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小説家は顔出しすべきか

小説家の中には、素顔やプロフィールを公開している人と非公開にしている人がいます。感覚的には、若者が多いラノベ作家は非公開の方が多く、エンタメ小説の人は素顔を公開している人が多い気がします。

昨年商業デビューしたときに、僕は素顔を公開しました。素顔を晒すのに多少の躊躇いはありました。客観的に見て、人様に出すような顔じゃないですからね。
もうひとつ躊躇った理由は、出版した「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」が高校生の男女の物語だったからです。
おっさんが若者の恋愛物語を書いていると知って、興醒めする人もいるんじゃないかと懸念したわけです。

だけど、テレビニュースや新聞の取材を受けるのに顔を出さないわけにはいきません。無名の新人作家の本を手に取ってもらうためには、メディアへの露出は重要です。テレビや新聞で本の内容を説明して、作者である僕のことを知ってもらえれば、興味を持ってくれる人もいるんじゃないかなと思いま顔出しすることにしました。
おっさんが書いていることがバレるのと合わせてプラスになるかわかりませんでしたが、本を手に取ってもらえる可能性が少しでもあるなら、チャレンジすることにしました。
その結果、朝日新聞やテレビのニュースで取り上げてもらえました。

僕の場合、会社員時代も仕事の関係でメディアに何回か露出していたので、顔バレすることに抵抗はありませんでした(本の売り上げへの影響は気にしましたが)。

SNS全盛の世の中、特に兼業している人は顔を出したくない気持ちもわかります。顔出ししたからって、興味を持ってもらえるとは限りませんし。

7月18日配本になる「夏のピルグリム」は、13歳の少女が主人公です。作者である僕との年齢差は「ふたりの余命」の登場人物よりもさらに離れています。そのことを気にする人もいるかもしれません。
どうして、そんな若い主人公にしたかというと、僕の娘が執筆当時それぐらいの年齢で彼女にあてた物語を書きたかったからです。

そのことを知らないと、「おっさんがなんで?」と思う人もいるでしょうね。執筆の経緯を知ってもらうためにも顔を出して、説明した方がよいかもしれません。
それだけが理由ではありませんが、ポプラ社さんの方で無料オンライントークイベントを開いてもらうことになりました。
もしよかったら、ご参加くださいませ。

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