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幼児とコンテンツ

今日、テレビやスマートフォンによって誰もが気軽に動画などのコンテンツを楽しめるようになりました。情報技術の発展が便利かつ快適な日常をもたらした一方で、負の側面にも目を向けなければならないと思います。

私たちがテレビやスマートフォンの動画を楽しむという構図を、「私たち」と「自動販売機のコーヒー」との関係に置き換えて考えてみましょう。
数多くの動画の中から自分の好きな動画を選択するプロセスは、自動販売機の前で「好みのブレンド」「好みの濃さ」「好みの量」「好みの温度」のコーヒーを選択するプロセスと同じと言えるでしょう。また動画を一時停止したり、再生速度を調整したりして自由に楽しむことは、コーヒーを好きな時間好きなペースで飲むことに置き換えられるのではないでしょうか。
つまり、私たち自身の好みに合わせてマイペースに楽しむ事ができるという点で自動販売機のコーヒーと動画は共通しているのです。

ここで自動販売機のスピーカーから、「私がオススメするブレンドや濃さでコーヒーを淹れておきました。60秒ちょうど、そして一定の速度でそのコーヒーを飲みなさい。」と指示があったらどうでしょうか?きっとあなたは窮屈で不自由な気持ちになると思います。

しかし、これは非現実的な話ではありません。テレビやスマートフォンで動画を観るという構図に一度立ち返ってみると、「自分が選んでいないコーヒーを一定の速度で飲まされる人」は「親が適当に選んだ動画を延々と観させられる幼児」に対応しているのではないでしょうか。
子育ての現場において子守り役としてテレビをつけっぱなしにする家庭は少なくないと思います。それは幼児らの成長に適したものや好みのものではない可能性がありますが、幼児らは反発を十分に表現できないこともあるでしょう。私たちは幼児らが窮屈で不自由な思いをしていないか気を付ける必要があるのです。

ではどのように幼児にコンテンツを楽しんでもらうと良いのでしょうか。私は多くの絵本を用意し、読むことを強要することなく彼らが手に取るのを待つのが良いと思います。彼らはマイペースでそれらを楽しみ、自分の好みを見つけていくことでしょう。これが幼児の成長を促すのではないでしょうか。

今回は情報技術の発展がもたらした影について考察しました。幼児はテレビやスマートフォンによる悪影響を受けている可能性があるため、絵本を置いておくなど彼らがコンテンツを楽しめる環境を整えてあげて、興味が湧くのを待つことが子育てにおいては重要ではないかというお話でした。


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