきているのかなと考えています。
⑦スタートアップの市場環境の悪化
SmartHR 創業者である宮田さんが2022年6月頃に上記の記事を上げて話題になっていましたね。SmartHRの株主でもある米国のセコイア・キャピタルが共有した資料を元に作られた上記の記事なのですが、以下、一部抜粋があります。
更に「冬の時代が長引くかもれない」という見出しの下に以下が書かれています。
ざっくりですが、市場環境が悪くなり、資金調達しにくくなるから気をつけろ。ということかなと思います。スタートアップにとって資金が尽きれば会社が無くなりますし、資金があればマーケティングや採用など出来ることが増えます。
限られた資金の中で出来ることをしていかなければ行けない環境に2022年はなってしまったのではないかと思います。以下のnoteで不況時にやるべきBtoBマーケティングみたいな内容で記載しているので参考までに。
2023年はどんな年になるのか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
本記事を読んでなにか参考になることがありましたら幸いです。
2022年を振り返ってみて2023年はどんな感じになりそうかな?みたいなことは年明けに記事が書けたら、書こうかと思いますので良かったら読んでみてください^^
他にもBtoBマーケティングや運用型広告にまつわる情報をTwitterやnoteで発信しているので、フォローいただけると幸いです。
改めて、お読みいただきありがとうございました!
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