【卒制】夜の闇も虹色に輝くこの世界で『燻し銀の花』0~6章まで更新🌸次回完結!
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🌸燻し銀の花 ――『揺るぎなき夢』の大切さ――
6章
涙の創痕・虹色に輝く闇・永遠の命題に終止符を
この夜を自力で乗り越えるべきだ。
何もしなくても人生は過ぎ去っていく。それは甘えだ。大学院に進学もしない。就社も自分に合っていない。新人賞も獲っていない。二次選考にも載ったことがない。
たとえ、この夜が明けたとしても卒業後の未来には何もない。
無防備な人間を見ると無性に守りたくなる。本当に無防備な人間は、このボクだ。
枕が呼んでいる。
頭をつけて目を閉じたら夢に落ちて朝に行ける。今なら眠れそうだ。
枕元に置いた水筒を持ち上げる。毎日、健康のためにティーパックの麦茶を二リットルも飲んでいた。
口をつけて三秒ほど飲んだけど、味はもう感じない。冷覚と常温特有のまろやかさだけが舌に触れてノドを通っていった。
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