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カナダの香料(化学物質)への取組

注釈


労働環境の無香料政策

カナダにおいて、労働安全衛生関係の活動の中心的な役割を担っているカナダ労働安全衛生センター Canadian Centre for Occupational Health and Safety (CCOHS) から、職場環境における無香料政策についての提言が出されています。

カナダでは、人権法の下で、職場での香料への対応が成されるべきであると提言しています。また、香料に限らず、無香料の製品含め多岐に渡る化学物質に感受性の強い方々がいることから、香料以外の化学物質の使用にも留意するように言及しています。

限りなく少ない量の香料製品に含まれる化学物質などに晒されることによって、化学物質過敏症、化学物質不耐性、環境過敏症、環境病、毒性起因耐性喪失症などの環境過敏症だけではなく、アレルギー、喘息、肥満細胞症などを引き起こすことがあります。健康への影響はとても深刻なものになり得ます。

雇用主は、環境への個人差があることを認識した上で、できる限り積極的に、このような状況に関して、職場の基準や指針に組み込んでいくべきとあります。


当事者が表に立つ必要はない

全ての人権に関する問題に関して、当事者が表に立つ必要はなく、問題解決にあたっても、当事者を特定する必要はないとあります。

このような働きかけは、人事部、上司、経営陣、組合、または、組織の指針によって行うことができ、環境的な過敏症に苦しむ当事者が、個人的に表立って働きかける必要はありません。


職場の無香料指針実施の手順

カナダ労働安全衛生センターより、職場での無香料を実施するための手順が示されています。また、上記に記載したように、人権の配慮から当事者が表に立つ必要はありません。

問題の範囲を判断するための調査を実施します。同時に、意見や提案を集め、職場に適した指針作成に役立てます。

指針のプロジェクトを監督するキーパーソンを決めます。もしくは、従業者、組合、経営陣を含む職場の全ての組織を代表する委員会を作ります。

安全衛生委員会、または、労働者代表機関と繋がり、委員会発足から経営陣に参加してもらいます。

指針の作成、見直し、実施のための期限を設定し、それを守ります。

従業者の教育をしましょう。
健康への懸念と、なぜこの方針が必要なのかを全従業員に知らせることが目的です。

方針が効果を得るまで、全従業者に方針を十分に説明し、全従業者が何をしなければならないかを把握していることを確認しましょう。

従業者から寄せられた懸念には、率直かつ誠実に対応しましょう。

この方針は、単に特定の香りが嫌いという理由ではなく、医学的な観点から実施されていることを強調しましょう。

この方針が、全ての人(訪問者、患者などを含む)に適用されることを明確にしましょう。

成功させるためには、全員の協力が不可欠であることを明確にしましょう。

香りをつけている人が何をするかを明示しましょう。(例:洗うか取り除く、着替える、別室にとどまる、など)

現地の法令を検索し、裏付けとなる資料を探しましょう。

多くの建材、クリーニングやパーソナルケア製品にも香りや化学物質が含まれています。香水などに限定してはいけません。

使用を認められる製品のリストと地元で入手可能な場所を掲示しましょう。

現在使用している製品、および使用を検討している製品の安全データシートをすべて確認します。無香料を謳う製品の中には、匂いを隠すために追加の化学物質を使用している場合があることに留意しなければなりません。

製品は大量に購入する前に、限られた地域で試用しましょう。

工事・改装、ワックスがけ、シャンプー、塗装、スプレーなどを行うことを事前に告知し、影響を受ける従業者が業務を変更したりできるようにしましょう。

この方針のポスターの内容と掲示場所を決めましょう。建物の入り口付近に設置します。また、来客が多い場合は、名刺や手紙、販促物などに記載することも役立つでしょう。

方針は見直され、経験や新しい知識によって変更される可能性があることを全員に知らせましょう。


参照サイト

Canadian Centre for Occupational Health and Safety (CCOHS)

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