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BtoBでよくあるリードの質問題について考えてみる

在宅ワークが始まってかれこれ2年。すでに3回ほどのかるいぎっくり腰になっているハチワレです。在宅ワークとは、腰との戦いです。

さて、今回は「リードの質問題」というテーマでお話しできればと思います。というのも僕はこのnoteで何回か、リードの質を上げる方法やリードからの引上げについて記事を書いているのですが、このテーマだとPV数やいいねが集まる傾向にあります。

その分、皆さん困っているテーマなんだなと実感していますし、実際に運用代行やコンサルをしててお客さんが困っているテーマです。引上げや質については自分なりにノウハウを貯めてきたのでnoteに還元して少しでもお役に立てればなと思い、今回のリードの質についてどう考えるか?みたいな観点で筆を執ってみました。パソコンなので筆ではないのですが。

リードの質が悪くて悩んでいる
リードの質を上げたい
リードの引上げを知りたい
リードの数と質の両方を良くしたい

こんな方にお役に立てる内容になると思うので最後まで見ていただけますと幸いです。

なぜ、リードの質が悪い。という問題が起きるのか?

「リードの質が悪い…」
マーケと営業が分かれていると、営業側からよく、上記のようなことを言われるのではないでしょうか?
そもそも、質の悪いリードとはどのようなものでしょうか?シンプルに考えるなら、商談や受注に繋がらないリードを指します。

逆に言えば商談や受注につながるリードであれば質が良いので、このようなリードを創出するのがBtoBマーケティングの役割です。ではそもそも商談に繋がるリードってどんな条件に当てはまるのか?ということを説明します。

商談に繋がるリードとは?3つの軸で考える

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僕はリードの質についてターゲット、フェーズ、認知価値と3つの軸で見ることが大切だと考えています。上記の図のように3つの軸がピタリと当てはめれば右上のリードの質が高いゾーンに当てはまります。3つの項目について以下に説明します。以下は以前書いた記事でしっかりと説明していたのでそのまま持ってきています(笑)

ターゲットについて
企業規模や役職がこの部分に当てはまります。ある企業では売上規模◎億円や従業員数などを軸にターゲットの質がいいかを考えている企業があります。人事労務管理などのサービスであれば従業員数3人の企業より、従業員数100人の企業の方がターゲットとして適正だと思います。

あとは役職軸です。平社員と部長や役員以上など決裁者だと、決裁者のリードの方がリードの価値として高いと考えられます。特に欧米の方ではトップダウンで検討が行われることが多いそうで、役職軸でリードの価値を評価することが多いです。

一方、決裁者も重要ですが、日本だと実際にツールなどを使う現場の意見も大きいので一概に決裁者だけを押さえておけばいいとも限りません。

フェーズについて
自社で提供しているジャンルについて課題感がどのような状態にあるのか?というのがこの部分になります。

例えば、採用などで当てはめるのであれば以下のようなフェーズになると思います。
・採用が必要だと思っていない
・採用しようと思い始めたが急ぎではない
・急ぎで採用したい

課題に気が付いていない、課題に気が付いている、解決手段を探しているなどといった、企業ごとに様々な段階があると思います。

営業から見ると今すぐ、契約してくれるリードが質が高いと考えるので解決手段を探している顧客がたくさん集まると良い状況になります。よってフェーズが後半になればなるほど、質が上がってくる可能性が高いです。

一方、フェーズ後半の選定段階から声をかけられると、どうしても良さが伝わらなく、合い見積もりで価格勝負になるということもあります。一概にフェーズの後半が集まるのもいいかと言われるとそういうわけではないかと考えます。フェーズの前段階でしっかりと自社の良さを伝えてから選定に移ることができれば他社に流れることなく、受注することができます。

そのため、フェーズの質についてはリード取得段階でコントロールするというよりは、インサイドセールスやフィールドセールスの段階でコントロールするのがいいかなと個人的には思っております。

認知価値について
ターゲットの人たちに自社がどのように認識されているか?ということです。いわゆるブランディングみたいな話になるのですが、この会社はノウハウや実績があり、安心できる。と市場で認識されている状態で商談するのと、何も知られてない状態で商談するのでは受注率に大きな違いが出ます。

認知価値の部分は指標に落とすことが難しいので、自社や商品の良さが商談する前までにつわたっているのか?みたいな所を見るのが大切かなと思います。

商談前に資料や動画、セミナーで商品やサービスのメリットが伝わっていればセールスの段階でそこまで説明しなくてもクロージングに移れると思います。僕はセールスをしていた時は事前に沢山情報を与えて合う段階では背中を押すだけにしたいなと思い意識して取り組んでいました。その方が効率がいいんですよね。

事前に認知価値を高めるというのはマーケティングが頑張るべき部分であるかなと思っています。コトラー曰く「セールスを不要にするのがマーケティングである」と話していますが、個人的には「セールスの前に受注率が高い見込み客を創出する」のがマーケティングの仕事かなと思います。そう考えると事前に良さを理解してもらった上で商談に臨んでもらった方がいいなと考えています。

自社にとってのリードの質が良いとは?そこから定義しよう

BtoBマーケティングの相談に乗っていると、そもそも質のいいリードについての定義が曖昧だったりします。そのため、質の高いリードをまず定義することから始めます。

質の良いリードの定義で意識して考えてほしいのは2つあります。
1つは営業とコミュニケーションを取りながら定義することです。営業がお客さんと直に接しているので顧客に対する解像度が高いことが多いです。

もう一つはあまり絞りすぎないことです。

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上記の図で右上のリードが欲しいのはもちろんなのですが、具体例で考えてみましょう。経営は向けの組織コンサルティングのようなサービスを展開していると考えます。

上記の軸で考えるのであれば質の高いリードとは以下のような状況なのではないでしょうか。
ターゲット|経営者で社員が30人以上で組織の課題に悩んでいる
フェーズ|社員が辞めたり、採用がうまくいかなかったり何かしないといけないと深刻に考えている
認知価値|自社のサービスをよく知ってくれていて検討している

上記のようなリードは質が高いですが、かなり数が限られてくると思います。特に、フェーズや認知価値というのはインサイドセールスやメールマガジンなど直接接点を持って行かないと進行していかないことの方が多いです。

そのため、広告などを使ってリードを集める段階では、ターゲットまでで絞り込んでリードの質を考える方が機会損失もなくいいかなと考えます。ですので、この経営者向けの組織コンサルティングであれば、経営者のリードを質が高い、あるいはMQL(Marketing Qualified Lead)として数を追うことがいいのかなと思います。

Webマーケティングの施策ごとでリードの状況が異なる

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施策ごとに流入しているリードの状況が変わってくることを意識する必要があります。上記は横軸がフェーズを表しています。右に行けば行くほど顧客の検討しているフェーズが最終段階に近いことが多いです。よって、フェーズが進行していればいるほど、商談に繋がることが多いです。

縦軸はコンバージョン単価(CPA)を表しています。お役立ち資料などであれば、手軽にダウンロードできるため、ハードルが低くCPAが安くなる傾向にあります。また、リードの数も資料請求や問い合わせより多くなります。

一方、フェーズ進行がまだしていないことも多いので、商談にまで少し時間がかかることが多いです。また、ホワイトペーパーから流入した人には、セミナーに読んだり、メルマガでフォローしてサービスに興味を持ってもらう必要性があります。

リードの質を意識しすぎると機会損失が生まれる

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上記の図の右下に当たるすぐに商談に繋がりやすいゾーンの数を最大化させるのがマーケティングの仕事ではありますが、このゾーンの数はどうしてもすぐに天井を迎えることが多いです。それはなぜでしょうか?

ちなみに3:10:27:60の法則をご存知でしょうか?

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こちらはハーバード大学の研究から生まれた理論なのですが、全ての集団は3:10:27:60の割合で構成されるというものです。パレートの法則にも近いものですね。

ダイエットで当てはめてみましょう。
ダイエット器具やダイエット食品を検索する人が3%
ダイエットの悩みについて検索する人が10%
ダイエットに興味はあるけど、必要性を感じていない人60%
そもそもダイエットに興味ない人27%

このように、ダイエットを今すぐ必要としている人というのは20%にも満たなく、必要性は感じていないけど興味はある人たちは60%もいるということです。

BtoBマーケティングに当てはめてみると今すぐほしい人、導入を検討している人が全体の中の13%くらいなのに対して、そのジャンルに興味があるけど必要性を感じていないのが60%となるでしょう。

BtoBマーケティングだと、課題が顕在化していないことがほとんどなので、今すぐ客は全体の13%しかいないことになります。よってすぐに頭打ちになることが多いのでホワイトペーパーやセミナーなど今すぐ客ではない人々を数多く集客しておき、インサイドセールスやメルマガなど定期的にコンタクトを取り、最終的な成約数を最大化していく必要があります。

流入経路やリードの状態ごとで対応を柔軟に変える

ホワイトペーパーで入ってくるリード。比較サイトから訪れるリード。自社サイトの資料ダウンロード。これらすべて、リードの状態が異なると思います。

自社サイトの資料ダウンロードであれば、商談に繋がる確率が高くなるのでスピーディーにフォローアップして商談につなげたいですね。一方、ホワイトペーパーであれば(ホワイトペーパーの内容によりますが)直ぐに商談に繋がることが少ないので、メルマガでセミナーに誘致したり、MAツールでスコアリングして特定の条件を満たしたら電話したりといった対応が必要になるでしょう。

このように流入経路ごとに対応を整備&流入経路ごとのリードの特性をりかいすることが大切です。どの流入経路も一色単に考えてアプローチや管理をしてしまうと正しい、アクションが取れません。

流入経路ごとに対応を変えるということをマーケもセールスも理解する

このように流入経路ごとの考え方や対応方法をマーケもセールスもお互いに理解をすることが大切です。セールスがホワイトペーパーのリードの状況や質を理解していれば、むやみやたらにアプローチして、質が悪いからフォローしない。といったことにはならないと思います。

個人的には流入経路ごとの考え方、対応方法、デジタルマーケティングの全体像を理解しながらリードや商談、売上のバランスをみるチーフレベニューオフィサーのような役割がいれば全体最適ができるかと考えていますが、そのような人材は少ないなぁと思っています。

また、組織規模にもよりますがマーケとセールスの責任者は分けないの方がいいかなと思います。例えば以下のように数を追っているとします。

マーケ|リード数
インサイドセールス|商談数
セールス|受注数

マーケはリードの数に焦点を当てれば、ホワイトペーパーに施策を偏らせればリードの数は達成します。商談化は落ちますが、リードの数は担保できますよね。

インサイドセールスであれば、商談数のみを追うと、むやみやたらに商談の数を追ってしまします。その結果、受注に繋がらない商談まで引き上げてきてしまい、セールスに工数を増やしてしまいます。

セールスも受注の数だけ追えば、単価の低い案件ばかり決めた方が良いです。このような流れになる売上の最大化に対して正しく機能しているとは限りません。

ですのでマーケとセールはなるべく、合わせてみて、例えば以下のような視点で見ると売上最大化に向けて組織のかじ取りができるのかと考えます。
マーケ|リード数+質
インサイドセールス|商談数+商談後の受注率
セールス|受注数+単価or売上金額

マーケは数だけではなく質も追う。しかし、質を追いすぎても全体的な数が減る為、数と質をインサイドセールスの抱えているリソースを元に調整。

インサイドセールスはなるべく、受注に至る商談を増やすことがフォーカスするポイント。ただ、商談数も一定数は必要になるので、セールスの状況と合わせて調整。個人的には商談化率で追うのは良くないと思います。アポは取ろうと思ったら取れてしますので、商談化率を追うと軽いアポが増えるイメージです。

セールスは売上を追うのがシンプルですかね。SaasであればTOPラインを増やすため、受注件数を追うといったことも選択肢として考えられますよね。

まとめ|マーケからセールの全体像を把握してリードの状況ごとに正しいアプローチをすれば売り上げは最大化される

最後までお読みいただきありがとうございます。

思うのは施策、マーケからセールスないし、カスタマーサポートの全体像を理解し、施策の意図。この施策はリードの数を狙うのか?数を減らして質を狙いのいくのか?といった全体像と施策意図を理解し、それらを説明でいる人がいて、売上を最大化させるために、どのポイントがボトルネックでテコ入れをすると伸びていくのか?

このような観点でBtoBマーケティングを見て実行していくことが大切だなと現場を見て思う所があります。

今回はリードの質について考えてみましたが、少しでもお役に立てる内容だったら幸いです。他にもリードの質関連やホワイトペーパーからの引上げについて書いてあるので参考までに。

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