見出し画像

不安な気持ちを紛らわす【読書感想文】

元旦。
久々に家族4人で実家に集まって「孤独のグルメ」を観ながらお喋りを楽しんでいた。
急に緊急地震速報の音がテレビから流れて、少ししてから家が揺れた。
ゆっくり長くじわじわとした揺れ。
幸い震度4の地震が1回だけだったので、大きな被害はなかった。
そのあとはNHKの地震報道をずっと観ていたが、次から次へと出てくる情報に変な動悸と緊張と不安が込み上げてきた。
地震発生後から気持ちが落ち着かず、昨日もなかなか寝れなくて、そのままずっと本を読んでいた。
今は少し落ち着いたが、何か他のことをやってないとすぐに不安に飲み込まれそうになるので、読んだ本の感想をまとめてみる。
これ以上大きな地震がきませんように…。


大人になってやめたこと

できないことを手放すことは悪いことではない。
「こうでなくてはならない」と思う必要もない。
本に書かれていたやめたことが、私もここ数年でやめたことと同じだったので親近感を感じた。
歳を重ねると若い頃のこだわりや「これが当たり前」だと思い込んでいたことがだんだんどうでもよくなってくる。
作者の方は50代の方で私よりもさらに年齢を重ねている方だが、長い年月をかけて、自分に必要なものとそうでもないものを見つけてきたのだと思う。
私も自分にとっての心地よさを追求していきたい。

しあわせのねだん

作者の方が何にお金を使ったが綴られてるエッセイ。
「貯金が趣味だ」という人と作者の方が話したときに、その人の印象を「だって、その人中身がなんにもなかったのだ」と書かれているのを見て、自分もそう思われるような人にはなりたくないと強く思った。
貯金は大事だけど、財布の紐を締めすぎて、経験する機会を失って歳を重ねてしまうのは、ある意味不幸でもある。
前に「お金は紙ですよ。経験に変えて初めて価値がありますよ」と教えてくれ人がいたが、まさにそうかもしれないと思った。

さいごの毛布

年老いた犬を看取る老犬ホームで働く女性の物語。
自分の孤独と様々な事情で施設に預けられた犬の孤独を重ねながら、前を向いていく。
たまに犬や猫がいる生活に憧れることがある。
可愛いからという安易な気持ちだけでは飼えない。
責任を持って犬を最後まで面倒をみれるかどうかをちゃんと考えなければいけない。
命を預かることは相当覚悟のいることなんだと思った。
自分が病気とかになって飼えなくなったとき、私ならどうするだろうか。

赤と青とエスキース

若い頃に描いた絵が男女の仲を結び、その絵がいろんな人の目に触れ、まわりまわって描いた本人の手元に戻ってくるのが面白いと思った。
描いた絵が自分の知らない所で長い旅をする。
そしてその絵が縁を結ぶ。
お話の中に体調が悪いのに心療内科に行くことに抵抗がある女性が出てくる。
そんな女性に「脳の誤作動」だと「バカなのよ、脳って」となんでもないことのように病院に送り出す描写がとても好感を持てた。

ただいま神様当番

神様のむちゃぶりなお願いから、自分自身が抱いている不満や悩みを解決していく。
目の前に「自分は神様」と名乗る者が現れたらびっくりするが、よく分からない神様に振り回されている間に、自分を見つめ直すことになる。
些細な解決の糸口を見つけるきっかけを見逃すが、見つけるかはその人次第だが、結局自分が動かなければ、何も良い方向には進まない。
神様の喋り方が可愛かった。

月の立つ林で

タケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』の月に関する語りを聴きながら、自分と向き合っていく人たちの話。
今までの経験を活かせる仕事を探すことを決意した女性が登場する「誰かの朔」に少し勇気づけられた。
決まりそうだった全く未経験の仕事に不採用になったとき、落ち込みながらも安心した気持ちがとても共感できた。
新しいことを始めるのになんであんなに心が重くなるのだろうか。
すべてゼロから始めるのではなく、リセットという考え方もあるよという言葉が素敵だと思った。
タケトリ・オキナの正体も最後に分かって、そう繋がるんだ!とびっくりした。
自分の行動がまわりまわって誰かの助けになってるかもしれないと感じさせてくれた。

この記事が参加している募集

サポートして頂けたら、とても嬉しいです!励みになります!よろしくお願いします!