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スマブラステージ【AD.1749.蜘蛛と老木】

 蜘蛛(クモ)は鋏角類に属する肉食性の動物です。最大の特徴は腹部から糸を出すことで、獲物の捕獲、糸を伝って移動、巣作り、糸の振動によって異変を知らせるセンサーとして用いるなど幅広い用途に使用されます。

丸い球は、大量の卵を糸で包んだ卵嚢(らんのう)


 クモは環境への適応力が高く、生まれたばかりのクモは風に乗って空を飛んで拡散するので、南極と北極以外のあらゆる陸地に生息します。

 蜘蛛は人にとって害虫を食べてくれる益虫でもありますが、肉食性で、糸を使いこなし、種類によっては強い毒を持つクモは古来から人々に恐怖の印象を与え、世界中で蜘蛛の怪物が伝承されることになりました。

 日本でも蜘蛛の怪物が登場する話は多く、有名なものでは人形峠(岡山県と鳥取県の県境)の人食い蜘蛛の話や、蜘蛛が美しい女に化けて人を食う絡新婦(女郎蜘蛛)、源頼光が巨大蜘蛛の妖怪(土蜘蛛)を撃退する話などがあり、土蜘蛛退治の話は14世紀に軍記物語「源平盛衰記」や絵巻「土蜘蛛草子」、16世紀には能楽「土蜘蛛」など様々な媒体(メディア)で取り上げられます。
 蜘蛛に限らず、昔の日本では生まれてから長い年月がたった動植物や道具には魂が宿り妖怪に化けると考えられていました。

人食い蜘蛛が迫る!

 妖怪の話は、中世には全国を旅して回っていた琵琶法師によって語り継がれました。江戸時代には人が集まり怪談を披露しあう百物語が流行して怪談の創作が活発になり、さらに出版業が盛んになったことで妖怪の絵が描かれた本や浮世絵が多数出版されるなど、様々なメディアによって庶民にとって妖怪は身近な存在になっていきます。

 妖怪が身近な存在になるということは、恐怖の対象よりも娯楽の対象に移り変わるということでもあり、1788年に出版された草双紙(娯楽本)の夭怪着到牒には「世に言ふ妖怪は臆病より起こる我が心を向こうへ表わして見るといえども」とあり、横井也有(1702~1783)は「化物の正体見たり枯れ尾花」という俳句を残しているなど、都市部の文化人は本気で妖怪を信じていたわけでもなかったことが伺えます。

 このスマブラステージでは巨大蜘蛛が糸によって上下に動くギミックを搭載しています。

蜘蛛の牙(鋏角)に触れるとダメージを受けて吹っ飛ばされ、

蜘蛛の腹部の上に乗ったままでいると、蜘蛛が上がり切ったときに場外に押し出されてしまいます。

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