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聖学院高等学校のSTEAM教育実践レポート:色のかんかくストレッチ_02

BSSの2023年度カタログ巻頭ページにて、聖学院高等学校(東京・北区)で2021年度より高校課程に開設された「Global Innovation Class」でのSTEAM教育について、担当の先生方3名から伺ったお話を掲載しました。
記事の反響を受け、2023年度の聖学院高等学校のSTEAM教育の授業実践をレポートしていきます。

前回の記事 色のかんかくストレッチ_01はこちら▼

聖学院高等学校のSTEAM教育についての巻頭ぺージの記事はこちら▼

色のかんかくストレッチ③分類と分析

写真を分類する

日常の光景、休みの間の旅先での景色の中から自分の心が動いた「色」を見つけコレクションしてきた生徒の皆さん。撮影された「色」の写真、48枚をレーザーカッターでカード状に切り抜き、分類していきます。

この作業が初めてのレーザーカッターの使用。少し緊張しつつ、作業を進める生徒。

客観的なイメージにとらわれず、自分の感じた気持ちや感覚を言葉にして分類していく作業に苦戦しつつも、分類していきます。
STEAM教育を担当している聖学院高等学校の諸橋先生(理科)、山本先生(情報)+デザインのとびら、という強力なサポートを受け、気持ちを整理して引き出しながら分類を繰り返していく生徒の皆さん。

何度も言葉を磨いて分類していく生徒

とはいえ、次々と新しい見え方で見えてくるわけではありません。
思考と視点の迷路で頭を悩ませ、「これってこういう見え方もあるんじゃない?」とクラスメイトと意見を交わしていくなかで、『あ!見えたかも!』という気づきを積み重ね「新しい見え方」を増やしていきます。

生徒からはこんな声が寄せられました。

「当たり前に過ごしている学校をよく見回してみると、青い青春が広がっていて、気づいていなかったところにも色が広がっているんだなと思った」

「色というのは現象の中にもあるものだと気づいた」

多様な角度から「色」を見ることで、ひとつの色が持つ色のバリエーションや感じ方を発見した生徒は、物の色だけではなく、色がもつ印象を風景からも感じ取っていました。

写真の分類が終わったら、分類ごとに見出しをレーザーカッターで制作し、単語帳のようにまとめます。

「色」を分析する

自分の色の一冊が完成したら、分析シートで広がった見え方をまとめていきます。
このワークでの気づきや感想をまとめるだけではなく、例えば「お腹を空かして帰ってきたときに迎えてくれる優しい感じ」につける色名は「ただいま色」のように、自分の集めた色から感じた感覚・印象・雰囲気を言葉にし、色名をつけることで、自分の感じたことや感覚をさらにブラッシュアップします。

「色」を分析し言語化するという難しい作業ですが、分類作業と同様、根気よくまとめていきます。

4月下旬から始まった、色のかんかくストレッチ。
いつもと違う視点で「色」を見つめ、コレクションし、自分の感覚と向き合ってきた生徒の皆さん。

「いつもとは違う視点を持ち、その視点を深く考え気づきを得ることができた瞬間が興味深かかった」

様々な気づきを経て、自分の感覚を丁寧に磨き積み重ねてきました。その生徒の分析を山本先生や諸橋先生、デザインのとびらがフィードバック。さらに分析を繰り返し、展示発表へと準備を進めます。
次の記事では、生徒による展示発表、そして色のかんかくストレッチを通して成長した生徒の姿をご報告します。

色のかんかくストレッチ_03の記事はこちら▼

聖学院高等学校のSTEAM教育レポートはこちらから▼

聖学院中学校・高等学校
中高一貫教育を提供する私立男子中学校・高等学校。
2021年に高校課程に開設された「Global Innovation Class」では、「ものづくり」「ことづくり」を通して世界に貢献できるグローバルイノベーターを育成するため、Liberal Artsをベースに、STEAM、Immersion、Projectの3つを柱にした教育を展開。STEAMでは、教員が提供したものを生徒が受け取る提供型の授業ではなく、新しいデザインの手法や在り方、表現を模索するため、教員と生徒が一緒になって授業づくりをする共創型の授業を実践。

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