見出し画像

ホワイトな学校へ#4 その3  会議を減らす~各種会議を減らす①

…ための、公平感のある校務分掌

先生方の負担を減らすときに、気を付けるべきは、子供たちの教育活動の質を落とさないということ。
行事などを何でもかんでもやめてしまったら、先生方の負担は減るかもしれないけれど、教育の質は下がります。それぞれの教育活動には意味があり、教育的ねらいがあります。
子供たちのための学校です。教育の質は落とせません。
教育の質を落とさず、先生方の負担を減らす、その間隙を縫って改革していくのです。


さて、学校には校務分掌といって、様々な業務があり、先生方は、授業をするだけでなく、これらの業務を分担している。
現在の本校では以下のとおり。
常置部会=研究推進・生活指導・特別活動・体育
四委員会=学力向上・特別支援・情報教育・健康
特別委員会=入学・卒業・文化的行事・体育的行事
それに、教務事務と各教科・教科外を分担する。

実は、現任校に着任した当時は、このような形ではなかった。
各種会議を減らすためには、まず、分掌を整理する必要がある。着任してすぐにとりかかったのが、この分掌の整理である。
形骸化してあまり仕事がないもの、同じような内容の仕事が分散して別々に担当がいることで煩雑になっているもの、今日的な課題で仕事が急増しているもの。それらを、半年かけて見直し、3学期までに提示して、新たな分掌を元に次年度の教育計画を編成する。

誰が何を分担しているか、こんな感じの樹形図のような表にしている学校が多いと思う。(縦のバージョンもある。)

雰囲気だけ見てください…

これのいいところは、起案のルートがわかりやすいところ。右から左へ回していけばいいのです。

起案とは?

ここで、前回あたりから登場している「起案」について補足します。起案とは、校長決裁を受けるために作る文書、企画書のことです。担当者が作成し、回覧用のゴム印を押し、主任、主幹、教頭と回覧して最後に校長が決裁します。前回も書きましたが、この文書の精度が高ければ、職員が動きやすいのです。不十分なところが多いと、途中で担当者に戻されてしまうこともあります。先生方の中には、「スタンプラリー」と言って(楽しんで?)いる人もいます。
省庁などでは、電子起案、電子決裁を取り入れていることも多いと思います。
本校の文書起案の決まりごとは、以下のとおりです。

まさにスタンプラリー!

閑話休題(話を元に戻します)

先ほどの写真の樹形図は、現在の分掌に合わせて私が作ったものだが、実はこの樹形図では、先生方一人一人がどれくらいの業務を分担しているか、負担の量がわからない。
そこで作成したのは、人毎に何を分担しているかがわかるような、表である。以下は、私が着任した当時の状況。

一目瞭然。
ずいぶん、横長になってしまった。何となくわかると思うが、人によって、教科や教科外を三つ四つ担当している人、一つ二つしかない人。教務事務を二つ三つ担当している人、一つしかない人。それぞれの教科や教務事務によって、仕事量に差があるので、一概に2倍3倍になるわけではないが、不公平感が漂う。特に、一番上に★をつけた先生は、特別活動主任を担当し、さらに「特支」に色がついている。これは「特別支援教育コーディネーター」のこと。つまり、今日的な課題に対応する特別支援教育コーディネーターが、教科外の一つとしてさらっと割り当てられているというわけだ。不公平感が漂う・・・。

これを整理して、翌年からこうした。↓↓↓

これは今年度バージョン

だいぶ、すっきりしたのがお分かりいただけるだろうか。
先生方は、常置部会の中の一つ、四委員会の中の一つに所属する。いずれの部会、委員会にも、低学年、中学年、高学年、専科(これを業界用語で「島」と言う)から1名入るようにする。また、特別委員会は、文化的行事か体育的行事のいずれか、入学か卒業のいずれかに所属する。
教務事務も、だいたい二人ずつ割り当て、一人当たり1種類を受け持てばいいように、種類を減らして整理した。
もちろん、仕事によって軽重はあるのだが、分担されている数としては、公平感があると思う。右の枠外には、授業の持ち時数も示した。
このように、仕事量を見える化することで公平感をもてるようにすることが重要だ。

そして、このように体制を整えた上で、
いよいよ次回は、「その3 会議を減らす~各種会議を減らす②」・・・つづく=^_^=

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?