原宿でクレープ食べてる自分が可愛いだけ
誰か私の思い出話に付き合って欲しくて、こんなことを書く。
パンケーキが流行った時、
「パンケーキ食べてる自分が好きなだけでしょ」とか
「流行ってるから食べてるだけでしょ」
とかいう意見がネット上にはたくさんあった。
リアルでもそういう声をよく聞いた。
私が大好きなバンド、Suchmosの歌詞にも
「並ぶためにパンケーキ食べて」
というフレーズがある。
『GAGA/Suchmos』
私はそういう人たちがとてつもなく羨ましかった。
心の底から憧れていた。
ちょっと前のnoteにも書いたが、
私は卵アレルギーなのだ。
もっと言うと、果物アレルギーでもあるし、動物アレルギーでもある。
だから、女の子が夢中になるような甘いものは総じて食べたことがなかった。
給食は大変困った。
アイスクリームだけは食べられた。
理由はわからないけど、あまり症状が出なかった。
だけど、ハーゲンダッツとかレディーボーデンとかそういう高いアイスクリームは未だに喉がイガイガする。
だから食べない。
アイスクリームは毎日冷蔵庫にストックしていて、お風呂上がりに食べていた。
私にとって“甘いもの”は、「お風呂上がりに食べるもの」であり、
友達と遊びに行って仲良く食べるものでもなく、
誕生日に食べれるものでもなかった。
可愛いお洋服を着て、甘いものを食べて、街を歩く、
そんな普通の女の子になりたかった。
その夢を大人になってようやく叶えた。
体が育ってアレルギーに耐性ができたからなのか、食べても少しの症状で治まる食べ物が少しずつ増えてきた。
クレープも、パンケーキも、ケーキも、プリンも食べられるようになった。
嫌な思いをしないで、生クリームも堪能できる。
だから、「kawaii」の聖地原宿で、好きなお洋服を着て、大好きなCandyStripperに行って、帰りにクレープを食べている瞬間がこの上なく幸せなのだ。
「今、私は、女の子の人生を生きている」と強く感じる瞬間。
クレープはそもそも美味しい。
あんな食感のものは食べたことがなかった。
生クリームの甘さは他には代えられない、麻薬みたいだ。
それを抜きにしても、
原宿でクレープを食べてる自分が大好きだと思える。
バカな女、かもしれない。
子供染みてるかもしれない。
だけど、そんな女の子にずっと憧れていた。
高い家賃を払って、それでも東京に住んで、
その価値は、この瞬間のためにあると言っても過言ではない。
私は大人になってたくさんの夢を叶えている。
◼️動物園に行く
動物アレルギーだから、動物園もほとんど行ったことがなかった。
ペットも飼えなかった。
日常で動物と触れ合っていなかったからなのか、動物への愛着は生まれなかった。
「動物園なんて行って何が楽しいんだろう、デートの定番だからってだけでしょ」とか思ったりしていた。
だけど、動物園デートに行く普通の女の子に憧れていた。
だから大人になって、年に4回くらい動物園に行くようになった。
最初は、動物が見たくて行っていたわけじゃなく、動物園に行く自分が好きで行っていただけだったけど、
今ではすっかり動物好きになってしまった。
念願の、本物の羊に触ることもできた。
いい夢が見れそうなくらい、ふかふかだった。
また会いたいなあ、羊。
◼️スカートを履く
アレルギーだけじゃなくて、皮膚の病気もあった。
だから子供の頃、年中体は包帯でぐるぐる巻きだった。
日の光が肌に悪いからと、肌を露出するお洋服は着られなかった。
そんな現実を受け入れるために、
「スカートを履けないんじゃない、あんなぶりっ子みたいな格好したくないだけだ!」と子供ながらに自分を納得させていた。
だけど、スカートを履く普通の女の子に憧れていた。
だから大人になって、とびっきり可愛いお洋服を着るようになった。
憧れの街原宿に本店を構えるCandyStripperで可愛いお洋服を買うのだ。
手脚の傷はちょっとだけ気になっちゃうけど、それは人で溢れる東京だ。
私みたいな一人の人間、誰も気にしちゃいない。
東京のそういうところが好きで、住んでいる。
地元だったら、こんなお洋服着れなかっただろうなあ。
まだまだ叶えられてないこと、たくさんある。
水泳の授業はいつも見学だった。
日の光は肌に悪いから。
だからナイトプールに行ってみたいな。
卵、ちょっとは食べられるようになったけど、
卵白が手につくとかゆくなっちゃうからあんまりちゃんと卵料理を作れてないなあ。
いつか卵をたくさん割って、マフィンでも作ってみたいなあ。
アルコール消毒しても手がかぶれないようになるといいな。
お酒を飲んでもかゆくならなくなるといいな。
いつでもコンタクトつけられるようになったらいいな、それは難しいから、お金貯めてICLでもしようかしら。
ずっと指輪つけててもかぶれない綺麗な手になりたいなあ。
そばはきっと一生食べられないだろうなあ。
いや、どんだけアレルギーあんのって話。
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