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Entrée behind-the-scenes

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#2018年

"Entrée" behind-the-scenes⑦ルーシー・キャント・ダンス

僕はずっと、悲しみや憤りなどを、そのままの形でストレートに表現することに合点しグラムロックやプログレなどを軸にパンク精神を伴って音楽を作ってきた。

それは、陽の音楽は陽のマインドでしか作れなく、自分は作るのに相応しい人間ではないんじゃないか、と思ったからだ。

しかし、Bryan Associates Clubというバンドが2016年11月に解散してから、原点に立ち返るために自分のルーツを改めて

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"Entrée" behind-the-scenes⑥バルバラ

【用語解説】
バルバラとは、キリスト教が禁止されていた3世紀に信仰したことで塔に閉じ込められたニコメディアの聖バルバラのこと。塔には、三つの窓があったとされる。
バルバラが拷問された際、手折った枝から花が咲いたという逸話から、ドイツの一部ではクリスマスに枝・麦によって占いが行われる。それぞれバルバラの枝・バルバラの麦という。

—僕”と彼女は、あまりにも遠すぎた。
国境を越えたら、いつだってお

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"Entrée" behind-the-scenes➄ゴヴィンダ

"南の国で物欲しがって踊る 少女の瞳が不安なほど綺麗で
お金だしたら集まる子供達 「何も問題無いよ」と言ってたよ"

2014年3月。僕はインドを旅した。
友人たちとの笑い合う旅でありながら、
僕はあらゆる情景や状況、それにまつわる感情を走り書きでメモせざるを得なかった。それも、大量に。
ジョージハリスンは、何故インドにあれほどまでに惹かれたのだろう?
クーラシェイカーは、何故東洋哲学に心酔したの

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"Entrée" behind-the-scenes④FAITH

【用語解説】
"ビフレスト"とは、北欧神話において、地上から神の国アースガルドへとかけられた虹の橋のこと。ラグナロク(世界の終末の日)にスルトが渡り燃え尽きる。また、"ギャラルホルン"とは、ラグナロク到来を告げる笛のことで、アースガルドの門番によって吹かれる。

【コメンタリー】
『Entrée』制作に於いて1番最後に作ったのが、「FAITH」。
1番最後に、どんでん返しで収録することを決意したの

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"Entrée" behind-the-scenes③東京ラビリンス

“ラビリンス”とは、一般にギリシャ神話でミノス王がミノタウロスを閉じ込めるために工匠ダイダロスに命じてつくった迷宮のことを意味するが、
「迷宮」は迷路とは違い、正確にはクレタ型迷宮に代表されるような、分岐がなく秩序だっていて、
”他に選択肢のない一本道” という意味である。

——ここは、東京?小宇宙?いや、東京・内・宇宙。彼女は、”僕”の胸にすべての想いを預けた。
彼女は、ウクライナから東京を選

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"Entrée" behind-the-scenes②TRUE/GLUE

“GLUE”とは、直訳すると「接着する」となり、”くっつける”という意味のスラングでもある。

―警察学校に通う”僕”は、久方ぶりの休みに、大学時代に通い詰めたクラブに羽を伸ばしていた。
 0時を過ぎ、フロア全体がトランスに包まれた頃、隅っこで1人テキーラを飲むブロンドの女性に気づいた。ミラーボールに反射した、見覚えのあるクロムハーツのネックレス。
二人は秒を待たずに恋に落ちた。"GLUE"は偶然

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"Entrée" behind-the-scenes①首飾りとアースガルド

“アースガルド”とは、北欧神話に登場するアース神族の王国。死すべき定めの人間の世界、ミズガルズの一部であるともいわれる。
地上(ミズガルズ)からアースガルドに行くためには、虹の橋ビフレストを渡らなければならない。そのビフレストの番人がヘイムダルという人物である。

愛の女神フレイヤが持っていた首飾りがある日盗まれ、ヘイムダルは激しい戦いの末負傷を負いながらも首飾りを取り戻すことに成功する。
つまり

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