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ホワイトな学校へ#5 その3  会議を減らす~各種会議を減らす②

お待たせしました!


会議を減らす、その秘策は、

常置部会と四委員会のメンバーを同じにすること
え、なんだ、そんなこと!
常置部会=研究推進・生活指導・特別活動・体育
四委員会=学力向上・特別支援・情報教育・健康
このメンバーを、研究推進=学力向上、生活指導=特別支援、特別活動=情報、体育=健康、とする。

こうすれば、毎月2回設定する会議を、1回に減らすことができる。だったら、中身も合わせてしまえば、と思うだろうが、それをやらないのがみそ。中身は分けたまま、部長と委員長を違う人にする。長一人当たりの管轄は狭い方が徹底できる。
実は、仕事の量も部会・委員会で差がある。統合してしまうと、そのあたりがうやむやになるので、統合しない方がいいと思う。

そして、すべての分掌を校長が決める。
はて?先生たちが話し合って、自分たちで決めればいいのでは?
なぜ、任せられないの?
自分のやりたい仕事ができないの?

私が教員になった頃には、4月になってから各島の先生方で話し合って分掌を決めていた。一見民主的のように見えるが、仕事が偏る大きな要因になる。
そして、校長が決める最大の理由は、校長には、計画的に人材育成をしなければならない職責があるからである。

管理職の仕事として大きな比重を占めるのが、人材育成
例えば、初任者が着任したとして、同じ学校にいられるのは6年間。その6年間で、すべてとはいかなくてもいくつかの仕事を経験し、どれを任されてもある程度はできるようにして、次の学校に送り出さねばならない。自分の得意分野などもわかってくると、今後の進むべき方向性が見えてくる。
中堅の先生であれば、今後のキャリアアップを見据えて、いずれの分野でスキルアップしていくのかを考慮し、その力を伸ばしていかなくてはならない。
管理職には、その責務がある。
また、校長は、学校における教育活動全ての責任を負う。その覚悟をもって日々の仕事に臨んでいる(そうは見えないかもしれませんが、そうなんです!)。自分が責任を負うに足る人的配置は、やはり自分自身で行うほうがよい。

そこで、私は、着任した年の9月に、次年度はすべての分掌を校長が決めることを予告した。その代わり、会議を減らすことを約束した。
ただし、先生方の前向きな希望は極力聞く。(前向きな希望とは、「◎◎を担当したい」というもの。後ろ向きな希望とは、「××はやりたくない」という類のもの。)
そして、翌年から実行した。

しかしこれは、実際、至難の業なのである。
先生方の前向きな希望を生かしつつ(といっても、幸いなことに一任してくれる先生が多いのだが)、まず、学年配当を考えながら、育成計画を考慮していく。部長・委員長を決め、しかも、先の部会・委員会に各島から一人ずつ入るようにせねばならない。詰将棋、いや、数独か?
パズル系が大好きな私でも、数か月は悩む。
1校めは、1学年につき3学級ベースだったので比較的組みやすかったが、2校めは、1学年2学級ベースなので、手詰まりになる。どうしても希望に添えない場合は、個別に相談させてもらうこともある。
そして、異動も絡んでくる。どのような人が来るかわからない状態で、大まかな分掌を決め、新たに異動してくる先生方と面接したあとに決心して、3月の修了式の後に、次年度の人事を発表する。

再掲!

余談

発表には、この表を使う。予めパスワードを設定しておき、人事の発表の後にパスワードを伝える。なぜ、パスワードを?それは、最初からこの表を見せてしまうと、私の話を聞かなくなるから。
そして、パスワードも、お楽しみの一つ。「4649(よろしく)」「7100141(納豆おいしい)」など、絶対に当てられないものを考える。
(´∀`*)ウフフ
先生方は、毎年の修了式後の人事発表を、イベントのように楽しんでいるように感じる。誰がいずれの学年を受け持つのか、いずれの長を任されるのか。それぞれ予想表を作って、いくつ当たるか楽しみにしているようだ。今は状況的に不可能だが、この時期になると、教頭は先生方からやたらと飲み会に誘われていたようだ。校長が、教頭に相談しながら決めていることをわかっているから、何か情報を聞き出そうという魂胆だ。
当時の教頭は、飲むと口が軽くなるタイプだった。教頭は、「先生方からの飲み会の誘いは、すべて断りました!」と辛そうに言っていた。
自分に自信がなかったのですね( ´∀` )

会議時間を減らす

ここで、問題になるのは、会議の回数を減らしたとしても、その分時間が延びたらたら同じだということ。
そこで本校では、企画会と同じように、すべての会議時間を15分に設定している。15:30~45または、16:30~45のいずれかで行い、休憩時間には設定しない。
しかし、担当者が何も準備をせずに部会・委員会に臨み、「どうしましょうか・・」から始めたら、いくら時間があっても足りない。
これについては、それぞれの部長・委員長が少し気をつけることで、解決できる。それは、進行管理と検討事項の焦点化である。職員会議のスリム化で述べたように、大幅に変更するのでなければ、実は確認すべきことは多くない。部長・委員長が担当者に準備させ、担当者は、どこを検討するか明確にしておけばよいだけだ。仮に、大幅に変更したい場合でも、担当者がそれなりの資料を準備しておけば、そして職員会議のスリム化で述べたように、根回ししておけば、部会・委員会自体は時間をかけずにすむ。

実際は、15分で済まないこともあるし、1回では終わらないこともあるようだが、その時は、「すみません…」と、お互い気を遣いながら集まっている。この、気遣いが大切。
「お互いの時間を無駄遣いしない」その気持ちが、時間短縮につながる。

さて、残った特別委員会は、シーズンものなので毎月1回の枠は一応取ってあってもオンシーズンでなければ行われないこともある。もちろん、すべて会議時間は15分の設定である。
入学と卒業は、いずれも主に2学期後半から3学期。担当者は完全に分かれている。
体育的行事は運動会のことで、主に1学期。常置部会の、生活指導部と体育部が担当することにした。
文化的行事は、いわゆる音楽会・学芸会・展覧会のことで、地区によって違うが、概ね毎年ローテーションでこの内の一つを行っていて、主に2学期。常置部会の、特別活動部と研究推進部が担当することにした。(この文化的行事、結構な負担感の元なのだが、実はこれも改革した。この話は、また別の機会に!)
メンバーがかぶっていないので、毎月の常置部会・四委員会のとき、同時に行うこともできる。

斯くして、会議の回数、時間の半減は実現できました。実現させるためには、校長として着任した1年めが勝負です。
先生方の負担を減らすために、ものすごく努力しているように思えたかもしれませんが、それが校長の仕事なのだと私は思っています。

次回は、「その4 会議を減らす…付け足し 年度末反省・新年度計画の職員会議もスリム化」です。


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