時代は変わる。私も変わる。

あまりに、運気が下がっていたと思う時期の話だ。
スピリチュアル系にアレルギー反応を起こす人は、読まない方がいい。


きっかけは、引っ越しだった。
とあることがきっかけで、引っ越し先を検討していた。物件に連れて行ってくれた女性の不動産社員さんに、会話が弾み、ふと、聞いてみた。

「風水とかって、信じます?間取りとか、方角とか」

「基本、信じないですねー。でも、私もあまりに運気が落ちていたときに、一度、見てもらったことありますよ」

「そうなんですかー。ちょっと紹介してくださいよ。」

「あ、いいですよー。でも、高いですよ。一時間一万円ですよ。」

高い。だが当時の私は、お金にあまり執着してなかった。

そんなことで、とある先生?のところに、伺うことになった。

事前に、生まれた日にち、時刻、名前を告げていた。

そこは、マンションの一室だった。先客がいたので、しばし待ち、先客が去った後、アシスタントに促されるまま、座った。

先生(この場合は、なんと呼べばいいのだろうかわからないが、もう先生で統一する。先生とは思っていないけどね)

「君ね、海外で輸出入をするビジネスを自分で立ち上げなさい。成功するよ。」

始めに言われたのが、この言葉である。

(挨拶は!?悩みヒアリングとか、しないの?!)

私はこう思ったが、まあいい、聞いてみよう、と思った。

どうやら、話をまとめると、私の運勢を見ると、海外、貿易の商才があるらしい。

「まあ、38くらいまでだね。君は、強い星に生まれてるよ。成功する人生を送る」

誰にでもそういってんじゃねーのか?と聞いていた。この後に、壺を買わされるんだろう、きっと。

その後も、先生は話し合い続けた。

「ここはね、野球選手とか、企業の社長が来たりするんだ。野球辞めても大丈夫ですか?とか、財務諸表とかを持ってね。ポン、と社長がポケットマネーで15万くらい置いていくよ。」

とか

「君はね、女を見る目がない。優しすぎるから、その優しさが、邪魔して、女を見抜けない。バツ2になる可能性が高いね」

(は??)

「結婚するなら、外国人がいい。アジア系じゃない。アメリカの、陽気な女性とかね」

もう、めちゃめちゃなことを言われた。

「私は、勉強して、その結果を君に伝えているだけだ」

と、まあびっくりするようなことを沢山言われた。
不思議な点は、おじさん(あ、先生と呼ぶのはやめた。おじさんや。)はニコニコしながら、これを言うのだ。だから、不快な気持ちには全くならない。

壺も、買わされることがなかった。一時間一万円のはずが、最後の客ということで、二時間くらい話した。

占い童貞だった私は、ここから、ズブズブとスピリチュアルの世界にはまることになる。(嘘)

ただ、占い師の人=詐欺師だと気持ち半分くらい思っていた私は、これを機に、少しばかり、人生の選択肢というものについて、思いを巡らせることになった。

サラリーマンとして、基本、定年まで勤めるつもりで入社した。しかし、時代は、変化している。

このまま、サラリーマンとして生きるのか。

違う人生だって、いいかもしれない。

今はまだサラリーマン(休職中)だが、人生は予測ができない。

そうして、私は1万円と引き換えに、変なおじさんとの出会いを楽しんだ。

あんまり、男性で、こういう経験した人って少ないか、公表しないんじゃないだろうか。


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