私のスペイン900km巡礼記 in 2023春 #17 【15日目】初めての雨の中の巡礼、メンタル直撃の強風を受けながらベロラドへ

ナガイ｜東京浅草の税理士

2023年4月22日 08:01

こんにちは、ナガイです。今日は初めての雨の中での巡礼です。
前回の記事はこちら。

天気予報（ベロラド）　曇り　最高気温16℃　最低気温5℃

6時起床。今日も距離がそれほど長くないので急ぐ必要はないのと、天気予報では6時台が雨予報だったため、ゆっくり準備をして7時に出発。

雨はまだ降っている。風は昨日と同じか、それ以上に強い。気温がそれほど低くないのがせめてもの救いだ。

一昨日も雨が降ったが幸いにもナヘラへの到着後だったため、バックパックを背負って雨の中を歩くのは今日が初めてだ。今回の巡礼で初めて上下のレインウェアを着用し、バックパックにもレインカバーを付ける。
日本から厳選したギアを持ってきたおかげで、雨の中を歩くのはそれほど苦ではない。ただし、雨は思ったより強く、カメラが濡れるのを防ぐために雨が降っている間は写真を撮れなかった。出発してから1時間ほど歩いたところで一旦雨が止んだが、しばらくしてから再び降り始める。

8時半にグラニョン（Grañón）の町を通過。この町の教会は古ぼけているがそこそこ大きく、風格があっていい。

町の出口付近にちょうど雨をしのげる場所があったので少し休憩する。朝食は昨日買っておいたハムのボカディージョと水。

町を抜けた先には雄大な風景が広がっている。朝食を食べながら前を通過していく巡礼者を眺めていると、みんな一様に立ち止まってレインウェアの下からスマホを取り出し、風景を写真に収めていた。一枚の写真を撮るためにガサゴソと手間取っている様子に何だか人間味を感じて微笑ましかった。

今日はとにかく風が強い。これぞ本物の巡礼だ、と言いたくなるところだが、スマホやレインウェアもなかった昔の巡礼を想像すると、その過酷さは比べものにならなかっただろう。我々は十分テクノロジーに助けられている。

9時半にレデシジャ・デル・カミーノ（Redecilla del Camino）の村を通過。雲が切れてきたので雨はしばらく大丈夫そうだ。

写真では切れてしまっているが、ここにある教会は入り口のファサードが美しかった。

町を抜けて車道沿いを歩いていると、横を通り過ぎるトラックがプッとクラクションを鳴らしてきた。ガードレールの内側を歩いており危なくはなかったはずなので、きっと「頑張って！」という声援だったのだろう。

日が出てきた。あれだけ暑くて憎かった太陽が今はありがたい。風は意地悪なほど強いままだが、歩くには気持ちのいい天候になってきた。

10時にカスティルデルガド（Castildelgado）の村を通過。

ここの教会は派手さこそないが、その慎ましい佇まいが好みだ。

風がちょっとした台風くらい強く、たまに体が吹き飛ばされそうになる。

10時半にビロリア・デ・リオハ（Viloria de Rioja）の村を通過。

村を抜けたところでリンジーが一人で辛そうに歩いているのを見つける。「大丈夫？」と声をかけると、どうやらここに来て初めて足にマメができてしまったそうだ。よりによってこのタイミングでは強風とのダブルパンチでさぞ辛いだろう。他愛もない話をしつつ彼女を励まし、「ブエンカミーノ！」と言い合って先を行く。

11時にビジャマヨール・デル・リオ（Villamayor del Río）の村を通過。村の入口付近にあるバルに実はずっと我慢していたトイレを見つけたので駆け込み、用を済ませる。

あまりの風の強さに時折「ゔー」とか「ゔあー」などと声を上げながら、体を押し戻されそうになるのに抗いながら歩みを進める。風のあまりの容赦のなさに、もはや笑えてくる。

12時にベロラド（Belorado）の町へ到着。町の入り口でまたも桜が出迎えてくれた。

今日は余裕があれば一つ先のトサントス（Tosantos）の村まで行こうと思っていたが、終始強風に吹きつけられたおかげで肉体的にというよりも精神的に疲弊してしまった。無理せず今日はここで泊まることにする。

アルベルゲに到着。一番乗りだ。13時受付開始のようなのでレインウェアを収納したりしながら待つ。

13時を少し過ぎてから受付開始。今日のアルベルゲは当たりのようだ。受付の際に4人用の小部屋17ユーロと大部屋13ユーロを選べたが、意外と狭い小部屋の方が気を使うことがあるので大部屋にした。

ここのシャワーのお湯は問題なく出るのだが、温度の調整ができず、時々熱くなりすぎるので浴びるのが少し大変だった。シャワー後、隣のベッドの男性に気をつけた方がいいよ、と伝えつつ少し話をした。彼はアメリカから来たブレンダン。WBCでの日本はすごかったね！と言ってもらえたが、野球に疎いため話を広げられず申し訳なかった。