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私のスペイン900km巡礼記 in 2023春 #24 【22日目】巡礼後半スタート、レディゴスで足の爪に異変発生〜Mさんと3度目の再会

こんにちは、ナガイです。今日はカリオン・デ・ロス・コンデスからレディゴス(Ledigos)へ向かいます。
前回の記事はこちら。

天気予報(レディゴス) 強風 最高気温21℃ 最低気温6℃

5時に起床。体調は悪くないが、何となく最初の頃のようにガバッと起きて、さあ行くぞ!というテンションにはならない。さすがに約40km先のサアグンに行けるコンディションではなさそうなので、ベッドの上で改めて候補地を考える。
当初の計画では26.2km先のテラディジョス・デ・ロス・テンプラリオス(Terradillos de los Templarios)まで行く予定だったが、Bookimg.comを見てみると手前のレディゴスという村に良さそうなアルベルゲがある。
20ユーロと通常のアルベルゲと比べると少し高いが、この辺りはアルベルゲが少なく、フロミスタで私営のアルベルゲがどこも予約で一杯だった経験も踏まえて、今日はここのアルベルゲを予約しておくことにした。レディゴスなら明日少し長めに歩くだけで当初の計画に軌道修正できるので、今日はレディゴスを目的地にしよう。
そうと決めたら今日はそこまで急ぐ必要もなくなったので、二度寝して6時に起床。ペレグリンに「後半戦楽しもうね」と言って6時半に出発。

外はまだ暗い。昨日までと比べると寒さは少し和らいでいるように感じるが、まだ朝のうちは手袋が必要だ。橋を渡って町を抜ける。

まだ少し乾いた咳は出るが、喉の痛みはなく、体調はほぼ元通りになってきた。

街灯が少なくなっていき、やがてなくなる。しばらくは薄明かりの中を矢印を頼りに歩く。

今日も変わり映えのない景色を見ながら歩く。朝はまだ日の出というイベントがあり、空の色が変わっていくのを楽しめるのでいいのだが、日が昇り切ってからは他の巡礼者と会わない限り変化がないので辛い。ちなみに、巡礼者によってはブルゴスから次の大きな都市レオン(León)までの間をスキップする人もいるらしく、またMさん曰くこの辺りから巡礼の過酷さについていけずにドロップアウトする人も出てくるそうだ。確かにそういったこともあってか、道中ですれ違う巡礼者が少なくなっているような気がしなくもない。さらに、途中で通過する町や村の家並みや教会を見たりするのも気分転換になるが、特に今日はカリオン・デ・ロス・コンデスから17km、つまり3時間以上歩かないと次の村がないという実にストイックな日だ。

1時間ほど歩いたところに休憩できそうな場所があったので、用を済ませがてら昨日の夕食用に買ったバゲットの残りを食べる。ベンチに座って食べているとデービッドとピーターが後ろからやってきたので挨拶を交わす。

休んで体が冷え切ってしまったが、8時を過ぎた頃から日差しが出てきて体がジワーッと温められていく。

8時半前にフードトラックの前を通過。このフードトラックはカリオン・デ・ロス・コンデスと次の村であるカルサディージャ・デ・ラ・クエサ(Calzadilla de la Cueza)の中間地点にあり、巡礼者にとっては貴重な休憩ポイントだろう。デービッド達も休んでいる。自分は休憩したばかりなので通り過ぎて先を行く。

今日は調子がいい。昨日までは体調不良もあり歩くのが辛くて仕方ないという感じだったが、今日は久々に歩いていて楽しいと思える。

10時過ぎにカルサディージャ・デ・ラ・クエサの村へ到着。少し調子に乗って飛ばしてしまい疲れたのでバルで休憩する。

ハムとチーズのボカディージョとアメリカーノを注文。6.50ユーロ。

このボカディージョのハムとチーズが好みの味でおいしかった。昨日同じアルベルゲに泊まっていた面々も続々とバルに入っていく。人々の賑わいを嗅ぎつけて猫たちも集まってくる。

たっぷり休憩を取って11時前に再び出発。

体力を回復してさらに調子が上がるのが分かる。ゾーンに入るような、どこまでも歩けるような気がする、そんな感じだ。

12時前に今日の目的地レディゴスに到着。もう少し歩きたかった気もするが、病み上がりなので少し物足りないぐらいがちょうどいいだろう。

12時に予約していたアルベルゲへ到着。どうやら最近オープンしたアルベルゲらしく、今のところ泊まった中では一番モダンでおしゃれなテイストだった。ただし、個人的な感覚では部屋の大きさに比べて収容人数がやや多く、あまり空気の通りもよくなかったので過ごしていて少し息苦しさを感じたのは否めない。

間もなくして自分の後に到着したらしい巡礼者が階段を上がってくる。Mさんだ。Mさんは当初泊まろうと思っていた一つ前のカルサディージャ・デ・ラ・クエサに早く着きすぎたそうで、やはりもう一つ先のレディゴスまで足を伸ばすことにしたそうだ。自分もレディゴスに泊まることを決めたのは今朝なので、さらに同じアルベルゲに泊まることになるというのはまずまずの偶然だ。

シャワーを浴びて洗濯をする。洗濯機は基本的に有料のため、毎日の洗濯は手洗いで行っているが、今日もいつものように洗っていると靴下の中に何やら固いものが入っているのに気づく。小石かな?と思って取り出してみると、それは足の爪だった。ギョッとして自分の足元を見てみると、確かに右足の人差し指の爪が無くなっている。爪が剥がれるとか拷問でやられるやつじゃん…と思いながらも、爪は一気にではなく徐々に剥がれていったようで出血などはなく、幸い痛みもなかった。ちょうど前半が終わるまで持ち堪えてくれた自分の足の爪にご苦労さまと言いたい気持ちだ。
洗濯が終わり部屋に戻ってから少し昼寝をする。寝ている間にも続々と他の巡礼者が到着して部屋に入ってくる物音が聞こえる。

15時過ぎにアルベルゲの一階に併設されているバル兼レストランに行く。お腹の調子が微妙なので軽く食べようと思い、パンとカフェコンレチェを注文。3.30ユーロ。

外のテラス席で優雅に過ごそうと思ったのだが、大量の猫が食べ物を狙ってやってくる。大抵の猫は机の下や足元をグルグル歩き回る程度なのだが、ここの猫たちは机の上に飛び乗って襲いかかってくる。普通に食事できないレベルだったので逃げるように中の席へ避難して食べた。

それからアルベルゲの中庭でゆっくり過ごし、18時半にレストランのディナー営業が始まるので再びMさんと一緒にご飯を食べることになった。一皿目はポテトと海鮮のスープ、二皿目はグリルチキン、デザートはライスプディングをチョイスした。水とパン込みで14.50ユーロ。特に一皿目のスープは家庭的な素朴さがありながら、エビや貝などの海鮮のダシがよく出ていてとてもおいしかった。Mさんが選んだレンズ豆のスープもおいしそうで、「レシピを教えてもらいたいくらいですね」などと言いながら楽しく食事をした。

レストランを出て裏庭を通って階段を上がり、ベッドがある部屋に戻る。一つの建物の中で食事も睡眠も済ませられるというのも考えてみれば贅沢なことだ。21時就寝。

歩いた距離
今日23.4km 合計395.6km 残り384.8km

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