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プロジェクトチームは途中 必ず荒れる?」

私はプロジェクトのリーダーに縁があり、約40年間のビジネスマン人生の中で、

電子マネーPASMOや、東京スカイツリーを始めとして、多くのプロジェクトにかかわってきました。

その中で感じる事は、「プロジェクトチームは途中 必ず荒れる?」という事です。

実は、私の中学時代の友人に大工の棟梁がいます。

彼は家を建てる時、その都度大工さんや設備屋さんなど、チームを編成するそうですが、そしてその経験から、

「チームは途中 必ず荒れる」と話していました。


アメリカの心理学者のタックマンも、チーム形成の理論の中で、チームは、

①成立期

②動乱期

③安定期

④遂行期があり、

大工の棟梁の言う通り、チームが荒れる時期、②の「動乱期」があると言っています。


プロジェクトリーダーの失敗の原因とは

私はリーダーとして不慣れな頃、そのことが分からず何度も苦い経験をしました。

それはどのような失敗だったのでしょうか?

結論から言えば 、チームが「動乱期」に入り、せっかく議論が深まりつつある時に、

単なるメンバー同士のいざこざと勘違いして、それを調整に入ったり、議論を先送りしたりと、よけいな動きを必要以上にしてしまい、

はれ物に触るような対応をしてしまっていたのです。

プロジェクトチームが花々しくキックオフした後、

間もなくメンバーの考え方や、仕事の進め方、所属している組織の立場の違いなどから、メンバー同士のぎくしゃくが始まります、

そして、意見の対立や、メンバーが感情的になる場面が発生してきます。

まさに「動乱期」に入ったサインです。

リーダーとして不慣れな頃の私は、

これに気づかず議論が白熱してくると、はらはらして、ぶつかり合いを避けようと、仲裁に入ったり、

議論を円満に収めようと、はれ物に触るような対応をメンバーにしてしまっていたのです。

これが最大の失敗でした。

というのは、せっかくチームに、問題解決能力が高まるチャンスが来ているのに、

チーとしての大切な議論や、避けて通れない本質の課題が起こっているのに、

人間関係がうまく行くことだけを念頭に、リーダーとして水を差す行動を繰り返していたのです。

プロジェクトチームは、そもそも 「現状を打破」 し 「組織に革新を起こす」ことが求められています。

この荒れている状況にこそ、チームが強くなれるチャンスであり、

この「動乱期の議論が」必要不可欠なプロセスなんだと分かってからは、ずいぶん気が楽になりました。


有効なぶつかり合いを、リーダーとして演出する


そして、この動乱期は、リーダーの「がまん」 「胆力」の見せどころだと割り切り、

「傾聴力」を最大限働かせ、メンバー同士の本音の議論 「ぶっちゃけ話」のできる環境、つまり「安全・安心・ポジティブな雰囲気を作る」ことを心掛け、

あえて違う意見や考え方を持つメンバーに、十分意見を述べてもらうように働きかけるようにしました。


まさに良い意味でのぶつかり合いを、リーダーとして演出したのです。

その結果、メンバーがそれぞれの所属部門の立場を超えた、一つのチームとして、より深い関係性を持ち、強いチームに成長して行けるようになりました。

「雨降って地固まる」という言葉がありますが、まさにチームメンバーは、激しい議論を通して、始めて

チームのゴールイメージを共有し、結束力のある強いチームになれるのです。

「チームは一度は荒れる」大工の棟梁の言葉は真理であり、

プロジェクトリーダーはその時、どう行動するかが問われるのだと思います。

私のやっている、リーダー実践力育成「大垣塾」でも、「強いチームの作り方」というテーマで、

1日をかけて、私の経験した数々のプロジェクトチームの成功や失敗の要因を整理し、プロジェクトマネジメントについて、ストーリーで深く学んでいただいております。


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