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黄色い家


あらすじ

十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。

金とは?幸せとは?

「金は権力で、貧乏は暴力だよ」

ー権力を他人のせいで失うのはなんなのだろうか?
幸せ、成功を手に掴めないのは何故?ー

「ないよ。あんたが生まれつき貧乏だってことに理由なんか。」

ーみんなの目的は一致しているはずなのに
みんな楽観視してなにもしない。
わたしがひとりで全て準備するのは何故?ー

「世の中は、できるやつがぜんぶやることになってんだから、考えたってしかたないよ。無駄無駄。頭を使えるやつが苦労することになってるんだよ。」

ー苦労するっていいことなの?
わたしが苦労するのは仕方がないことなの?ー

「しょうがないってこと。でも苦労もできない馬鹿よかましでしょ。あいつらは幸せかもしれないけど、馬鹿だよ。」

ー幸せって?ー

「幸せなにんげんっていうのは、たしかにいるんだよ。でもそれは金があるから、仕事があるから、幸せなんじゃないよ。あいつらは考えないから幸せなんだよ」  


感想

人はなぜ、金に狂い、罪を犯すのか
その道しかないのか?
引き返せないのか?

初めての信頼できる大人、友達
全て背負うには若すぎた主人公、花
周りには頼れるまともな大人はおらず
愚かな道を進むしかなかった
先は知れてた
どうしようもなく、そして辞められない
そうなったら最後あの人の言ってたことをしてしまう。

重い。とにかく重い。
飲み込むまでに時間がかかりました。
金への執着
狭い世界で生きていくしかないから
周りとの比較も共有もできない
無知は恐怖ですよね
後半につれ、より深みにハマっていく時には止めたくても止めれず、目も離せず、読み進めていくことしかできない自分にやるせなさを感じるほどにリアルを感じました。


最後に

幸せだったあの日々
みんなのために沈んだ
馬鹿なあいつは笑っていた
あいつも
深海にすすむと
笑えなくなったわたし
わたしを呼ぶ声はそこしかなかった

評価

⭐⭐⭐⭐⭐

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